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全部が違う人たちの中で〜新しい教育を創る〜

僕の人生の中で大きく価値観を変えた2年間。
それは、アフリカのケニアで過ごした2年間でした。

青年海外協力隊として、まったく違う文化の中で暮らしました。
日常生活や仕事を通して、自分と向き合えたことで、今まで考えていたことが実際に体験できたと思います。


1.多様性を受け入れること

ケニアに行く前、自分は多様性に寛容な方だと思っていました。
勤務していた学校でも、いろいろな子に対して配慮しているつもりでした。
ケニアに行く前の事前研修でも、聞いた話に対して「それくらい大丈夫でしょ」くらいに捉えていました。

でも、

聞くのと、体験するのとでは、全く違いました…

文化や習慣が違うのは頭では理解できます。
事前に「時間守らないよ」「お金誤魔化してくるよ」、というような話を聞いていたので、覚悟はしていました。

それなのに、イライラが募っていくと、怒りや悲しみに変わっていきました。
イライラの積み重ねは、かなりきついものがあります。
最初の方は良くても、だんだんと許容範囲が狭くなってきて、小さなことが気になりだします。

そして、最終的に「あきらめよう」という心境になります。
もちろん、自分自身のことは守りながらです。
(例えば、時間を守らない前提で常に2冊くらい本を持っておくなど)
そうやって本当に受け入れるまで、1年以上はかかりましたが…

約束や時間を守らないことが原因で仕事が進まないときも、
「まぁいっか」
という心境で過ごします。

期待しない

と言った方がいいかもしれません。

日本人の価値観のように、約束や時間が絶対ではないのだと身をもって知りました。

しかし、自分が守らないわけではありません。
自分が守らないと気持ちが悪いので、自分は時間通りに待ち合わせに行きます。
これは、日本人としての生き方の問題だと思います。

おかげさまで、日本に帰ってきてからも、約束や時間を守らない人に全然ストレスを感じなくなりました。
守ることが当たり前だと思っていないからです。
だからこそ、守ってくれる人には「有難う」と感謝ができるようにもなりました。

自分の当たり前が、相手にとっての当たり前だと実感できたことは、自分の人生の中で、本当に大きなことでした。

世の中にはたくさんの人がいます。
国も環境も世代も性別も違う人ばかりです。
時間を守ることも守らないことも正解です。

この経験のおかげで、自分の考えだけが正解だと思う傾向が少なくなりました。
できるだけ、相手の背景まで汲み取ろうという心構えができました。

2.日本人ということ

多様性を受け入れると、自分の心は大きくなりますが、自分自身がどう行動していいのかわからなくなりました。

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