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保育の大切なコンセプト、aibase保育

保育理念が日々の保育の羅針盤なら、保育手法は目標とする子どものすがたに近づくための日々の保育の地図。保育という大海原でその意義や目標を見失わないように、ConoCoで実践している保育手法を紹介します。

航海

なんとなくではかならず行き詰る

子どもを育てるというのは、今したことの結果がいつ出るかもわからないような途方もなく気の長い、だけど人の一生を左右する重要な仕事です。
1対1の子育てでも大変なのに、保育園のように大勢の子ども相手となるとなおのこと。

ただなんとなくあそんでいたり、ごはんを食べさせていたり、おもちゃを用意しているのではかならず行き詰ります。

自分はなんのために保育をしているのか、
自分がしていることはこれでいいのか、
毎日の保育に意味が見いだせない、
そんな保育者の悩みを少なからず耳にすることもあります。

保育手法は航海における地図

たとえば船員となって大海原へ漕ぎ出すとしましょう。

目的地もはっきりせず、地図もないまま海に出たら、いったいどうなるでしょうか。目印となるものもほとんどなく、自分が今どこにいるのか見当がつかない。
右も左もわからないままの航海がえらいことになるのは、想像にかたくありません。

目的地が定まっていたとしても、そこへたどりつくためにはどちらの方向へどれだけ進めばいいのか、潮の流れや水深はどのくらいか、そんなことがわかっていないと遭難したり、途中で座礁してしまう危険だってあります。

その昔、地図や羅針盤の発明が人々を新大陸へと導いたように、途方のない子育てという航海でちゃんと目的地にたどりつくためには、保育にだって地図や羅針盤が必要なのです。

前回の記事で述べたように理念が保育の羅針盤だとすると、保育手法はその地図ともいえるかもしれません。


さまざまな保育手法

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理念で掲げる目標のすがたへと子どもたちが成長していけるように、保育者たちが日々どのようにあればいいのか、どんな具体的な実践を日々おこなうのか。それをしめすものが保育手法です。

以前の記事でもお話ししたように、保育手法は園によってほんとうにさまざま。


多くの園でひろく実施されている一斉保育や、一般のかたにもなじみ深そうなところでいうと、棋士の藤井聡太さんで有名なモンテッソーリ教育、俳優の斎藤工さんで有名なシュタイナー教育といったところででしょうか。

保育業界のかたには、コーナー保育や育児担当保育、異年齢保育といった言葉もなじみがあるかもしれません。
かんたんに説明すると、コーナー保育は、コーナーごとにつみきやままごとなどのあそびが設置されており、子どもが自分のしたいことを選んであそぶ保育手法のこと。

育児担当保育は、おもに乳児期の子ども( 0歳~2歳 )に実施される保育で、ひとりの子どもに対して食事や排泄といった大切な場面でのお世話を毎回おなじ保育士が担当する保育手法です。

そして異年齢保育はおもに幼児( 3歳~5歳 )に実施され、年齢別にわかれるのではなく全年齢の子どもたちがまざってお互いに影響を与えあいながら活動していく保育手法です。

aibase保育

緑を走り回る子どもたち

わたしたちConoCoの園では、aibase( アイベース )保育という手法で保育をしています。
aibaseとは、保育をする上で大切にしたい6つのコンセプトの頭文字をあわせた造語です。それぞれのコンセプトは以下のとおり、

a は accept 、ありのままを受けいれる
i は individualize 、1対1、その子のためだけにかかわる
b は believe&wait 、その子の力を信じて待つ
a は attachment 、新しい世界に飛びこむための心のよりどころになる
s は socialize 、自分以外の世界とつながる
e は environment 、環境が人をつくり、環境が人を育てる

この6つの子どもと向き合ううえでの心構え、その頭文字をとってaibaseとしています。

方法ベースではなく、概念ベースのネーミング

さきほど例として挙げたコーナー保育や育児担当保育も素晴らしい手法ではあるのですが、保育方法名でネーミングされると、マニュアル化されるなかでその本質の部分を教わらなかったり、見失われたりしてしまうと、いっきに形骸化してしまいがちです。

壁にぶつかったときやふと立ち止まったとき、いつでも大切なコンセプトに立ち返れて、どんな場面でも応用がきくように。

そんなねらいのもと、aibase保育は保育をするうえで大切な考え方をベースにネーミングしているのです。

子育てという大海原を漕ぎ出すなか、目的地に導いてくれる地図の存在はとても重要です。
迷わずにしっかりと目的地へと導いてくれる地図をもちたいものです。

( aibaseの一つひとつのコンセプトの説明はまた別の機会に! )


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