見出し画像

ちょっと待って、その服、保育園で大丈夫? ― 保育園での衣服について知っておいてほしい5つのこと ―

春からの保育園デビューに胸を躍らせている人も多いこの時期、皆さん入園準備に大忙しなことでしょう。
せっかく気合を入れて準備をしたものが、いざ入園となってみたら使えない…。そんなことが起こらないように、今回は保育園での衣服についてのお話です。

①保育園には汚れてもいい服で!

草原をかける子ども

近頃の小さい子の服ってものすごくおしゃれでかわいいですよね。大人のモデルさんをそのままミニチュア化したような格好の子もよく目にします。
そして服にもましてこの時期の子どもの愛らしさったら!
大人だったら着る人を選んじゃうような(失敬!)かっわいい服だって、
無事故で着こなせてしまうミラクルな期間です。

せっかくのこの無敵期間、なるべくかわいい恰好をさせてあげたい気持ちもよくわかります。たくさんの人目にふれる場所ならなおさらですよね。

しかし保育園という場所は、とても心苦しいのですが、ことお洗濯に関しては親泣かせな場所でもあるのです。

よだれや汗はもちろんのこと、泥に絵の具にクレヨンに小麦粉に…。

保育園は、服が汚れる要素が満載です。とくに白い洋服に泥の相性は最悪。
洗っても洗っても繊維のすきまに残り続けるずず汚れた茶色…。洗うよりも捨てたほうが早いんじゃないかと思うことも。

そういうわけで、かわいい盛りの子どもたちですが、保育園にはくれぐれも汚れてもいい、最悪捨ててもいいと思える服で来てほしいのです。

絵の具あそびや泥あそびをする日には前もって教えておいてくれたらいいんじゃないか。そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
園の方針によっては、先生が日々なにをするか決めているところもあるので、そういうことが可能なところもあると思います。

ですが、子どもたちのそのときの興味関心や、あそびの発展の具合を大切にしながら保育をしているところでは、前もって「 明日泥あそびをしますので汚れてもいい服でお願いします 」ということは難しいのです。

子どもたちが大きくなったときに自分で興味のあることを見つけ、誰に言われなくても自分でそれに集中して取り組む力を育むためには、自分がやりたいと思ったときにやりたいと思ったことを満足するまでやりきる経験が必要です。その積みかさねが、子どもたちの主体性や自信、好奇心や集中力につながっていくのです。

たとえば子どもたちが砂あそびをしていて、前日の雨でたまたまできていた水たまりの水がまざって砂の感触や形が変化していくことに気づき、もっといろいろやってみたい!とみんなの心が盛りあがったとき。

たとえばお散歩の途中で見かけた花の色の話題になり、絵の具でおなじ色を作ってみたい!と子どもたちがワクワクしたとき。

そんなときに、今日は泥あそびや絵の具あそびの準備をしていないから「 また今度ね 」となるのは、あまりにもったいない。
教育に携わるものであればみんなきっとそう思うでしょう。
子どもたちが自らやりたいと思っているときほど、成長できる機会はないのです。

ですから保育園での生活において、前もって服の汚れを対策できないこと、どうかご理解いただきたいのです。そして汚れてもいい服でのご登園とお洗濯のご協力、なにとぞよろしくお願いいたします。

かわいい服、かっこいい服はお家やおでかけのときに楽しんでくださいね!


②ロンパースではなく、上下セパレートの服で

泣く赤ちゃん

保育園での衣服でご注意いただきたいことは、他にもあります。
とくに0歳でのご入園でご注意いただきたいのが、ロンパース。
衣服としての着用のほか、肌着としても着用されることの多いロンパースですが、オシッコやミルクを吐いて濡れてしまったりしたときに、いったん全身を裸にして着替えないといけなくなってしまいます。また、おまるの練習をはじめるときなど、脱いだ上の部分がおまるに入ってしまったりなど子どもがひとりで扱いにくい形態でもあります。

保育園ではロンパースではなく、上下セパレートの衣服を着用するようにお願いされることが多いと思いますので、ご注意ください。


③温度調節のしやすい服のご準備を

また、年齢関係なく心がけていただきたいのが、温度の調節がしやすい服のご用意です。

とくに寒さを感じる重ね着の時期などは、肌着に長袖という組み合わせで来られるご家庭もあるのですが、保育園では意外と肌着は使いにくいもの。
暖房のきいた部屋のなかで子どもたちが暑そうなとき、「 ちょっと一枚脱がせて調節しようか 」と思っても、長袖の下が肌着だとすべてを着替えさせないといけなくなってしまいます。そうなると、早く次のあそびや食事に移りたい子どもたちの時間をなかなかに奪ってしまうことになるのです。

そこでオススメなのが、半袖Tシャツ。
長袖の下に半袖Tシャツを着ておいてもらえれば、温度調節も上の服を一枚脱がせるだけですみ、大変便利なのです。
半袖Tシャツは保育園では年がら年中大活躍するアイテムですので、入園準備の際には肌着ではなく半袖Tシャツを用意されることをオススメします。

また、最近はやりの裏起毛のトレーナー、これも保育園ではオススメできません。裏起毛の製品は熱を逃がさないので、運動量の多い子どもたちはものすごく汗をかきます。おまけにあまり汗を吸ってくれないので、寒いなか汗で湿った衣服でかえって冷えてしまうということも起こります。

上着もはおるので、冬は無難に半袖Tシャツとその上に長袖シャツやトレーナーの組み合わせが便利です。

これは必ずしも薄着を推奨しているというわけではありません。
あくまでも温度の調節がいろいろとしやすい服の方が保育園ではすごしやすいという意味ですので、あしからず。


④ズボンはゆったり、短め丈で

次に気を付けていただきたいのが、ズボンです。

スキニーデニムのようなおしゃれなものもありますが、あんまりピチピチだと子どもがひとりで脱ぎ着しにくくなってしまいます。保育園の年頃の子どもたちだと、身のまわりのことをなんでも自分でしてみたいという意欲がではじめるときです。まだまだ器用には動かせない手足でいっしょうけんめいチャレンジしたときに、ひとりでは成功しにくいものだとその意欲がしぼんでしまいます。
「 自分でできた!」「 またやってみよう!」
その気持ちを大切にするためにも、ズボンはゆったりめの、自分で着脱しやすいものにしてあげてください。

また、ズボン丈もかかとスレスレのような長めのものだと、踏んづけてつまづいたり、足を絡めてこけやすかったりと危険です。7分丈など、すこし短めのものをえらぶようにしてくださいね。


⑤フードやヒモ、装飾はさけて

医療と子ども26

安全の面から言うと、上に着る服もフードやヒモ、そのほか装飾などのついていないものがオススメです。保育者も気をつけて見守るのですが、フードなどが引っかかって起こる事故のニュースはたえません。ほかの子がヒモを引っ張って転倒するなんてことも、起こりうることです。

たくさんの子どもたちがすごす空間ですので、できるだけご家庭にもリスクの軽減にご協力をお願いしたいところです。

安全面とはまたちがうのですが、ボタンにもご注意を。
とくに服の後ろ側にボタンがついている服は、子どもたちはひとりで着脱ができません。こちらも、子どもたちの自立への意欲を励ますために控えてもらえたらと思います。


保育園生活を快適、安全、そして自立的に

衣服のえらび方からお洗濯まで、保育園は親の皆さまにたくさんお願いしないといけません。大変心苦しいかぎりです。

でもすべての保育園が、どうすれば子どもたちが安全に、そして快適にすごせるか、いっしょうけんめい考えています。そして一人ひとりの子どもたちが、自分で意欲的にいろんなことにチャレンジできるようにと知恵を絞っています。

その思いをご家庭としっかり共有しながら、いっしょに保育園生活をつくっていけたらと願っています。
どうかご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
( 園でオススメする衣服の内容は各園によりますので、必ずしも今回の内容がすべての園に当てはまるとはかぎらないことをご了承ください )


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?