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教育ニュース 変わる教育・変わる受験

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これから教育も受験も変わっていきます。その動きをとらえながら、教育ジャーナリストの中曽根陽子が取材した内容や、その中で感じたことを書いています。
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#教育

vol.17謎解き入試まで誕生。多様化する中学入試

日が暮れるのが早くなりましたね。この前、保育園に通う孫が「“秋の日は釣瓶落とし”っていうんだよ」と教えてくれました。保育園の先生に教えてもらったのでしょうが、季節が変わって暗くなるのが早くなったことに、自分で気づいたようです。 釣瓶がなにか分かっていなくて、それを説明するのが大変でしたけれど、そこから、太陽と地球の関係について話が膨らみ、パパが一生懸命説明していました。子どもが興味を持ったタイミングを逃さない! これ大事だなと改めて思いました。 さて、先日NHKラジオ

vol.16 チャイムも時間割も通知表もない公立小学校

子どもの「知りたい!やりたい!」という気持ちを大事にして、もともと子どもたちが持っているチカラを伸ばす手助けをすることを大事にしている公立小学校を紹介したいと思います。 それは、長野県伊那市立伊那小学校。40年以上に渡って、総合学習を中心としたプロジェクト学習を行っています。 私はまだ現地に行ったことがないのですが、先日伊那市のオンラインツアーに参加して、小学校の授業の様子を見ました。 ちょうど、小学2年生が校庭で飼っているヤギの体重を測っていたのですが、ヤギの体重を測る

VOL.15 私立中高のアンケート結果から。コロナ時代の中学受験はどうなる?

こんにちは 中曽根陽子です。 学校も再開されて新しい日常が始まっていますが、お元気ですか? 私は6月に「花まる子育てカレッジ」と共催で講座をいたしましたので、そのときにお話したことや感じたことを紹介します。 今回のテーマは、「コロナ時代の中学受験」。私からは、私学110校を対象に行ったアンケート結果から、私学が一斉休校中にどんな対応をしたのか、その中でどんな気付きがあったのか、再開後の学校運営やICT活用、受験についてどう考えているのかを見ていきました。 まず

vol.12 教科書をなぞるだけの勉強はいっさいしない。思いきりやりたいことを探究するスクールで、子どもたちは何をやるのか

こんにちは 中曽根陽子です。  先日ユニークなスクールを見学してきました。神戸に新しくできた、Learnnet Edge(ラーンネットエッジというスクールです。  母体のラーンネットグローバルスクールは、探究教育の第一人者でマザークエストのサポーターでもある炭谷 俊樹 さんが立ち上げ、20年以上に渡り常識にとらわれない革新的な学びを実践してきましたが、さらに10代の探究者がより自分らしく生きられる力が育つ場が求められて、マイクロスクールラーンネット エッジをスタートしたのです

vol.11 英語だけでない社会で活躍するために必要な力を育てる三田国際中学校高等学校

こんにちは 中曽根陽子です。  伝統女子校から、先進的な教育を行う共学校に生まれ変わって5年。「世界標準の教育」で注目を集める三田国際学園中学校・高等学校。中でも、海外大学進学も視野にいれたインターナショナルクラスは、高校で1年間の留学プログラムもあり、日本の高校の卒業資格を習得できることから、保護者の関心も高く、この学校の目玉となっています。先日、取材に行ってきました。  インターナショナルクラスは、英語力に応じて、0ベースから始めるスタンダード、インターミディエイト、ネ

VOL.10 安心して学びに没頭できるイモニイの「いもいも」とは

こんにちは 中曽根陽子です。 私が主催しているお母さんのための学び場「マザークエスト」でも「思考力」の授業を行ってくださった、イモニイこと井本陽久先生が主催する「いもいも」という中高生対象の私塾があります。先日見学させていただきましたので、その様子をお知らせしますね。  その日は十人ほどの中学生が参加していました。まずイモニイによる数理思考力講座。マザークエスト の授業でも体験したボンガードパズルを解いていきます。  ボンガードパズルとは、ロシアの科学者が考案したパズルで、

VOL.9日本と海外、2つの学校の卒業資格が取れる学校

こんにちは 中曽根陽子です。  皆さんは「ダブルディプロマ」って知っていますか? 日本と海外、両方の学校の卒業資格を取得できる学校のことです。 日本でも少しずつそういう学校が増えてきています。そこで、その先進校、文化学園大学杉並中高に取材に行ってきました。  文大杉並のダブルディプロマ(以下DD)コースは、カナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州教育法によって正式に認定されたカリキュラムを提供することができる海外校で、卒業時には日本とカナダ両方の高校の卒業資格を取得できま

Vol.7 ふつうってなんだろう?

こんにちは 中曽根陽子です。  先日、講演会に参加してきました。メイン講師は井本陽久先生(通称イモニイ)。栄光学園の数学のカリスマ教師で、みんなの学び場「いもいも」を主催している井本先生の「思考力を育てるためには、失敗をたくさんすることが大事」だという言葉を聞いて、私自身「失敗力を伝えてきたことは間違いじゃなかった」と励まされました。  「未知の場所に放り出されたときに、手持ちの物を使ってなんとかすること、それが思考力だ」という井本先生。マザークエスト の思考力講座もとっても

vol.6 習い事より、勉強より、子どもの発達に睡眠が大事なワケ

こんにちは 中曽根陽子です。 連休明けや長期休暇明けに不登校が増える原因の一つに、生活リズムの乱れがあると言われています。海外旅行にいったときと同じ時差ボケ状態になっている可能性があるからですね。 もし、朝からお子さんの機嫌が悪い、起きられないなら、この数週間を振り返り、寝る時間や起きる時間がまちまちになっていなかったか、見直してみてくださいね。 さて、そんな悩みを解決する方法が満載の本が出版されました。 私が主催している「マザークエスト 」のサポーターでもある小児科医の成

vol.5 頭の良い子に育てたかったら、文章で話す機会を増やすのが近道!

こんにちは 中曽根陽子です。 これからの教育のキーワードは「探究」です。探究とは、「物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること。深くさぐりきわめること。」 なんだけ難しいことのようですが、ちょっと工夫をすれば、日常生活の中にその機会はたくさんあります。 ポイントは、「なんだろう?」って思ったらスルーせずに調べてみること。 そこからきっと、いろいろな発見があるはずです。 最近は探究型の塾も増えていて、それはそれでとても魅力的なのですが、わざわざ塾にいかなくても、日々

vol.4 「子どもの学力は親の学歴&年収で決まる」の“まやかし”子どものやる気を育むのは、親の態度 非認知能力が高い子は成績も良い

こんにちは 中曽根陽子です。 今回は非認知能力についてです。 今世界的に注目され始めている言葉なので押さえておきたい言葉の一つです。 非認知能力とは、「忍耐力」「意欲」「協調性」「粘り強さ」「目標への情熱」などといった、数値で測ることができない能力のことです。 これまでは、学力やIQなど、数値で測ることのできる認知能力ばかりが注目されてきましたが、さまざまな研究で非認知能力を高めることが認知能力を高めることにつながるということがわかってきています。 考えてみれば、自分から勉強