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VOL.10 安心して学びに没頭できるイモニイの「いもいも」とは

こんにちは 中曽根陽子です。

私が主催しているお母さんのための学び場「マザークエスト」でも「思考力」の授業を行ってくださった、イモニイこと井本陽久先生が主催する「いもいも」という中高生対象の私塾があります。先日見学させていただきましたので、その様子をお知らせしますね。
 その日は十人ほどの中学生が参加していました。まずイモニイによる数理思考力講座。マザークエスト の授業でも体験したボンガードパズルを解いていきます。
 ボンガードパズルとは、ロシアの科学者が考案したパズルで、左右に分けられた6枚ずつの図形を観察することで左右のグループのルールを推測する思考力パズルです。
 分かった生徒が自分の考えを発表し始めると、他の生徒たちが同意したり、補足したり、みんな楽しそうです。だんだん難しくなるパズルに奇想天外な解説をする生徒に「お前、大学教授みたいだな」とツッコミをいれながらその様子を嬉しそうに見守るイモニイ。そういわれた生徒はますます嬉しくなって、自説を展開していきますが、他の生徒はそれを決して否定せずにおもしろがって聞いています。その様子から、「誰でも安心していられる」場をイモニイが作っていることが分かりました。
 続いての表現コミュニケーションは、インプロ(即興劇)という手法を使ったゲームです。相手の提案にはかならず「Yes,and」で返すというルールのもと、どこかに出かける計画を練っていきます。これは、「相手のアイデアを否定せず一旦そのまま受け入れて、アイデアで返す手法」で、企業などでもアイデアを出す会議手法として取り入れられています。
 その後全身を使った表現ゲームで白熱していく教室。一見ただ遊んでいるだけのように見えますが、まるで幼児のように自分をさらけ出し、全身のエネルギーを使って没頭しているのです。そしてその様子を実に嬉しそうに見守るイモニイとスタッフの先生たち。
 しかし、後で話をきいたら、「ここではこんなに自由に自己表現をしていても、学校ではまったく自分を出せない生徒もいる」そうで、いかに環境の力が大きいかを感じました。 
 いもいものサイトには「子どもたちのかけがえのない感受性をそのまますべて認め、なぜそう感じるのか、そのゆるぎない根拠を、子どもたち自身とともに試行錯誤を繰り返しながら探る。それらを徹底することで、彼ら/彼女らが、いつでも自分自身のまま、他者を尊重し、確かな人生を歩んでいけると、私たちは考えています。」
という一文が。
自由に自分を表現できない学校ってなんのためにあるのか…を考えさせられた夜でした。
いもいも小学生教室も始まっています。
みんなの学び場 「いもいも」については
http://imoimojuku.net/

●中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表  
教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『後悔しない中学受験』(晶文社出版)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)など著書多数。ビジネスジャーナルで「中曽根陽子の教育最前線」を連載中。
オフィシャルサイト  http://www.waiwainet.com/


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