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vol.16 チャイムも時間割も通知表もない公立小学校

子どもの「知りたい!やりたい!」という気持ちを大事にして、もともと子どもたちが持っているチカラを伸ばす手助けをすることを大事にしている公立小学校を紹介したいと思います。


それは、長野県伊那市立伊那小学校。40年以上に渡って、総合学習を中心としたプロジェクト学習を行っています。
私はまだ現地に行ったことがないのですが、先日伊那市のオンラインツアーに参加して、小学校の授業の様子を見ました。

ちょうど、小学2年生が校庭で飼っているヤギの体重を測っていたのですが、ヤギの体重を測るには、先生がヤギを抱っこして体重を測り、そこから先生の体重を引くという作業が必要です。実は、総合学習が、小数の繰り下がりの引き算の勉強にもなっているのです。

ヤギを飼育する柵も子どもたちの手作りで、何日もかけて釘打ちをして作ったそうですが、支柱を立てるのに深く穴を掘らないと安定しないことや、板を固定するには、板の両端に釘2本打てばいいことを、子どもたちが試行錯誤しながら見つけて行きます。正解を教えれば、すぐに完成するところを、敢えて子どもたちに試行錯誤させて、自分で答えを見つけさせていく。そんな探究的な学びが公立の小学校でやれるんだと、衝撃でした。

校長先生がおっしゃっていたことで印象的だったのが、「子どもたちがもともと持っている力を引き出して、子どもの意欲が重なった時に、本当にいきいきとした学びができる」ということです。この学校では、教師は共に学ぶ伴走者として子どもに寄り添う存在なのです。

子どもは何もわからないから教えてあげなくはいけないと思うのか、子どもはもともとチカラを持っていて、それを引き出す手助けをすればいいと考えるのか。育つチカラには大きな違いがありそうです。

以前はいわゆる学力が身につかないという批判的な意見もあったようですが、コロナによって、地方への移住に関心が高まる中、「子どもが内から育つ」という40年以上に渡る伊那小学校の探究学習の取り組みが、子育て世代のハートを掴み注目を集めているようです。

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