見出し画像

〈LANSCOPE PEOPLE Vol.01〉クリエイティブディレクター/コピーライター 熊谷正晴さん[前編]|機能より思想を。LANSCOPEのテレビCMで届けたかったこと

はじめまして。エムオーテックス(MOTEX)デザイン戦略チームです。
私たちのチームは、サイバーセキュリティのプロダクト・サービス「LANSCOPE」を提供するMOTEXの思想やカルチャーをご紹介していきます。

LANSCOPEに携わる人たちへのインタビューを通じてMOTEXの思想やカルチャーを紐解く「LANSCOPE PEOPLE」。
第1回は、当社が3年前から取り組んでいる自社のリブランディングプロジェクトで、コピー開発やテレビCM制作を担当されたクリエイティブディレクター/コピーライターの熊谷正晴さん(BEARS)にお話を伺いました。



—— はじめに、熊谷さんがLANSCOPEのテレビCM制作を担当されるようになった経緯を教えてください。

熊谷さん(以下、敬称略):前職のTBWA\HAKUHODO在籍時になりますが、MOTEXさんから「LANSCOPEを通してMOTEXというブランドを強化したい」というご相談をいただいたところから始まりました。
その時はまだLANSCOPEのことを知らなかったのですが、前職の社内の人に聞くと「うちも入れてるよ」と言われ、そこから一気に身近に感じることができました。
さらにLANSCOPEについて調べていくと、(LANSCOPEが)こんなこともしてくれてたんだ! ということがたくさんあって。他にも、IT資産管理ツールの分野で15年も連続でシェアNo.1※を獲っていることや、継続率が90%を超えていることもわかって、あらためてすごいなぁと思いました。


—— テレビCMでは、LANSCOPEの機能的な便益や必要性を直接的に訴えるのではなく、LANSCOPEおよびMOTEXの考え方を伝えています。どのような流れでこの方向性にたどり着いたのでしょうか?

熊谷:LANSCOPEには競合他社に負けない機能的な優位性があるというのは理解していましたが、15秒や30秒という限られた枠の中でそれらを伝えるのはなかなか難しいと感じていました。
また、プロジェクトがはじまった2020年は、コロナ禍がはじまった時期で、テレワークという働き方に関連する製品の広告が多く見られるようになっていました。
その時に提案させていただいたのが、「“機能訴求”ではなく“思想訴求”をしていきませんか?」ということです。「Everybody Smile」というVisionを掲げるMOTEXが、LANSCOPEを通してどんな社会や世の中にしたいとか、働き方をどうやって変えていきたいのかっていう思想を洗い出し、訴求していくというアプローチです。
MOTEXのことをまだよく知らない人にも届く、初めての大きな広告キャンペーンだからこそ、まずはMOTEXの思想を伝える方がいいのではないかと考えました。

—— MOTEXの思想をどのように探っていったのでしょうか?

熊谷:最初のディスカッションのとき、MOTEXさんにLANSCOPEと他社製品との違いについてお聞きしたんです。
そのときに、もちろん機能的な優位性についてもシェアしていただいたのですが、それよりも「私たちは、なにか不正を暴きたいわけではなく、ごくふつうに正しく働いている人たちを守りたいんだ」と仰っていたことが印象的でした。
「安心・安全に働ける環境があることで、そこで働く人が力を発揮して成果を出せる。セキュリティ=監視・禁止ではなく、可能性を引き出すためにLANSCOPEがある」というコンセプトがすごくおもしろいなと感じました。

—— LANSCOPEのようなセキュリティツールは、多くの人々の認識としては、不正を取り締まるもの、従業員の仕事を監視するもの、という少しネガティブな印象を持たれていることが少なくないと思います。それに対してはどのようにアプローチを検討されたのでしょうか?

熊谷:ポイントは2つあります。まず一つは、経営者向けに「こういうメリットがありますよ」というコミュニケーションをするのではなく、働いてる皆さんにとってどんなメリットやベネフィットがあるのかを描くことです。
妻夫木聡さんが演じる主人公が、テレワークで平和に穏やかに働いている風景を描くことで、テレワークに対する怖さやセキュリティソフトに対するネガティブな印象とは一線を引きたいと考えました。
もう一つは、「監視したいのではなく、見落とされているかもしれないあなたの頑張りに光を当てる、それがLANSCOPE by MOTEXなんですよ」という、「見える化」ではなく「生かす化」という方向性でした。

—— そういった方向性で進めるという結論にはどのように至ったのでしょうか?

熊谷:最初のディスカッションの段階で、MOTEXさんが話されていたことが起点になっていると思います。
LANSCOPEをはじめとするMOTEXのプロダクト・サービスの根幹には、「禁止より抑止」や「大多数の真面目に働いている人を守るためにログをとる」という考え方があるといった話です。
また、「これをしないとこんなリスクがあるよ」という演出や、「暴く」「取り締まる」といった文脈の「恐怖訴求」はやらないでおこうっていう「DON'TS」も共有していただきました。なので、それを前提に、じゃあこの中でどういうふうな方向性が考えられるか、どう戦うかっていうのがすごく考えやすかった。

—— リブランディングプロジェクトおよびテレビCMの企画が始まったのは、コロナ禍によって社会の価値観や人々の生活様式が急速に変わりはじめた時期でした。その点についてなにか配慮されたことはありますか?

熊谷:昔って、クリエイティブの中では「仕事場=戦場」みたいな描かれ方がされていたことが多かったと思います。だけど、そこはもう価値観が変わっているよなと。オフィスに限らず、いろんな場所でも安心して働けるっていうのが、現在のひとつの働き方の価値観だよなと。
そんな中で、なんて言ったら響くだろうなとか、共感してもらえるだろうなと考えて出させていただいたのが、「令和を平和に働く」というコピーでした。仕事を戦場のように描くのではなく、穏やかに安全に平和に働くことを実現する製品がLANSCOPEなんだ、というメッセージにすることが今の価値観に合うのではないかなと思いました。

—— 「令和を平和に働く」は、非常にシンプルですがすごく強いコピーだと思いました。

熊谷:これはMOTEXの歴史や実績があってこそだと思います。30年以上も事業を誠実に続けてこられて、実績を上げ続けているMOTEXだからこそ、「令和」や「平和」という大きなワードが背負えるのだと思います。年号や世紀を跨いでやってるからこそ「令和」を言えるし、言った方がいいだろうなと。

—— 「平和」という言葉はシンプルな一方で、どんな状態を指しているかが曖昧でもあると思います。

熊谷:「平和」ってどういう意味なんでしょう? という議論は、はじめの段階からありました。その中で、「平和」ってオフィスから遠く離れた場所でも安全に仕事ができるってことじゃないか。LANSCOPEがあることによって、オフィスを離れていたとしても同じ条件で働ける。これって、めちゃくちゃ平和じゃないか、という話をしていました。
またVisionの「Everybody Smile」との親和性も感じていましたね。

—— テレビCMの画面の中に置かれている「令和を平和に働く」とは別に、ナレーションやMOTEXのWebサイトなどでも使われている「働き方を平和に変える」というコピーもあります。これはどういった経緯で生まれたのでしょうか?

熊谷:「令和を平和に働く」というコピーは、画面の中で文字面として見るといいのですが、ナレーションに入れると「働き方を平和に変える」の方が耳残りがよく、わかりやすいと感じたので採用しました。

後編はこちら

※富士キメラ総研「2005~2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」の「IT資産管理ツール・2018年度」分野

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

サイバーセキュリティの最新情報やお役立ちコンテンツを随時発信しています! 時々バンニャ😸も登場 ♪