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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.2アントワープの事件

27.嘱託

 君はいつも話が早くて助かるねぇ。

 どういうこと?

 おや?やっぱり最近疲れてるのかなぁ?勘が鈍くなったねぇ。

 大きなお世話よ!ムダ口はいいから本題に入りなさい。

 おっとぉ…もうすぐ目的地だからねぇ。軌道修正感謝するよぉ。まずはダッシュボードを開けて、右上奥にあるスイッチを探してくれ。

旧友の言われたとおりダッシュボードの奥に手を伸ばすがすぐに突起物のようなものには触れられなかった。指先の感覚を頼りに少し時間をかて丁寧に感触を確かめると、やがて針先ほどの小さな窪みに気付く。しかしとても手指では届かないような穴のサイズである。

 スイッチか分からないけど何かの窪みがあるようね。

 その窪みの奥にあるスイッチをこれで押すんだぁ。

旧友は自分の髪の中からシャープペンシルの芯ほどの太さと長さの棒状のものを取り出した。強度は高く手で簡単に折ることはできないようだ。

 特殊な材質でできてるから、そのスイッチを起動させるにはこれでしかできないんだなぁ。

 あなたの"そういう技術"には私でも勝てないわ。

ソナタはそう呟きながら"棒"を受け取り、再びダッシュボードへ手を伸ばして窪みに突き刺す。するとダッシュボードのちょうど真上の天井の一部がパカっと開き、助手席に座るソナタの足に手のひらサイズのタブレット端末が落ちてきた。訝しむソナタを横目に旧友はタブレット端末を左手に取ると自身の指紋、虹彩、静脈を読み取らせたあと20桁の数字を声に出し、その直後に端末が起動して画面が点灯した。旧友はソナタの人体情報と新しいパスワードを端末に登録し終えると話を続けた。

 ソナタ、これがプランナーの正体に近づく鍵だ。俺はこのエリアで事件が起きる可能性があると分かっていた。"上"が開発したこのアプリによってね。

 こ、これは…予想を遥かに超えてきたわね。私もまだまだだわ。

 この端末を君に託す…何とかして著名人殺しの真相究明を進めてほしい。理屈は不明だがこのアプリの情報は正確だ。0.5刻みで表示される"星の数"を頼りに事件が発生するエリアを絞り込み捜査をする…俺らはこれまでそのやり方を繰り返してきた。星1や1.5のエリアでは一向に事件は起きないが2.5や3ではほぼ間違いなく"著名人殺し"は起きる。だが残念ながら事件を未然に防ぐまでには至っていない。いまの仲間の数でターゲットの候補者全員に24時間見張りをつけることはできないんだ。

 ま、まるで予言書ね。あなたですらも解明できないロジックを組み、"上"はこのアプリを開発した。ここについても調査が必要なようね。

 あぁ、そういうことだ。あと2つ注意をしてくれ。タブレットはその"棒"でしか操作ができないこと、そして…アプリの使用は"上"から許可されていない。それは俺が無断でコピーしたものだ。これから君と接触してくる者はすべて敵とみなし、アプリのことは決して口外しないように。今回のことで改めて感じたが、君は人を信じすぎる。

 はいはい、ご忠告ありがとうございまーす。

ブスッとした表情を見せたが自分のことを思って言ってくれることは分かっているので素直に聞き入れることにしたようだ。

 さぁお喋りは終わりだ。ソナタ…しばらく俺の支援は期待できないと思ってくれ。逃亡生活をしながら1人で捜査を続けることを託して本当にすまないが、これは君にしかお願いできないことだ。

 あなたの無茶振りはいまに始まったことではないからいまさら驚かないけど…あなたはこのあとどうするつもり?

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