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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅

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国際指名手配犯となった妻を探すため、ロンドは小さい娘2人と旅をしていた。各国の著名人を狙った犯行を追う中で、手がかりを探していく3人。果たしてこの旅のゆくえは…。 主人公が途中…
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2023年1月の記事一覧

新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅 Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅 Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

11.高揚

 お父様が日付を書くとき、数字の間に線を入れないことが分かっています。たとえば、12月13日であれば"○○○○ 12 13"(○○○○は西暦)となるはずですが、日記では"○○○○/12/13となっていました。このことから、私は犯人がスラッシュを書き足した…そう考えたのです。

 スラッシュを足す?犯人の目的は何?

 足したのはスラッシュだけではありません。時には数字の"1"も足した

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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

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10.返礼

遺体の確認後、女性は病院とのやり取りを済ませソナタが待機している車に戻った。ソナタが最初にやるべきことは決まっている。女性の父親の殺害を依頼した人物"クライアント"を探し出すのだ。病院の駐車場に車を停めたまま2人は殺害現場に残された"未来日記"の考察を再開した。

 これから先、犯人に近づけば近づくほどリスクは大きくなり、危険もより大きくなります。…それでも犯人を探しますか?

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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

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9.対面

車に乗り込み旅を再開する2人。目的地まであと少しのところまで来ている。そして、ソナタの推理ももうすぐ一つの結論に辿り着こうとしていた。

 さっきの"新たな違和感"って?

 それは…日付の"書き方"です。

 "書き方"?

 はい。先ほど見ていただいた日記の記述は細かい部分の書き方まで忠実に再現しました。私の記憶にも鮮明に残っているので間違いありません。しかし、日記にはあって自宅に

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8.暗雲

 ところで、父が書いた字はちゃんと読めた?楽譜に指揮者の指示を書き込むときのクセで、普段の文字も殴り書きなのよね。

 確かに走り書きではありますが、きちんと読みとれます。字をキレイに書ける方が早く書かために敢えて崩しているという印象です。

男性が殺害されたと思われる日、つまりソナタが凶器と見られる刃物を握らされ殺害現場に寝かされた当日、そしてその前日と翌日、翌々日の"未来日記"には

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