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2022年12月の記事一覧
新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件
7.予知
2人は父親と思われる男性遺体の確認のため車で病院へ向かっていた。ソナタは女性から借りた黒いセーターとジーンズに着替え、自身の青色のコートを羽織っている。女性との身長差からセーターのサイズはやや大きく、袖は少し余っている。出発してからしばらくはお互い心を落ち着かせるためか他愛のない話を交わしていたが、いよいよ本題に入る。
…そろそろさっきの話の続きを聞かせてもらおうかな。
そうで
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6.傀儡
そして、昨今頻発している"著名人殺し"が同一人物又は同じ組織の計画なのであれば、この構造は共通しているのではないだろうか。先入観は良くないが今後の捜査では一つの可能性として頭の中に置いておくことにする。そんな思考を張り巡らせながらソナタは浴室へと移動しシャワーを浴び始めた。仮に今回のターゲットが彼女の父親だとしたら、プランナーの策略ではマリオネットはソナタ自身であり、きっとどこかにクラ
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5.寛大
アントワープのある施設内でこの家に住んでいると見られる男性が亡くなっていたんです。私はその犯人を探しています。
この家に住む男性は父しかいないわ。…警察に連絡しないってことは、あなたワケアリって感じね。ちょっと待って、いま父の写真を持ってくるから。
女性がその場を立ち去るとソナタは何とか起こしていた体をソファに横たえ目を瞑った。自身の著しい衰弱を感じ少しでも休息を取る。やがて女
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4.邂逅
ソナタの服装はルンビニから変わらず、青色のトレンチコートにヒールのない黒色のロングブーツ、インナーのセーターは白色でパンツは黒色を身につけていた。この時期のアントワープの気温からするとやや薄着だし、歩きづらい格好ではないが徒歩で目指すには被害者の自宅と思われる場所は途方もない距離である。しかも、さっきまでの歩きやすい舗装された道とは異なり、真っ暗な畦道をひたすら進まなければならない。そ
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3.草臥
やれることをすべて終えソナタは部屋を後にし、監視カメラの位置や周囲の足音、声などを気にしながら見つからないようこの建物からの脱出を図る。幸いなことに早朝なのか深夜なのか、人の出入りは多くないが、自分を殺人現場に放置した人物に常に監視されている可能性は拭いきれない。自身の衣服にGPSの類が付けられてないことは確認済みであるが最新の注意を払い行動するべきであろう。
ソナタの中で今後やるこ