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政治に左右がある世代。左右なんて知らない世代。社会で選挙で理解しておきたいこと。

政治に左右がある世代と、左右なんて知らない世代とでは、政治にかぎらずコミュニケーションを取る場合に注意すべき、伝えるべきポイントが変わる。イデオロギーが掲げる正義を実現しようとする側と、これを正しいとする側は、了見がせまいと嫌われているのだ。イデオロギーが掲げる正義を超えて、社会の公正さを望む人たちについて説明する。

加藤文宏

時代の感性と2つの世論調査結果

──変革よりも現体制を維持し伝統的な価値観と秩序を重視する政党として、自民党は保守政党と認識されてきたはずだが、まるで違った。革新の看板を掲げている立憲民主党や共産党が改革志向の低い政党とされたのである。

 2000年代前後に生まれた人たちに特有の、透明な政治への感覚をうまく言語化できないままもどかしい気持ちでいた。これは世の中への理解が足りないからと言いきれないもので、青年時代の私が抱いていた幼い政治感覚とまるでちがうものに感じられた。違和感に輪郭が与えられたのは、読売新聞と早稲田大学が共同で行った世論調査の結果を知ったときだった。結果は衝撃以外の何ものでもなかった。

 この2017年の調査では60歳以上の高齢者は、もっとも保守的な政党は自民党、もっともリベラルなのは共産党と認識されていた。共産党を左派・左翼でなくリベラルと表現するのはいささか抵抗を感じるが、これは設問でリベラル、中間、保守の程度を質問していることと関係している。

 調査対象の最年少グループである18歳から29歳の層をみると、もっとも保守的なのは公明党であり、次に保守的なのが共産党と民進党、自民党は中間、もっともリベラルなのは……

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