るいぼすてぃー

オフィスの真ん中のデスクで、
パソコンの画面と向き合っている最中、
15時を過ぎた辺りから私は脳内タイムスリップをする癖がある。

本日の脳内タイムスリップは、数年前の2つ年上の従兄が亡くなった時の火葬場での事を思い出していた。


火葬時間は約1時間くらいだと思うのだが、その間お食事が出てみんなでご飯を食べていた。
しかし、葬儀場からもしっかりとした朝ごはんが出るので、火葬場に来る前に葬儀を執り行った時間があってもまだそんなにお腹が空く間に早めのお昼といったところだった。
そうなると、親戚の子供たちはちょっと食べ物やお菓子をつまんでもすぐ飽きて「どっか行こうよー!」祭りが始まるのだ。
致し方ないので付き合うが、ちょっとしたキッズスペースもすぐに飽きてしまいガラス張りの自然が見えるエントランスに移動した。
私はエントランスのカフェスペースみたいな座席にポツリと座って、空を見ながら「なんだかなぁ、、、」と癌で亡くなった従兄のことをボーッと考えていた。
すると従兄とは別の従姉の娘ちゃん(当時まだ幼稚園児)がガラス張りの向こうの自然を見ながら、

「ぼくらはみんな生きているー!生きているから歌うんだー!」

と本意気の大きな声で歌い出しそしてまるっと歌いきった。

「、、、。えっ、、、ここ、、火葬場だけどwww」
と不覚にも笑ったwww

亡くなった人が骨になる場所で彼女は「ぼくらはみんな生きているー!」と気持ちよく“手のひらを太陽に”を歌い切っていた。

「従姉の娘ちゃん、あなたお外見て気持ちよく歌ってるけど後ろに知らない人(違う火葬で来ていた親族の方達)もいるけど、、、大丈夫?w」と他にも従姉の娘ちゃんのリサイタルを聴いていたお客様がいた事を伝えると、後ろを振り返りめちゃくちゃ恥ずかしそうにしていたw

なんでそんな本気で、ましてその曲を歌ったんや、、、www

子供って不思議よね、、、。
たぶん場所とか考えずに不意に出てきた歌だったと思うが、神がかった選曲だったなと改めて思う。

ちなみに“手のひらを太陽に”はアンパンマンの作者のやなせたかしが作詞しているらしい。(今初めて知ったし、言われてみればやなせたかし感が強い)

私はこの歌の歌詞の
“手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮”
のところに生きてる味を感じる。


あの恥ずかしそうな従姉の娘ちゃんの顔を思い出し、
少しクスッとしたところでパソコンの手を止め、キリッと冷たいルイボスティーを一口飲んだ。

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