レッスンレポート〜困難を乗り越えるのはポジティブシンキングではなくロジカルシンキング
こんにちは。
小学校の記憶が「席替えで隣を懇願されるほど人気者だった」ことしか記憶がないモロエです。
#いいことしか記憶しないメモリ
さて。
昨日はモーツァルトのトルコ行進曲にチャレンジしているSさんのレッスンでした。
今ちょうど最後のページまで来ているのですが、この最後が本当に難しい。
今まで曲の中で出てきたスキルの総ざらいのような場所なので、苦戦するのも無理のないレベルです。
昨日もその一か所に集中して、2人でなんとか突破口を探していました。
そんなSさんの姿を見て、あるとき本屋さんで見たあるビジネス書を思い出しました。
そこに書いてあったのは「困難を乗り越えるには、ポジティブシンキングが一番!」という一文。
それ以降は、その根拠をつらつらと綴っていました。
もちろんそれもひとつの考え方だし、それで実際人生が豊かになれば僕も嬉しいのですが、どうも僕は昨日のSさんにその思考法を試してもらう気にはなりませんでした。
そもそもポジティブやネガティブといったものはその人の「感情」と密接に関わっていて、僕らではコントロールしかねるものがあります。
というより、コントロールする必要がないものなのです。
感情は生きているだけで自然と湧き出てくるものですから、その時々に出てくる感情を否定していては、豊かになれるはずがありません。
ネガティブにはネガティブの、ポジティブにはポジティブの良さがあるのです。
例えばピアノで例えるなら
ポジティブ→弾くのが困難な箇所を、困難だと思いながらも楽しく練習できる→経験値が増えて、いつしか弾けるようになる
ネガティブ→困難な箇所は難しいと素早くジャッジする→このままだと弾けないと感じてなんとか突破口はないかといろいろ考える→この考えている過程で、克服方法を会得するなどして大きく成長できる
とまあ、こんな感じでしょうか。
感情の良し悪しは表裏一体ですし、その人の個性を一番感じる要素ですから、僕はここには口出ししないようにしています。
では、実際に困難に直面している生徒さんを見かけたらどうするか。
僕は「ロジカルシンキング」を勧めています。
困難にも理由があって、それがなんなのかを考えてみる。
おすすめは因数分解で、両手で弾いていたものを片手に、片手で弾いていたものを1小節だけに、さらにこの音とこの音だけ、というようにどんどん弾く音を少なくしていく。
1音だけ弾くことを間違える人はいないのだから、この分解のどこかの過程で難しいと感じている原因があるはず。
それを見つける作業をしてもらっています。
そして自分が困難だと感じる段階が分かったら(例えば片手だと弾けるけど、両手だと弾けないとか)、「弾き方は変わってないだろうか」「指遣いはどうだろう」「そもそも、右手左手両方の音を意識できているだろうか」
などなど、自分に仮説を立てていきます。
こうやって文で説明すると、理屈っぽくて自分でも嫌になっちゃうのですが、これ実際にピアノの上で僕とやってみると、全然そうは感じません。
#まかせて !
むしろこうやってロジカルに努力して弾けるようになった難所は、ものすごく足場が安定していて、自信たっぷりに演奏することができます。
もしかしたら、人生においても同じことが言えるかもしれませんね。
あともう一つ。
ロジカルな努力は、家に持って帰ることができます。
ポジティブは、色んな出来事の中で消えてしまうこともありますが、レッスンの中で得たロジカルは、家の中で試すことができます。
さらにはそれを、他者に伝えることもできます。
そんなこんなで僕は、困難に立ち向かう生徒さんには「ロジカルシンキング」を勧めているわけです。
あなたももし今何かにつまづいていたら、ぜひ試してみてください!!
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