モロ先生の授業「ピアノの正しい極め方」
先日のレッスンでの違和感
その日の生徒さんの悩みは、初手から少し違和感がありました。
「この練習をするとこういう結果になるので、私はこうしてみました。上手くいきませんでした」と。
これは以前どこかの記事でも紹介しましたが、こちらが提案した方法を『試さずに』やってきて「上手くいきませんでした」と言われても、困っちゃうんです。
こちらが提示した方法が間違いなのかどうなのか、データが取れないので。
生徒さんに聞いてみるとやはりそうで「先生から前回『この方法試してみて!』と言われたんですけど、やってなくて・・・」とのことだったので、
「今からいうことは『なんで言う通りにしないんだ!悔しい!』とか、そういった個人的な感情は全く無くて、その上で聞きたいんですけど、どうして試してみなかったんですか?」と聞いても、特に理由は無かったそうです。
すごく違和感を感じたので「何か僕に隠し事してます?」と聞いてみると、どうやら僕が提案していたやり方は腑に落ちなかったんだけど、根拠が無いので、言い出すことができなかったんだそう。
その生徒さんとは、よく食事に行くくらい仲が良く、関係性も良かっただけに、その返答にはびっくりしました。
以前は僕も、こうした生徒さんの違和感に全く気づかず「どうして理由も無いのに試してもらえないんだろう?」と頭を捻っていましたが、どうやらこの「言い出せない」というのは僕個人に問題があるケースと、レッスンというカテゴリーそのものに問題があるケースがあるんだなあと感じました。
今回の生徒の場合は、明らかに後者で、一緒に食事に行くときは、他愛もなくどんな悩み事も話してくれるのですが、ことレッスンになると「先生の言う事には反論しない!」が定着してしまって、言い出せなくなってしまうんだそうです。
さらに話を進めてみると、どうやらその生徒さんが10年以上前に習っていた先生が「なんでいう通りにしないの!!」とよく怒る先生だったそうで、「ピアノレッスン」となると、どうしてもその思い出が蘇ってくるんだそうです。
いわゆる「トラウマ」ってやつですね。
このトラウマと向き合った上で、僕には「生徒さんの目的・目標を叶えるサポートする」という仕事がありますので、生徒さん側が感じていた違和感を吐き出してもらって、向き合うことにしました。
ピアノは基本「千里の道も一歩から」だけど・・・
この生徒さんにしたアドバイスは、今ピアノを頑張るすべての人に伝えたい内容だったので、この場を借りてお伝えします。
ピアノの練習を始めても、最初はビックリするほど何の変化もありません。
だけど、あるタイミングで「あ、進んでる」ということが確認できて、それによって気持ちが少しだけ安定するんです。
前に比べて、ちょっとだけ「いけるかも」という雰囲気が自分の中で流れる。
なので、ピアノ(楽器)を続ける時は「どうメンタルを保つか?」が凄く大切で、それには、さっき言った「あるタイミング」を迎えるまで「好きな曲しかやらない」のが一番良い。
なのでその子には「僕と一緒に好きな曲について語り合おう。そして、その時に出てきた曲しか弾かないで、1ヶ月くらい過ごしてみよう」と提案してみました。
皆さんのピアノライフも応援します。
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