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世界を変えたいなら失敗せよ

人類誕生から最初で最後の2023年、やりたいことがいっぱいあるぞ!

誰かがこんなことを言っていた。
「世界を変えたいなら失敗せよ」

あぁ、これからも沢山失敗してやろう。
「現状維持」が僕たちを地獄へ連れていく。

現状を保とうとして、平行線のグラフを夢想する人はとても幸せな人だ。現状維持はすべからく緩やかな下降線を描く。そして、その渦中にいると、なぜ自分たちが立っている地盤が沈んでいくのかが全く分からない。例えば、集落から人が少なくなり維持が難しくなってきた時に、何でだ?何でだ?と疑問は無限に湧いてくるが、自分たちは「仕事がない」「お金がない」「人がいない」「夢を語らない」とナイナイづくしの中で生きているのが普通になってしまっているので、自分たちの置かれている状況を正しく理解することができない。茹でガエルには、この場所に飛び込んでこない青ガエルの気持ちは分からない。沈みゆく地域の人たちには、ナイナイ世界に適応できない人間のことは理解できないのだ。

でも、そのようなナイナイ世界だと思われてきた農山村だからこそ、変革の余地は多くなってきた。時代はまわる。時代に取り残された地域だからこその「ヒズミ」が、地震が起こる原理と同じように溜まり貯まり続けている。その爆発が来年起こるか、再来年起こるか。僕はそのプレートにダイナマイトを持って突っ込んでいく役割だ。

今の日本社会において、ローカルが新しい価値を生み出すことは多くの人が知ることとなった。農村空間は国民共有の財産なのである。

作るだけの農村から、多面的な価値を伝える農村へ。

少しずつ、少しずつ、そのウネリは大きくなってきていると感じている。今、種まきをしている人。皆、毎日迷い、不安に包まれながら、それを振り払って歯を食いしばっている。上手くいかないかもしれない。それでいい。失敗することが当たり前のド田舎なのだから、胸を張ろう。まずは100発1中を目指す。

今までは1発必中の気持ちが強くあり、あきらかに当たっていないものでも細く長く延命させることに労力を削られていた。自分自身でも失敗を認めたくなかったのだと思う。でも、それでは僕が目指している世界からは遠ざかっていってしまう。

僕が目指している方向の先には、何があるのか。まず思い浮かんで来る顔は、既にこの地域に価値を見出して、自ら足を運んでくれた人たち。いわゆる都会からの観光客だ。ここに残された宝物を、本当に嬉しそうな目でみて、喜んでくれる。そして、それを見た地域の人が自信を取り戻し、少し恥ずかしそうにしながらも背筋が伸びていく。そんな相互作用をもっともっと増やしていきたい。

この地域に訪れている都会の人が、田舎へ求めるものは煌びやかな【非日常】ではなく、
暮らしの豊かさが心にしみる【異日常】であった。非日常は、例えばディズニーランドに代表されるようなテーマパークであったり、ゴリっと夢中にさせてくれる場所である。それに比べると異日常とは、自分の生活と地続きになっているものだ。都会での生活を下支えしているものであったり、ルーツになっているものであったり、失われてしまっているものであったり、都会から農村に訪れた人は、それぞれに大切なものを見つけて帰っていく。

また、極端な言い方をすれば、移住の促進を目指すために切磋琢磨されている方々には申し訳ないが、個人的には地域に移住者が増えなくても良いと思っている。ここに来ることで、それぞれが自分の大切な故郷を思い出し、できるだけ先祖代々の土地で暮らして欲しいと思う。きっと今はそんな場所になっている。…自分にもこんな田舎があったなぁ。おじいちゃん、おばあちゃんは、あそこでどんな気持ちで暮らしていたんだろう。今なら、ちょっとは気持ちが分かるかもしれない。と、そんな言葉をいただくこともある。

移住者がひとり増える度に、どこかで空き家がひとつ、護られなくなったお墓がひとつ増える気がして、少しの心苦しさを感じてしまう。それでも移住したいという方はすごく嬉しいけど。

まったくの外部から人を引っ張ってくるよりも、まずはここに住んでいる人の子どもたちや孫が帰ってきたいと思えるような場所にすることが先決ではないか。なぜ出ていったまま帰ってくることができないのか。そして、外の人のことばかりではなく、残った子どもたちや、孫の気持ちにも思いを馳せてほしい。自ら望んで残っている人のほかに、出ていきたかったが出ていくことができなったという劣等感を抱いている人たちもいる。

いろいろな政策や、構想を考える時に、存在もしない人のことを考えることには意味がないと僕は思う。もっと具体的な人を思い浮かべるべきだ。既に顔が分かる関係は誰にでもあるのだから、それぞれの関係はすべからく運命であると思っている僕からすれば、その1本1本の糸がどれでも大切なキッカケになる可能性を秘めている。そのための1歩は、覚悟があれば誰でも前に進むことができる。どんなに上を目指しても、100回チャレンジして、100度失敗すればいい。そこまでして、初めて現状維持は勝ち取れるものだと信じているからだ。

さて、最初で最後の2023年も自分の周りの運命を残さず使い切りたい。
この世との結び目がほどけてしまう前に…

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