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10/7実施「生きている森を見て、学んで、体感するワークショップ」(企業対象)実施報告


森と踊るのタケです。
澄み渡った快晴の10月の週末、恩方の森でj.union株式会社主催の「生きている森を見て、学んで、体感するワークショップ〜森のエコシステム(生態系)から組織の持続可能性を考える〜」を実施しました。

企画の背景

j.union株式会社(http://www.j-union.com/)は企業の労働組合に対して、組合活動や組織づくりのお手伝いをしている会社です。
「労働者が楽しく、元気に働くことは会社を元気にして、社会を元気にしていく」
そんなことを大切にしながら、組合組織のあり方や多様な社員にどのように働きかけると組合活動に参画してもらえるか等、いろんな企業の組合役員の方々とともに考えを深めておられます。そんなある日、森や畑の地面の下、つまり土中環境で展開される様々な生き物同士の関係性を知る機会があり、人間の組織も自然からこそ学ぶべきだと今回の企画につながりました。

いざ森へ 〜森の多様性と生態系に触れる〜

今回の参加者はj.union社の社員の方と、企業の組合役員の方々。
まずはお互いの自己紹介のあと、森の中に入っていきます。

案内役はこの森を誰よりも愛する当社の代表「ずーやん」こと三木一弥。
森の中に入り始めて、数メートルでずーやんの足が止まり、そこに繰り広げられる木や草花の自然の中での振る舞いや営みについて語りが進みます。
「これはクサギ。伐採なんかで、明るくなった土地にまず育つ木のひとつ。その後、あそこに見える木が大きく育ってくると、だんだんクサギは役割を終えて、勢いをなくしていきます。その森自身の進化の段階によって、活躍する木は違ってくるんですね。」
数メートル進むたびにずーやんの口からは、また新たな語りが始まります。
そんなこんなでなかなか森の中に入っていかないのですが(笑)、それでも自然界の不思議でかつ合理的な仕組みに参加者のみなさんはウンウンとうなずきながら聞いています。

森に入る前にもいろんな見所があります

そしていよいよ森の中へ。
あちこちに自然を読み解くヒントが溢れている森。足元のちょっとしたところにも生き物(菌も微生物も苔も植物も動物も)が共生して、機能しあう世界が垣間見えます。
例えば、多くの植物は根に共生した菌根菌に光合成でつくった栄養を与え、菌根菌は菌糸を遠くまで伸ばして、木にとって必要な栄養を運んでくる。まったく大きさも体のつくりも違う生き物同士がお互いを支え合って生きているのです。

自然界は相似形。大きな自然にも小さな自然にも命の輝きがあります

山の頂(いただき)にて 〜なぜ大木が倒れるのか〜

少し苦労して急坂を登ると、そこは周囲を見渡せる見晴らしのいい尾根筋。
みんな、「うわあっ」と思わず声を出して遠くの山々や足下の人里の様子をぐるりと見渡します。

里の様子を一望できる尾根から

『素敵な風景』で終わらないのが、このワークショップの価値のあるところ(自画自賛😄)

すかさず、ずーやんは、問いかけます。
「根こそぎ倒れた大木がここにあるんです。なぜ、こんな大きな木がこんなに無惨に倒れるんでしょうね?」

この土の塊は倒れた大木の根の裏側。まさに「根こそぎ」倒れてます。

下から見上げただけではわからない理由がそこにあることを知り、参加したみなさんはそれぞれ驚き、何か思うところがあったのではないでしょうか。
この問いの答えは、みなさんが森に来た時のお楽しみにとっておきますね。

柵づくり体験 〜私たちが森のためにできること〜

そんな驚きや思いとともに、実際に森の中で私たちが行っている作業を少しばかり体験してもらいました。
体験してもらったのは柵(しがらみ)づくり。
えっ、しがらみ??
そう、人間関係ではありません。本来の「しがらみ」です。
短時間だったので、完成には至らなかったものの、このしがらみがあることで、森の中が元気になっていきます。人間ができるちょっとした自然界への施しの体験でした。
森のために汗を流していただき、ありがとうございました‼︎

まず場所を決めて杭を打ち込むところから
小枝や落ち葉を使って、少しずつ柵ができていきます

畑の見学 〜自然界はすべて同じ理(ことわり)〜

そしてさらに自然農の畑見学。
まだまだ、たくさん収穫できる状態ではないものの、3つの無肥料・無農薬の農法を試しています。だんだん見えてきたそれぞれの違いや理屈などを簡単にお話しましたが、その理(ことわり)は森と同じ。様々な生き物たちの絶妙なバランスと関係性の中で野菜たちはうまく育ったり、育たなかったりします。

えっ、これが畑?という感じの自然農の畑にて

振り返りタイム

最後は焚き火を囲んで振り返りタイム。
淹れたてのコーヒーや畑で収穫したばかりのレモングラス・ティーを飲みながら、今日1日を振り返るうちに日は西に傾き、少し肌寒い中、終了の時間となりました。
豊かな1日をご一緒させて頂き、ありがとうございました‼︎
(集合写真、取り損ねた〜泣)

焚き火を囲んで振り返り
畑でとれたばかりのレモングラス・ティー

主催者様の声

◯服部 恵祐さん(j.union株式会社 最幸支援責任者)
生態系の仕組みを知れば知るほど、これって組織の話に通じるなあと思って企画させていただきました。実施してみると、ガイドのお話がとてもわかりやすいので発見が多く、しかも森を歩きながら体験的に学ぶことができるのでより深く理解できます。また、森の中にいるだけで五感が覚醒して気持ちよく、土や落ち葉、枯れ枝等に触れながら作業することで、感覚からの刺激がさらに増していきました。そして最後の焚き火を囲んでコーヒー飲みながらの振り返りタイム。本当に充実の1日をありがとうございました。

◯野村 麻希子さん(j.union株式会社)
「山の風景を見て『自然ていいねぇ』と皆さん言いますが違うんです。あれは『不自然』なんです」。緑の森に包まれた山を前に、いきなりのずーやんの言葉に驚かされました。でも、木を見上げ、葉の匂いをかぎ、草を分け入り、土を感じながら歩き、目には見えない地中の水や空気の話を聞くうちに、その意味がわかってきました。 「多様性」「変化に対応する」「共生」…森を説明する言葉です。組織づくりの場面でもよく使う言葉が、もっと重みを持って体感として理解できました。これから、世界が少し違って見えてきそうです。

最後に

森と踊るでは、今回のように、森の中で行う企業のイベントや研修としての企画をお引き受けしています。オフィスを出て、「自然」という違った環境の中で、新たな気づきや体験をしてみてはいかがでしょう?
SDGsや気候変動など、改めて自然との関係を見直すことが、企業経営においても大切な時代に入っています。そんな観点でもぜひご検討ください。

森と踊る株式会社(www.moritoodoru.co.jp)
contact@moritoodoru.co.jp


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