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経営企画の仕事は、数字で企業の未来を描く「戦略経営」/2023年経営企画アドベントカレンダー

自己紹介
スマートキャンプ株式会社で経営企画部長をしています森友也(もりともや)と申します。
今回、日本初!?の経営企画アドベントカレンダーを実施されるということで、参加させていただきました。


早速ですが、皆さんは経営企画の仕事にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

先日、大学生のインターンの方々と経営企画の仕事について話す機会をいただきました。そこで話した内容を今回のアドベントカレンダーとして書かせていただきたいと思います。

経営企画の仕事はその名の通り企業経営の「企画」をすることが仕事です。役割としては、企業財務会計やビジネスの知識を基に企業の現状を的確に把握し、将来の可能性を予測し、成長のための戦略を立案し推進することです。また、経営層やビジネスサイドの責任者と密に連携し、合意形成を図ることもかなり重要な役割で、社内における「舵取り」の役割だと私自身は考えています。

今回のnoteでは経営企画の役割や管理会計とFP&A、経営企画の仕事に必要なスキル・コミュニケーション力について知っていただければと考えています。そして、経営企画の仕事のやりがいやキャリアついても触れ、若手ビジネスパーソンの方々に「経営企画」の魅力を伝えられればと思います。

1.経営管理と管理会計(アカウンティング)とFP&Aについて

そもそも「経営管理・管理会計」って言葉からして堅苦しいイメージありませんか?
漢字と数字ばかりで堅苦しいイメージですね。
私もそう思っています。

「管理会計とは?」と検索すると、

「管理会計は、企業会計の一種。主として、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的としている。企業外部の利害関係者に対する情報提供を目的とする財務会計とは、大きく性格が異なっている。」

wikipedia

というような説明が出てきて、言葉が難しく拒否反応を示す人も多いと思います。
しかし、管理会計は本来堅苦しいものではなく、事業を成長させる事ができるか?と、数字を使ってより良い企業運営を実現させるためのもので、皆がワクワクする未来を明確にして目指す事ができるための手段なのです。
自分たちのビジネスが良い方向に向かう手助けをし、組織を動機づけさせることこそ本来の役割だと思っています。
そして経営企画の役割は、その管理会計を活用して経営者やビジネスの責任者と共に目標に向かう推進力を発揮させることにあると考えています。

とはいえ、この後の文章でも見慣れない言葉も出てくると思いますが、ご了承ください…。

次に「FP&A」という言葉をご存知でしょうか?
FP&Aとは「Financial Planning and Analysis」の略で経営管理・事業管理の役割を担う機能あるいは職種のことをいいます。
FP&Aの主な役割は、企業の財務状況を分析・予測し経営戦略を策定・実行するための情報提供を行うことです。
具体的には、以下の業務を担います。

  • 財務データの収集・分析

  • 財務予測・計画の策定

  • 業績モニタリング・分析

  • 経営戦略の立案・実行支援

これまでの管理会計とは考え方や役割が異なっており、昨今日本国内でも広まってきているものです。

【管理会計とFP&Aの違い】

                               FP&Aと管理会計。著者作成

FP&Aと管理会計は、どちらも企業の財務状況を分析・予測し、経営戦略を策定・実行するための情報提供を行うという点で共通していますが、FP&Aは経営戦略の立案・実行を支援することを目的とした機能です。そのため、経営者や事業部門の意思決定を支援する業務を担います。
日本では、FP&Aと管理会計が混同されることがありますが、FP&Aの方がより戦略的にビジネスに関与し、経営者やビジネスチームの意思決定に関わる役割を担っていくため、経営戦略に深く関わる機能になります。近年、日本でもFP&Aの重要性が高まっており、多くの企業でFP&Aの導入・強化が進んでいます。
個人的には、本質的にやることは同じだと考えていますが、新しい概念も出てきているため押さえておくと良いと思います。

2.経営企画の醍醐味は成長スピード

さて、次に経営の意思決定に関与する経営企画というポジションの醍醐味を3つご紹介したいと思います。

1)企業経営を数字で見える化できる
2)経営経営の改善に貢献できる
3)経営陣と近い距離で仕事ができる

経営企画の仕事は企業経営にダイレクトに関わる仕事です。そのため、自分の仕事が企業の業績にどのように貢献しているかを直接実感することができるものです。
また、経営陣と近い距離で仕事ができるため、経営戦略の策定や実行にも携わることができますし、経営者の視座・視野・視点を自分の仕事に活かすことができます。(活かさないと仕事になりません笑)
経営企画は、数値を基に語ることが重要です。なぜなら、企業の将来像を実現するための「道筋」を描くことであり、その道筋は数値や定量的な情報によって明確に示される必要があるからです。
例えば、売上高を100億円に増やすという目標を掲げる場合、その目標を達成するためには、どのような戦略を策定すればよいのかを、数値を用いて検討する必要があります。
新規事業の立ち上げや既存事業の拡大など、さまざまな戦略が考えられますが、それぞれの戦略が実現した場合の売上高や利益などの数値を予測し、その実現可能性を検討する必要があります。
そして、定量情報だけでなく戦略や実行施策などの具体的な定性情報を端的にまとめるフレームワークなども活用してビジネスが成長する根拠を示していく必要があり、ビジネスに欠かせないアウトプット力も磨かれることになります。
ビジネスパーソンとしてレベルを高めるにはかなりおすすめのポジションだと思っています。

3.企業の成長戦略を牽引する「戦略経営企画」を目指そう

最後に、経営企画としての役割を全うするためには?というお話をしたいと思います。

前述の通り経営に密接した仕事をするわけですから、経営層やビジネスサイドの責任者の考えを理解し、その考えを実現するための戦略を策定する必要があります。また、経営企画の成果を経営層やビジネスサイドの責任者に理解してもらうために、わかりやすい説明を行うことも大事です。
経営企画の仕事は企業の成長戦略を担う重要な仕事です。そのためには、経営・会計の知識だけでなく、自社のビジネスやその他の様々なビジネスについても理解をして経営者やビジネス責任者と対等にコミュニケーションできる力が必要になります。
経営・会計の知識を身につけるためには会計学の勉強はもちろんのこと、企業の実務で経験を積むこと、また、傾聴力や質問力・論理力・説得力などのコミュニケーション力を高めていく事が必要です。

今後も経営企画の需要は高まっていきますし、ご紹介したFP&Aのような戦略機能はAIなどの高度な技術が発展すればするほど、人の創造力を発揮するポジションとして市場価値が益々高まるものだと考えています。
現代では、人に言われたことをこなすだけの受動的な仕事は大きな価値を作れないと言われています。
経営企画パーソンにおいても決められた数値をまとめているだけの仕事ではなく、自分の頭と足と自ら飛び込む積極性を使い、経営陣やビジネス部門の責任者、そして他社の優秀なビジネスパーソンとの交流を通じて自社の成長に貢献する活動ができる攻めの「戦略経営企画」を目指してほしいと思います。

ぜひ、若手のビジネスパーソンの皆さんが「戦略経営企画」のスキルを身に付けたい!企業の成長に貢献できるようになりたい!と思っていただけるきっかけに本記事がなれば嬉しいです。

おわりに

今回の経営企画アドベントカレンダーでは素晴らしいプロフェッショナルの皆さんが記事を出されますので、引き続き注目していただければと思います。
私の前に発信された株式会社ABCash Technologiesの伊藤さんはIPO請負人と業界でも著名な素晴らしいご経歴をお持ちの経営企画のプロフェッショナルです。是非ご一読ください。

私も引き続きnoteやX(@moritomoya_SC)でも発信してまいりますので、ぜひ繋がっていただければと思います。
また、経営企画やCFO、経理財務部門、コーポレート部門の方々が参加するSlackコミュニティ「経企コミュを運営しております。もしご興味がある方がいらっしゃればぜひご参加ください。
オープンなイベントも定期的に開催しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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