ドイツ漫遊記31~ルンペンハイム城で井上陽水~
ナチュガチュギ
キングオブコントでラブレターズの『光』を見てから、井上陽水のメロディが頭から離れなくなった。
ぼんやりと天気の悪い、霧に包まれた街を歩きながら「井上陽水、やっぱすげぇな」と思いながら『少年時代』を聴いていた。
ドイツのフランクフルトにいても、なぜか胸に響くの井上陽水である。ルンペンハイム城なるものが面白そうだと思い、電車とバスを駆使して1時間、あっさりとルンペンハイム城に到着してのんびりとしていた。
一度でも『少年時代』のメロディに取りつかれてしまうと、「歌うとどうしても、井上陽水っぽくなるな・・・」と思ってしまい、何かしら楽器に頼りたくなってくるのである。誇張した井上陽水が自分の中で加速し、「夏が過ぎ 風あざみ」が「ナチュガチュギ キャジェアンジャミ」になりながら、全編に渡って崩れた井上陽水で歌ってみるのだが、どうもふざけていてしっくり来ない。歌詞もさることながらメロディラインが実に美しいのである。ただ一歩間違えればふざけている雰囲気も出てしまうので、面白と美しさの絶妙なラインを付いているなと、異国の地でぼんやり考えてしまうのであった。
リコーダーが欲しくなる
『少年時代』を楽器で演奏するとして、持ち運びが便利な楽器はないかと、ルンペンハイム城近くのマイン川を歩きながら考えていた。口笛でメロディを吹いてみるものの、高音の部分が出ず、高音が出せて持ち運び便利となればリコーダーだろうと思い買いに行くことにした。
調べてみると、木製のソプラノ・リコーダーが安く売っていることを知った。アルトやテナーで良いものはかなりの値段がしたので、ソプラノにした。
幾つか楽器屋さんを周ったのだが、めぼしいものを見つけられずにいた。最後に行った楽器屋さんで良い色のリコーダーを見つけたので即購入。店員さんからもお墨付きを頂き、気分ルンルンでホテルに戻った。
木製のリコーダーは『育てる楽器』なのだそうで、これからゆっくりリコーダーの成長を楽しみたいと思う。