15年前、美大の教授との会話を通じて、質問をする際の心構えが変わった話。
武蔵野美術大学に通っていた頃、学科教授にプロダクトデザイナーの深澤 直人先生がいました。ゼミ生ではなかったので、そこまで深く関わりはなかったのですが、深澤先生との会話を通じて、他者に質問をする際の心構えが変わりました。
大切な心構えだと思いますので、短いお話ですが、書きたいと思います。
大学4年で卒業制作に悩んでいた頃「ティッシュをフワッと広げたようなお皿」を制作してみようかなと思い、プロダクトデザイナーの深澤先生なら良いアドバイスをもらえるかもっ!と、大学生あるあるの若気の勢いで直接尋ねに行きました。
すごく当たり前のことかもしれませんが、当時の私にはこのやりとりは衝撃でした。自分に全くそういう思考がなかったことにも恥ずかしくてショックで、ド〜〜ンッ!と心に響いたんです。
このやりとりって、実はいろいろなことにも当てはまるなと。当時、あと1年後には社会人になる自分に対して「他者に教えを乞う、質問をする際の心構えとして」とても大事なことを、生意気で失礼な若者に、先生はあえて言ってくれたんだと思いました。
私はそれ以来、あまりにも安易な姿勢でテイクばかりをしないように気をつけています。他者に教えを乞う際、質問をする際には、なるべく自身で考え、調べ、試したりしながら「私はこう思うのですが〜」と自分の意見を踏まえて相手に質問するように心掛けています。
もちろん、門外漢の専門的すぎる知見や、時間がなく緊急性の高いとき、友人とのフランクな会話など、すぐに聞いても失礼でないときは、気にせず聞いてしまうことはたくさんあります。(気にし過ぎてしまうと逆に質問できない、行動に時間がかかり過ぎるなど、問題も出てきますので)
他者に教えを乞う際、質問をする際には、可能な限り少しでも一度自分の中に落とし込んでみると、対話として、その後のコミュニケーションが円滑にいく気がしています。
、、、会話の後、凹んでいる私をみた先生は、笑顔でしっかりアドバイスをくれました。結局そのアイデアは形にはなりませんでしたが、アドバイス以上の大切なものを教わったと思っています。
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