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【読書めも】なめらかなお金がめぐる社会。

今日の一冊は家入一真さんの一冊。
先日京都で開催されたBEYOND2.0というイベントで家入さんのお話を聞いてインスパイアされてしまい、そのまま帰りの電車でポチりました。

概要

CAMPFIRE社長の家入さんの思想についてまとまっている。
なめらかなお金が実現する小さな経済圏とはなにか?その中で実際に現在起きている取り組みなどがまとまっている

著者

代表取締役CEO。クラウドファンディング「CAMPFIRE」代表取締役。スマートEC「BASE」共同創業取締役。カフェプロデュース・運営「partycompany Inc.」代表取締役。スタートアップベンチャー投資「partyfactory Inc.」代表取締役。モノづくり集団「Liverty」代表。現代の駆け込み寺(シェアハウス)「リバ邸」を全国に作るなど、リアルやネットを問わず、カフェやウェブサービスなど人の集まる場を創っている。
※プロフィールはそのまま引用、参考記事:https://doda.jp/careercompass/compassnews/20161104-27891.html

まとめ

これまでの時代、は「大きいことは良いことだ」という考えが当たりまえの時代だった。この時代に於いては大きな企業に勤めて、大きな資産を作って、そのままマイホームを買って。こんな生活が理想状態。皆があれやれこれやれと時代を作っていた。
しかし今はそういう時代ではなくなってきている。
これは良い悪いのはなしではなく、考え方の変化の話。
今の時代においては生まれたときから物に満たされている時代。お金のためだけに働くという考え方ではなく、生き方みたいなものを考えやすい土台のようなものができている。
価値観の大きな変遷は3.11だと家入さんは言う。長い時間をかけてコツコツためたお金で買ったマイホームが一瞬にして流れ去る。
大企業に就職すればよかった時代も、シャープが台湾企業に買収されたり、東芝が上場廃止したりと。
だからこそ今「小さな経済圏」が必要になる。

小さな経済圏

個人や組織が小さなつながりを持ち支え合っているコミュニティ
家入さんがこれを感じたのが海士町という島根県の小さな離島。

この場所ではあらゆる人が「自分はどんな生き方をしたいか?」という問いから逆算して考えていた。
よくある地方創生では「東京にはない」と言って、東京都の比較で自分たちのことを考えてしまう。でも海士町の人たちはそうではなくて、「海士町にしかない」「海士町だからある」ものを大切に自分たちの尺度で生きていた。それを見て思ったのがこの「小さな経済圏」だそうだ。

CAMPFIREの取り組み

CAMPFIREは「資金調達を民主化し、世の中の誰もが声をあげられる世の中をつくる」をミッションに掲げている。

Fintechの文脈で言えば、裕福な人を裕福にするサービスと貧しい人を助けるサービスがあると、その中でもCAMPFIREは貧しい人を助けるマイクロファイナンスのサービスだ。
小さな経済圏をより拡大して、個人を中心とした小さな経済圏を作るためにはなめらかなお金の流れる経済を作っていかなければいけない。
数年前までは個人が何かをやりたいということには初期投資のハードルがあった。とくにものづくりをしたい場合などにおいては工場を作ったりすることに於いてもかなりのお金が必要になる。

ところがある夫婦は妻が作ったカレーの味を世間に届けたいという想いを持ちインターネット上で発信したところ、全国の300人が食べてみたいと思い、彼の夢は実現した。
こんなことがCAMPFIREの世界では実現している。

今までは、誰かにお金を投資するということ、資金調達をするということは「大層なこと」だった。カレーの例でも今までの社会だとサンプルを作って食品会社に売り込むか、事業計画書を書いて起業することなどが実現のために必要だっただろう。
でも今ではそんなに難しいことではない。あ、それ良いなと思ったときに簡単に応援感覚でお金を出す。例えばそんな感覚が家入さんが言う「なめらかなお金」の動き方のような気がする。
今だれかの「何かをやりたい」に対するハードルは下がってきている。

クラウドファンディングの課題と今後

クラウドファンディングの最大の課題は当たりまえになっていないことだ。
たとえば、CAMPFIRE上で「スマホの修理代を払いたい」というプロジェクトが発信された際。
「それくらい自分でなんとかしろ」「まるで物乞いだ」という心無い意見が目立った。
「クラウドファンディングをそんな用途で使うな」という批判だと思うが、じゃあどんな使い方が「正しい」のだろうか?

「それくらい自分でなんとかしろ」ではなく「それくらいだったらみんなで」という方が優しい社会になる。
なめらかなお金がめぐる優しい社会を実現させたい。

所感

家入さんの思想は独特で理解しきれているのかがわかりません。ぜひ皆さんも読んでください。
本を読み終わった後にぶらーっとCAMPFIREを眺めていると本当にいろいろな活動がある。リターンが欲しくてとかではなく、純粋にいいな、応援したいなと思うものが本当に多い。
とても面白いのは世の中には「やりたいこと」をもっている人がこんなにもいるのかということ。
逆にここまで想いが実現する社会が来ると「自分は何者なのか」「何をなすのか」という点が明確になっていない人は苦しい思いをする世の中が来るのではないかなというふうに思った。
そういった部分の変革の際たるはやはり教育なんではないかなと思うと、教育を変えていくことは分野としてはとても重要度も高くて面白そうだなというふうに思いました。

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