【5分エッセイ】醤油スプレーで醤油が飛び散った話
醤油の減塩スプレーってあるじゃないですか。あれで醤油が飛び散った話をします。
今日のお昼ご飯のことなんですけど。
昨日スーパーで買ってきた、お惣菜のお寿司があったんです。巻きずし。値引きされて安くなってたんです。昨日家族が半分食べたので、それが2個だけ余ってました。
それを食べようと思ったんですけど、その2個のためだけに醤油の小皿用意するのって、面倒くさいじゃないですか。洗い物増えるし。
それに、自分の思った通りの量の醤油が出せる人ってどれくらいいるんだろう。普段からテーブルマナーの訓練をされている階級の人たちなら制御できるのかなあ。私はできないです。
例えば醤油を出しすぎて、食べたい寿司のその飯の量に、こんなに使わないだろうっていう量の醤油を出しちゃったときの、「ああっ」ていう感じ。もったいない。でも瓶に戻すこともできないし。
あと醤油を入れた小皿に、寿司をちょんって浸すと、醤油で酢飯がゆるんでポロポロって崩れちゃったりする。あれも切ない気持ちになる。
そこで、そうだと思って。うちには醤油の減塩スプレーがあるんです。家族が買ったんですけど。
ていうか減塩スプレーって何? 醤油をスプレーしたいなら100均のプラスチックのスプレーでいいじゃんって思われそうだけど、そうじゃなくて、醤油に特化した減塩スプレーってのがあるんですよ。
ポンプの部分はプラスチックなんだけど、醤油入れとく部分が陶器製なんです。ちょっとおしゃれなやつ。
で、お寿司に醤油をシュッて吹きかけたんですけど。中の醤油が少なかったのか、減塩スプレーだから意図的にそう設計されているのか分からないんですけど、連続で押せない。普通のスプレーならシュッシュって連続で押せるじゃないですか。
それが押せない。ポンプに空気が入るまで5秒ぐらいかかる。シュって押して、ぱって手を離して、5秒ぐらいで、ゆーっくり空気が入って、押すところが元の位置まで戻ってきて、それでまた押せるようになる。
多分ね、理性が足りなくて減塩できない私のような人間のために、醤油スプレーは自らの体を張って減塩させようとしてくれているんだと思う。
「なんだこの醤油スプレー使えねえ」って言われる覚悟で、我々に減塩させようとしてくれている。
そういうのいいからシュッシュさせて。
昼休みの時間も限られているし、醤油はつけたいし。焦る気持ちで、ポンプが戻り切っていない、1ミリぐらいしか押せないところを一生懸命カッスカス押しまくっていたら、醤油があたり一面に飛び散りまして。血痕が飛び散った殺人現場みたいになって。
なんで。どうして。私は寿司に醤油をかけたいだけなんです。
なんでこんなことにって思いながら、飛び散った醤油を拭いたんだけど、結構、ああいうのって威力が強いからね。ぱっと見たら、近くにあったまな板と壁にも醤油のシミが飛び散っていて。
例えばミステリー小説とかで、殺人犯が犯行後に血痕を拭きとって証拠運滅を図ったりとかあるじゃないですか。あれ私には出来ないなって。
見落とすよあんなの。だって予想外のところまで飛び散ってるんだもん。すぐ捕まっちゃう。そもそも殺さないけど。
ともあれ、まな板に醤油が付いてる。
ふと思いついたんだけど、醤油味のまな板があったら便利なんじゃないか。
醤油まみれのまな板に、例えば巻きずしを、切り身じゃなくて海で泳いでいた姿のそれを置いて、輪切りにする。そうするともう既に醤油ついた状態でお皿に盛れるんですよ。
だからもう醤油スプレーも小皿も何もいらない。醤油まみれのびったびたのまな板さえあれば、解決できるんですよ。
そういえば岩塩プレートってありますもんね。キャンプとかバーベキューで使うやつ。岩塩でできたプレートの上でお肉を焼くと勝手に塩味ついてくれるよっていう。そういうのがあるじゃないですか。
でも今は除菌の時代。醤油まみれのまな板を使い回してたら、洗剤のジョイくんもさすがにキレると思う。私の脳内をキレイキレイされてしまう。
良いアイデアだと思ったんだけどなあ。
巻きずしはとても美味しかったです。