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牛肉の特性①~⑥

割引あり

現状の勉強の進み具合

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牛肉と色について

薄切り肉を買うとき、見える部分は鮮やかな赤色でも、重なり合った部分が暗い赤色(灰色)をしている時がある。
この時、鮮度が悪いと思ってしまうが、誤りである。

実はこの暗い赤色は、肉を切り分ける前の本来の色である。
肉は切り分けて、ほんの数分置くだけで、空気中の酸素に触れて、暗い赤色から鮮やかな赤色に変わり、私達が鮮度のよいという印象を受けるような色になる。

さらに、そのまま酸素に触れ続けて何日かたつと、肉の鮮度は落ちて褐色がかかった赤色になる。

つまり、暗い赤色の部分は「酸素に触れる前の鮮度が良い状態」ともいえるくらいで、必ずしも赤色だけが鮮度が良いというわけではない。
また、かたまり肉よりも、薄切り肉、さらにひき肉と、表面積が増えるほど、酸素に触れやすいのでいたみやすい。
では、もう少し具体的に説明していく。

ミオグロビンとは、色素タンパク質の一種。ヘモグロビンより酸素の親和性が高く筋肉中にあり酸素を運搬・貯蔵する。

①ミオグロビン→ニトロソミオグロビン
ハム類を作る時、硝酸塩や亜硝酸塩を用いて(発色剤)、肉の赤色を鮮やかにしたときの状態
→硝酸塩などからでてきた一酸化窒素は、ミオグロビンと強く結合し、鮮やかな赤色が安定に保たれる。

②ミオグロビン→オキシミオグロビン
肉を切り分けた時、断面が空気中の酸素と触れ、暗い赤色から鮮やかな赤色になったときの状態
先ほど説明した話である。

②オキシミオグロビン→ミオグロビン
動物が死んで呼吸が止まると、酸素が取り込めなくなり、その時点でミオグロビンに結びついていた酸素も、その後生体反応がまだ続く中で消費されるため、鮮やかな赤色から暗い赤色へと変化した状態

③ミオグロビン→メトミオグロビン
肉が過剰に酸素と触れ合ったため、「酸化」という反応が起こり褐色がかった色になった状態
→褐色がかった肉の色は、切り分けてから時間がたって、鮮度が落ちてしまった証拠

④ミオグロビン→一酸化炭素ミオグロビン
一酸化炭素はミオグロビンと強く結合し、鮮やかな赤色が安定して保たれる
→酸素よりもミオグロビンとの結合が非常に強いため、酸素を利用できず一酸化炭素中毒を起こす

話は変わるが、スーパーやお肉屋さんの陳列棚の電灯は、肉をおいしそうに見せるため、赤っぽい電灯を使う。家に持ち帰って肉を見たら、買う前より色が悪く見える理由はこれである。

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