牛肉の特性⑦~⑨
現状の勉強の進み具合
【なぜ料理を失敗するのか】 ←済
【料理のさしすせそ】 ←済
【調味料】 ←済
【肉、魚、穀物、野菜、果物】
●牛肉
◆焼き ←今回はここ
◆煮込
◆蒸す
◆揚げる
◆生
●豚肉
●鶏肉
●魚肉
●米
●小麦
●野菜
●果物
【卵、乳製品】
【油脂】
【ダシ】
【飲料】
【調理方法】
【心理、文化、遺伝】
⑦高温で焼いて肉汁を閉じ込める?
「肉を高温で焼き、肉の表面に層を作ることで肉汁を閉じ込める」
一度は聞いたことがあるかもしれない。
結論から言えば、これは間違いである。
1:焼いているステーキ肉から出るジュウジュウという音は、肉から液体(肉汁)が進出し、蒸発している証拠
2:高温で焼いたステーキ肉をもりつけた皿にはすぐに肉汁がたまる
3:フライパンをワインなどで※デグラッセするのは、焼いている間に肉から滲出し、キャラメル化したおいしい肉汁を溶かすため
※デグラッセ・・肉を焼いた鍋にこびりついて残った茶色いもの(シュック)をワインなどの液体で煮溶かす工程
4:ステーキを焼いている間中、蒸気が立ち上がっている。これは肉汁が蒸発している証拠
ただし、肉を強火で焼く場合もある。
肉汁が流れ出てしまうより先に、出てくる肉汁の水分を蒸発させるため。
そうするとことによって肉の表面温度が100℃以上に上昇し、メイラード反応が起こり、表面に焼き色と香ばしい風味がつく。
つまり、適度な焦げを付けることができる。
少し話が脱線するが、中華料理の調理技法で「煎(デェン)」というものがある。
少量の油を熱して強火~中火で両面香ばしく焼き、肉汁を大半を内部に留め、ジューシーに仕上げる技法である。
この技法は、強火にすることで加熱を短時間で済まし、水分の蒸発を減らすしジューシーに仕上げるというものである。
高温で焼き、肉の表面に層を作ることで肉汁を閉じ込めるというものではない。
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ちなみに、「肉汁を閉じ込める」というこの間違った情報は、ドイツ人の物理学者ユストス・フォン・リービッヒから始まった伝説である。
19世紀、リービッヒは肉の表面のタンパク質が熱によって凝固することを知った。
さらにこの物理学者は、この事実を過大解釈し、凝固した皮が肉汁を閉じ込めるという仮説を立てたのである。
強い熱は肉をコーティングし、肉汁が出るのを防ぐ、という考えはすぐにイギリスに広がり、続いてアメリカでも一般化した後、フランスに戻ってきて、広がった。
※リービッヒは肉を煮る場合、肉の表面のタンパク質が固まってバリアになると主張したが、その表面を焼く場合については自説があてはまると主張したことはない。
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⑧ステーキを焼く時の塩のタイミング
ステーキを焼く時の塩のタイミングは、書籍によって書かれていることがバラバラである。
一番早いものでは焼く2日前から、遅いもので焼いた後に塩を振った方が良いと書かれている。
まず、塩についての復習から
肉に塩を振った場合 (塩の特性の記事より)
②魚、肉、卵などのタンパク質の熱凝固を促進
③浸透圧による脱水作用
④魚肉等のタンパク質を変性
⑱うま味を増強
これらの現象が塩によってもたらされる。
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