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塩について 中編2 ⑪~⑮

割引あり

塩の特性を考える

①塩味を持つ
②魚、肉、卵などのタンパク質の熱凝固を促進する
③浸透圧による脱水作用を利用して、野菜をしんなりさせたり、魚の臭みを取る
④魚肉等のタンパク質を変性させるので、魚肉をしめるときに利用される
⑤魚や肉をすり混ぜるときに加えると、粘性を増し形成しやすくなる。
⑥豆腐を水中で加熱するとき、硬化を防ぐ。
⑦食塩濃度が高いと防腐作用がある。 
⑧小麦粉のグルテンの形成を促進する。
⑨野菜や果物の褐変反応を抑える。
⑩クロロフィルの加熱による退色を防ぐ。
⑪ビタミンCの酸化を抑える。 ←今回ここから
⑫さといものゆで汁の粘度を下げる。
⑬発酵速度や菌相を調整する。
⑭料理の見栄えを良くする。
鮎や鯵の塩焼きでは、表面だけでなく、特に背びれや尾びれに塩を押し付けて焼き焦げないようにする。(化粧塩)
⑮冷たい氷を作る。(最大-21.3℃)
⑯パスタやマカロニの煮崩れ防止。
⑰植物組織の軟化促進効果。
⑱うま味を増強する。

塩の特性 ⑪ビタミンCの酸化を抑える

まず、ビタミンCってなんだ?って話である
イメージとしては「レモンにいっぱい含まれている」「酸っぱい」「黄色い」「肌に良い」「体に良い」「疲れを癒す」などである。

しかし、ビタミンCはレモンにそこまで含まれていない
実際はピーマンの方が多いし、ブロッコリーには2倍近く含まれている。
そのため、1日のビタミンをレモンで補おうと思ったら5個食べる必要がある。

さらにビタミンCは、無色で味はしない
(厳密には味はあるかもだが、酸っぱくはない)
レモンが酸っぱい理由は、果物に含まれているクエン酸のためである。

一方で、肌や体に良いは、その通りである。
ビタミンCは、体に蓄積されず、取り過ぎても体外に排出される。

性質としては、ビタミンCは水溶性(水に溶ける)であり、加熱すると失われる
千切りキャベツを30分水に漬けると、20%ぐらいビタミンCが抜ける。

次に、「酸化」について考える。
酸化とは、簡単に言うと酸素と物質が反応するということである。

複雑なことは私も専門外だが、早い話、ビタミンCが酸化すると効果が微妙になると思われる。
食品が酸化して良くなったっという話は聞いたことがない。
一般的に酸化すると不味くなるので、これを防ぐために添加物として酸化防止剤などが使われている。

この酸化防止剤に使われるのがビタミンCであり、食品が酸化する代わりに自身(ビタミンC)が代わりに酸化されるのである。(抗酸化作用)

っで、本題だが、塩を入れるとビタミンCの酸化を抑えれるようだ。
塩には酸化酵素の働きを止める効果があり、これによりビタミンCの酸化を抑えている。
例:リンゴジュースをつくる時に、塩を少量入れると褐変(ジュースの色が茶色になる)のを防げる。これにより、ビタミンCの酸化を防げる。

塩の特性 ⑫さといものゆで汁の粘度を下げる

サトイモの皮を剥いて茹でると、粘りが出るため吹きこぼれする恐れがある。
これを防ぐためには
1. 下茹でする(一回茹でて、茹で水を捨てる)
2. 塩でもんでから、水洗いして茹でる
3. 5%の食酢水で茹でる
4. 0.3%のミョウバン水で茹でる
5. 1%の重曹水で茹でる(煮崩れする可能性あり)
6. 1%の食塩水で茹でる
などがある。

今回は6の食塩水について説明する。
サトイモの様なネチネチしたものを増粘多糖類と呼ぶ。
っで、それを塩水で茹でると、イオンがなんやかんやして粘りを抑えれるようだ。

要するに、1%の食塩水で茹でると、粘りが出にくいということである。

ちなみに話は変わるが、サトイモや長いもをすりおろすと、手が痒くなる。
これは、シュウ酸カルシウムが含まれているためである。
このシュウ酸カルシウムは針のような形をしており、これが皮膚に刺さることで手が痒くなるのである。

これを防ぐためには、酢水に漬けるか加熱する方法がある。
酢水に漬けると、シュウ酸カルシウムが溶け
加熱すると、シュウ酸カルシウムが壊れる
プロのテクニックに、長芋をすりおろす前にコンロの火であぶることで、作業をしやすくするなどがあるようだ。

一歩進んで考えてみると、そもそもなぜサトイモや長芋にシュウ酸カルシウムが含まれているかというと、虫から自身を守る役割があるようだ。
そのため、中心より外側、地下部分より地上部分の方がシュウ酸カルシウムが多く含まれている。

生物は上手くできていると感心する。

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