盛岡食いしん爺

盛岡食いしん爺日記 盛岡の美味しいもの、好きなものを紹介するブログです。 食…

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盛岡食いしん爺日記 盛岡の美味しいもの、好きなものを紹介するブログです。 食いしん坊から、爺になってしまった私が気ままに書いていきます。

最近の記事

誰かを連れて行きたくなる店

 ある人に連れられて行った火鍋の「姐妹(シスター)」。今度は誰かを連れて行きたかった。  花巻市の東和町に仕事で行った帰り、スタッフを誘った。火鍋を食べようと話した。店の前に着くと、その人は口数が少なくなった。  薄暗い住宅地の中に現れる紅い提灯。初めて来た時、思い出した紀伊国坂の怪談。  坂道で、すすり泣く女の人。声をかけるとのっぺらぼう。走って逃げる。坂の麓のそば屋の提灯を見つけて逃げ込む。だが、そば売りも目も鼻も口もない。  その人は辺りを見回し、口元は閉まったまま

    • 一時は閉店したが復活したマルカンビル大食堂

      そろそろ花巻での仕事も大詰め。今日は、ちょっと早めに行ってランチ。 上町(かみちょう)のマルカン大食堂へ。  マルカンデパートの頃、沢山の思い出がある。一時閉店したが色々な人達の努力で復活した。  マルカンと言えば、十段のソフトクリーム。その日は注文しなかったが、 学生時代は割箸ですくったなあ~  ここで中華そばを食べ、街の喫茶店で、2時間、いや3時間とずいぶん長居したもの。あの頃、あんなに長時間、何を話していたのだろう。  レトロな雰囲気を更に醸し出すユニフォーム。

      • 15周年を迎えたイタリアンの店の復刻メニューのパスタを食べながら

           当たり前にパスタを食べる様になったのは、いつからだろう。こんな風に思うのは、心が凪いでいる証。   昔は、ラーメンに焼きそばに天ぷら蕎麦が好物だった。   パスタが好きになったのは盛岡冷麺のコシと喉ごしを知った後だ。仕事で一緒の人たちや友達の影響だろう。様々な形で、多くの人たちと関わってきた。打上げで盃を手に色んな話をしたり、共にランチをしたり。何故か、 ワインとパスタ好きが多かった。  勿論、普段は忘れているが、食べ物以外でも多くの影響を受けてきた。 「水牛モッツァ

        •  西和賀の日帰り小旅(1) WARANOUE(ワラノウエ)の木の器と抹茶のフィナンシェ

           「オイル仕上げの木の器は料理の油が自然な味わいになります。」と始まる「木の器・カトラリーお手入れ方法」の説明。  使い始めから、手入れ、洗い方や注意する事などが記されていた。  ゴールデンウイークも終盤、まだ春が始まったばかりの西和賀を巡った。アポイントなしで、WARANOUE(ワラノウエ)のギャラリーを訪れた。オーナー藤原さんと会うのは2度目。初めて会ったのは、カフェ・ネビラキの瀬川さんと一緒の時だった。  その日はゆっくり話を聞く事ができた。  早速2階のギャリーへ。

        誰かを連れて行きたくなる店

          「バベットの晩餐会」と豪華なランチ

           今年こそゴールデンウィークに京都に行こうと思っていた。ところが色々あって行けなくなった。仕方がないので、近くの温泉に行ったり、家で映画を見たり、断捨離やご無沙汰していた人と会う約束などもした。何もしなくていいわけでもないし、それなりにする事はある。    ある日の午後、たまたま見た「バベットの晩餐会」。19世紀後半、ユトランド半島の質素で禁欲的な暮らしの漁村が舞台。  牧師の父が亡くなった後を美しい姉妹が引継ぎ村人も教えを守り暮らしていた。そこにフランスからバベットという女

          「バベットの晩餐会」と豪華なランチ

          今日は朝からブルース

             なんだか、今日は朝からブルース。連日運動して体中の関節が軋む。でも心は穏やか。窓の外を見ながら珈琲を2杯。  11時を過ぎて出かけた。  空は薄曇り。盛岡の古くからの歓楽街、八幡町界隈を歩いた。少し左の膝が痛い。いい年をしてバドミントンし過ぎの自分に苦笑い。  路地に入ってみた。  狭い道が八幡の通りに沿って長く伸びる。昔は呑み屋が連なり、看板の灯りも華やかだった。 八幡界隈には、開業100年を超える盛岡劇場や老舗の料亭なども。  通りに出た。八幡町のメインの通り

          今日は朝からブルース

          源義経のゆかり義経神社に寄り、十割そば工房「小十郎本家」で、さらしなと天婦羅

             仕事の前にちょっと気分転換のドライブ。花巻市大迫町へ向かった。 特に理由はない。   前にも通り気になっていた場所。  車を停めたのは、今、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の影響もあったかもしれない。  井戸はまだ水が湧いている。  150メートル先に義経神社とある。  急な坂道の斜面に山吹。  すみれ。  日影がよく似合う。 ひっそりと佇む鳥居の奥にお堂があった。  この辺り、赤沢は藤原清衡の誕生した地で、奥州藤原家のゆかりの地の様だ。説明板によると

          源義経のゆかり義経神社に寄り、十割そば工房「小十郎本家」で、さらしなと天婦羅

           しばらく時が経つと恋しくなる「味」がある。

           丁度、知人から連絡があり、ご飯を誘った。彼は、初めての「Liberta(リベルタ)」。  席につくとメニューに挟まれたチラシに目が止まった。  「ラ・オステリア」の頃から数えて15周年。  「復刻祭」として、人気 のあったパスタを月替わりで復刻するという。 「ポルポ・ディ・アフォガッティ クレソン添えのピリ辛トマトソース」。  その日は迷わずに決めた。 「ポルポ・ディ・アフォガッティ クレソン添えのピリ辛トマトソース」。      その日は迷わずに決めた。    タコをミ

           しばらく時が経つと恋しくなる「味」がある。

          鮨折から一貫づつ取り出して、カウンター気分で味わってみた!

           昨夜の集まりの後、鮨折を下げて帰った。岩手では、まだまだ宴会もままならない。  部屋で、包みを開けながら思う。  「しばらく鮨屋のカウンターに座っていないなあ~」かれこれ3年以上はご無沙汰。  綺麗な鮨にほれぼれして見入った。  「そうだ、カウンター気分で、一貫づつ置いて食べてみよう!」早速、小さな木の棚を片付けた。勿論、消毒して綺麗に。  準備はOK!  いきなりの中トロ。口に入れれば予想どおり。噛むほどに溶けていく。  平目。  しっとりしながらも、いい歯応え

          鮨折から一貫づつ取り出して、カウンター気分で味わってみた!

          盛岡と三戸町を繋ぐ「殿様あんぱん」

           昨年の12月半ば、まだ雪が降る前でした。時折、冷たい雨の降る中、国道4号線を北へ。奥中山辺りで標高は458メートル。雨粒がフロントに粘るように広がる。霙っぽい。  峠を下り、一戸、二戸市を抜け、三戸町を経由して青森県に入り、南部町に着いた。歴史を辿れば南部家は南部町から三戸に堅固な城を築いた。後に一時期、九戸城、そして盛岡に居城を構えた。  長い歴史の道筋を一気に遡ってみたかった。  まずは、南部町にある「きたむら茶屋」へ午後1時半頃に到着。  古民家をそのままに三戸町

          盛岡と三戸町を繋ぐ「殿様あんぱん」

          春と鰻

           若い頃、春は苦手だった。理由は分からなかったが、陽射しを避けるように路地裏を歩いた。たぶん、あまりに眩くて悶々とした自分には、なにかそぐわない気がした。あの頃、自分が嫌いで仕方がなかった事は確か。  4月、北国の空。  まだ少しひんやりとした空気。   視界はくっきり。 狭かった道は今、広々として「街は生きている、呼吸すら」なんて思う。 あまり出番のない踏切も華やいで見える。  一直線の八幡通りの先に紅い鳥居。その向こうに鎮座する盛岡八幡宮は変わらない。  その日、

          北国の街、盛岡は1時間ほども走れば、スキー場、温泉があちこちにある。車に乗ってから場所を決めたり。

           3月上旬のある日、車にスキーを積んだ。11時過ぎ、ゆっくりの出発。   まず、ランチにサンドイッチとトンカツ弁当を買って行く。盛岡の北西の月が丘は、滝沢市に隣接している。街のあちこちから見える岩手山。 盛岡の老舗洋食店「むら八」で修業した方が店を開いた店。  上田の「むら八」に行った時、 「うちにいたスタッフが店を開いたので、よかったら行ってみてください」と聞き、気になっていた。 とんかつ&コーヒースタンド「SUEKI(すえき)」 サンドイッチと極ロースカツ弁当を注

          北国の街、盛岡は1時間ほども走れば、スキー場、温泉があちこちにある。車に乗ってから場所を決めたり。

          肉が食べたくなると訪れる盛岡の老舗の洋食店「むら八」

           時々、訪れる店の一つ、盛岡市上田の老舗洋食店「むら八」。  先日、ある方に誘われて行った。  テーブルに置かれた伝統の味「洋食復刻フェア」のメニュー。座ると、 一緒の人はすぐに手にして、「これこれ、食べたかったんだ」と嬉しそう。  久し振りだったので、近況から話が始まった。元気にしているようだ。  しばらくしてテーブルを飾ったシーフードグラタンに海老フライと ヒレカツのセット。  これはたまらない。実は、グラタンが大好きなのだ。ベシャメルソースのいい匂いがする。  料

          肉が食べたくなると訪れる盛岡の老舗の洋食店「むら八」

          盛岡の老舗そば屋「直利庵」は、私にとって大切な和食の店・鮎そばと牡蠣そば

          日毎に春の訪れが気になる3月の半ば、寒気も緩んだ雨の日。 ランチの時間、透明の傘を持って出かけた。歩いていると手が冷たい。 ダウンのポケットから手袋を手探り。 中の橋を東に渡り、数分で「直利庵」に着いた。都市化の並みにも威風堂々の建物だ。 暖簾を潜る。 そろそろ花見牡蠣の頃。今日のランチは、牡蠣そばと決めていた。 やはり見事。 箸を持ったまま、しばし見惚れてしまっていると鼻先に柚子が香る。幸せを呼ぶいい香り。吸い込んで箸を動かした。 まず、牡蠣の下に敷かれた若芽をかき

          盛岡の老舗そば屋「直利庵」は、私にとって大切な和食の店・鮎そばと牡蠣そば

          宮沢賢治の設計した花壇や妹さんのお雛様などがある花巻市、旧橋本家別邸「茶寮かだん」

          盛岡は雲が多いものの、晴れ。 10時半、岩手山と北上川を見て花巻へ出発。 旭橋を渡り、 雫石川の盛南大橋を渡る。 川の向こうは新しい街。 よそでも見かけるロードサイドの看板が並ぶが、空は広い。 久し振りに東北自動車道を走った。盛岡南インターから花巻南まで、20分ほど。 高速をおりて花巻の街へ。 昔々、駅から花巻温泉と鉛温泉に向かう電車が走り、「馬面電車」と呼ばれていた。座ると向かいの人と膝がすり合う感じ。 昔の花巻は電車も走り、とても賑わっていた。 市役所の向かいの

          宮沢賢治の設計した花壇や妹さんのお雛様などがある花巻市、旧橋本家別邸「茶寮かだん」

          知ってはいたものの、初めて入ったケーキ店、盛岡市「ル・グ・メルヴェイユ」

           場所も店の名前も知っていた。でも、なぜか入ったことがなかった 「ル・グ・メルヴェイユ」  仕事の帰り道、たまたま近くを通った時、助手席の人が「ル・グ・メルヴェイユ、知ってます?」と聞く。 「うん知ってる」 「なんでも美味しい店は知ってますね~」 「いや、名前と場所だけ、食べたことはないよ」  寄ってみることになった。  一人だと頭をかすめても通り過ぎただろう。  店に入るなり、並ぶ綺麗なケーキ。ショーケースに吸い寄せられる。  店の人に、一番人気を聞いた。 「はい、イ

          知ってはいたものの、初めて入ったケーキ店、盛岡市「ル・グ・メルヴェイユ」