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「あなたの人生の物語」を観て

「メッセージ」という映画がある。
(英題”Arrival“)

突如地上に降り立った巨大な宇宙船と知的生命体と意思の疎通を人類が図る物語だ。
SFではあるが、戦闘シーンがメインではない。
この映画が好きだった為、原作を読んでみる事にした。

テッド・チャン著の「あなたの人生の物語」。
色々な感想があるようだが、映画、原作ともに好きだと感じだ。

この物語の中で明示される考えがある。
それがずっと私の頭でループする。
「時間の流れを超越した視点感知」という感覚。

野暮になってしまうので作品シーンは避けるが、
鑑賞後にもこの感覚がずっと残っていて。
ふとした時に、この事について考えてしまう。

我々はこの先どうなるか分かっている事に対して。
真剣に取り組む事はできるだろうか?
例えばそれが悲しい事象に繋がる事だったとしても。

具体的な“未来”が描かれると判断が難しくなるが、
これに近い事を我々人類はやってきていると思う。
例えば戦争など悲観しか出来ないような大きな時代のうねりの中、
人類は精一杯生きてきている。

この事を考えると
人類は総じてポジティブである。

悲しい結末が待っていようが、そこに至るまでの熱や楽しい経験は変わらない。
大事な事は結果のみ焦点を当てる事ではなく。
そこに至るまでの工程を充実させ、納得していくかである。

今、目の前にある気候変動危機に対して、人類はどれだけポジティブにとらえ、
動く事ができるだろうか?

環境に対する運動を、微力過ぎる故、結末が変わらない事を憂う人がいる。

未来に悲観をする時、本作を思い出す。

そして思い返す。
行動を起こす中で、失望も含め、気づき、連帯、代替が産まれてくるのだ。

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