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「着物を脱いだ渡り鳥」
大学落研で落語にのめり込んで卒業してすぐに落語家になり、落語立川流二ツ目立川春吾として活躍していたが、2015年32歳のときに落語家をやめ、現在コント作家/落語作家/構成作家/ひとり芝居/ナツノカモ低温劇団主宰として活動しているナツノカモさんの本です。
春吾さんの落語を聴いたことはないのですが、2015年12月に立川談吉さんの会に行ったときに、やめた春吾さんから譲られたという着物を着て春吾作の
「落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ」
落語は落ちがあることにより噺をどこでも終わらせることができる、「耳の物語」と「目の物語」(口伝の物語と文章化された物語)の比較の中で「耳の物語」の代表として落語を捉えていること、などがなるほどと思いました。
筆者は二十歳のときに難病になり十三年間の闘病生活を送る間に落語に出会った方で、「絶望名人カフカの人生論」などの著作があります。あとがきで、病室にいるとテレビの明るいバラエティー番組などはか
「幻のオリンピック~戦争とアスリートの知られざる闘い~」
1940年に東京で開かれる予定が戦争のため中止に追い込まれたオリンピック。そこに出場するはずだったが戦争で命を落としたアスリートの人生を追ったNHKのドキュメント番組を、収まりきれなかった資料も加えて本にしたものです。
1936年のベルリンオリンピックでメダルを期待されながら敗れ、次の東京オリンピックで雪辱を果たすつもりが、中止になると自ら陸軍に志願し中国山岳地帯での共産軍との戦闘で亡くなった
五代目 柳家つばめ著 「落語の世界」
この本の存在は、5月10日に開催予定だったが延期された「名作落語本を読み、語る会 第二回」のテーマになっていたので知りました。
著者略歴によると、1927年生まれで教員を経て5代目柳家小さんに入門した大卒の落語家第1号です。1963年に真打に昇進し、政治や社会を諷刺した新作落語で人気を博したが、1974年に早世しました。
本書は、1967年に出版された後絶版になっていましたが、2009年に文
「東京五輪1964」
東京新聞運動部でスポーツ取材にあたり夏冬のオリンピックを6度現地取材した筆者が、前回東京オリンピックから50周年になりかつ二回目の東京オリンピックの開催も決まった2014年に、自身は中学三年生だった前回東京オリンピックの第一日から最終第十五日までの各一日毎にテーマと人を選んで取材して書いた本です。
第一日の聖火ランナー坂井義則から始まり、第三日の重量挙げ三宅義信や第十一日の柔道中谷雄英と金メダ
「2つの粒子で世界がわかる」
世の中のすべての粒子は「ボーズ粒子」と「フェルミ粒子」という二種類に分類でき、またすべての粒子は波としての性質も持っているということなどを、それらを実験的または理論的に解明した物理学者のエピソードも交えてわかりやすく解説した本です。
本来とても難解であろう内容ですが、楽しく読めました。