人生、転職、やり直しゲーム 第1章

【名刺を渡す】


「そうだ、名刺を渡しておくね。
俺は『パワハラパレス』の名刺を出した。
「へぇ、『パワハラパレス』にお勤めの
無能非才(むのうひさい)さん
凄いなぁ」

女の目が光った。
この名刺は本当に女ウケが良い。
テレビでCMガンガン流している上場一流企業だからな。
会社はデカくてもやっている事は
えげつない悪徳商法。
施工不良の欠陥アパートの押し売りだけどね。

「いやぁ、会社はデカいだけで俺は凄くないよ」
謙遜すると、
女はこっちを値踏みするようにジロジロ見た。
(会社は有名企業なのに、
会社のでかさを鼻にかけていない。
本人の性格も悪くないな)
そんなことを考えたのかな。

「名前を教えてくれる?」
女の子は、
乱子と名乗った。
2次試験時期にテレビCMを流す、
イケてない定員割れのFラン大学の2年生。
関西から来て、アパートに一人暮らしの
20歳。

「いいなぁ、俺も大学生に戻りたい」

「ウチにしてみたら、
パワハラパレスに務めている無能さんの方が羨ましいわ、
ウチ、ちゃんとした所に就職できんかった先輩を
ぎょーさん見たからな、
大きい会社に務めている無能さんは
凄いと思うわ」

就活ネタで気を許すかな?

「確かに、就活は大変だよね
何か飲もうかなぁ。
乱子ちゃんは?」

俺はビール、
乱子ちゃんはソルティドッグを頼んだ。
俺が就活で失敗した苦い経験を面白おかしくしゃべり、
要所で頑張って冗談を言って盛り上げた。
乱子ちゃんの不安や愚痴も聞いて、
下心を隠しながら
いい人のフリをした。

乱子ちゃんが、
そろそろ帰ると言ったので一緒に店を出た。
結構飲んだらしく、
ちょっとフラフラしていた。
乱子ちゃんの家は、
この繁華街「獣町(けものちょう)」から近いとの事。
どうする?

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