人生、転職、やり直しゲーム

【夜の接待】



俺は、

上手く本契約が取れるかもしれないと、

自分のデスクで、書類を作りながら

ほっとしていた。



1件契約が取れたら、

ノルマはあと1件になる。



俺は課長に

鴨葱さんに、家の修理の見積をみせてから

アパート付き住宅を建てる話に持ち込んだことを報告した。

課長は、

「一人暮らしの爺さんか。

気合い入れてエロい店に連れて行け」

と、いやらしい口元をニヤつかせた。

そして、イライラをぶつけるターゲットを菅四輝に切り替えた。



菅四輝はあちこちに営業電話を掛けていたが、

無駄だったようで、

5時過ぎたら見込み客回りするよう課長にいびられた。

GPS付きの携帯で見張られているから

こっそり家には帰れないだろうなぁ。

まぁ、車の中で寝て終わるパターンになると思うが、

俺の代わりに怒られてくれて助かった。



5時の1日の報告が終わり、

サービス残業タイムが始まった。



おっと、

金が足りないから、

サラ金でつまんで(金を借りる)いかないとな。

歩合給だから、

アパート完成したら、

キックバックで返済すればいいし。

何とかなるだろ。



俺は、サラ金「友人くん」で、

20万円借りてから、

車で鴨葱さんを迎えに行った。







個室の高級寿司店での接待。

いつも思うが、

自腹接待の寿司は、高くて、腹ただしくて、味が落ちる。

たまには会社の金で美味しい寿司を食いたいところだ。

鴨葱さんは、俺の自腹とは知らずに

遠慮なく、お好みで高いものばかり選んでもりもり食べた。



高級寿司というエサで、

何倍もの支払をする羽目になる事を

どこまでわかっているのだろう。



アパートのパンフレットと図面を見せた。

鴨葱さんは、

銀行から金を借りる事に不安があるようだったが、

家賃の保証をパワハラパレスがすることを強調した。

鴨葱さんは酔っ払ってベラベラ思いの丈を喋った。



「大家かぁ。

30年間家賃の保証があるなら、

思い切ってやってみっかなぁ。



オラに息子がいる。

農家じゃ暮らしていけねぇって、

大学サ行ったけれど、

今は大学出ても正社員になれないんだなぁ。

派遣社員として細々暮らして、

ロクな収入もないから、

このまんまじゃ結婚出来ないべ。



アパートさ継がせたら、

ずっと、正社員になれなくても

食っていげるべなぁ。

30年間、副収入ができるなら

悪くないかもなぁ」



「そうですか。

それでは、立地審査に入らせていただきます。

測量の者がお家にお邪魔して、

アパートを建設出来るか審査します」

「ああ、分かっただ」

やった!「リッチ」1本取れた!

これで、課長にパワハラされずにすむ。



俺たちは寿司屋を出た。

次の店に向かうため、繁華街を歩いた。



あれ?

幸恵と似た女が、男と腕を組んで歩いていた。

見覚えのある服。

あれは、幸恵?

あいつ、風俗のバイトを辞めたって言っておいて、

まだ、辞めてなかったのか?

俺という男がありながら、

別の男に抱かれる仕事を選ばなくてもいいだろう!



「どしただ?無能さん?おっかねぇ顔して」

いかん、仕事中だった。



どこへ行こうか?




【おっぱいパブ】






【スナック】






【幸恵を追いかける】



ゲームのルールを確認する


投げ銭大歓迎です。