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知ってたけど知らなかったこと。この10年はみんなに長い。

自慢ではないが政治には疎い。

友人との会話中、

え?知らない?またまた。あ、いや私が言ったことが既に古い情報なのかもなー

などと気を遣わせることもある。

それにしても前回然り、周囲の人が良く付き合ってくれてるなと、書き起こすとそう思うことが多い。でも自覚できてるから少しずつマシになってると思いたい。

ところで、つい先日ITトレンドのオンライン講演で小泉純一郎元首相が1時間ほど話をすると言うので、何を話すんだろかとランチがてら見ました。(ちなみにその次の日はローランド。そっちも良かった)

その昔、うちの母親が、

小泉純一郎は首相の時は原発推進しまくってたクセに辞めたら手のひら返して原発反対とか言うて、どっちやねん!

と1人怒っていた。ウチの母は政治にうるさい。ワイドショー見て嫌いな政治家に対し顔が汚いなど政治に関係ないことをテレビに向かって吠えている。

話の内容は要約するとこうだ。

・自分が首相の時は当時54あった原発を100にしようとしてた

・当時色んな人の話を聞き判断したその政策について、首相をやめ、福島の事故を経て、あらゆる文献を読み漁り、深く考えた上で自分の判断が誤りであることを強く認識した。

・原発稼働がなくとも停電も起こっておらず、原発がなくとも十分これまでの生活が維持できることを証明した。つまり文化的経済的に充実した生活を送るにあたって原発は必要ない。

・原発廃棄物が処理できる施設を持っているのはスウェーデン(だったとおもう、、)一国だけ。ただしそれも、4機あるうちの2機分のみ。地下400mにその施設はあるが、まだ水分を完全に遮断する対応が出来ておらず、実現段階ではない

ここまで聞いて、なるほどと思った。廃棄物を処分できる施設といっても、有機的に分解されない以上、臭いものに蓋をするだけで結局分厚いカプセルに入れて地球に飲み込ませている訳である。何をおいても、地球の循環に乗れない以上は廃棄施設を作ろうが、それは爆弾を埋め込んでいるのと同じ事だよな。爆発したら死ぬカプセルだけど、絶対漏れないから飲み込んでねって言われたらどうします。

原発ってそういうもんだとなんとなくは知ってたことだけど、こうやって純ちゃんが公の場で、しかも原発とあまり直接的には関係ないテーマであるITトレンドで場違いに話してたのを見て、その話を期待してなかった私みたいな人間にも響くものがあった。

なにせ自分のことを書こうと宣言したばかりのnoteの第二稿がこれなわけで、この話を聞いてから3人くらいにその話をした。なぜなら、その事実もさることながら、純ちゃんの、声に出さない心の叫びが届いたからである。

「自分は間違っていた、しかも日本の首相の判断としての間違いだった。残りの人生をかけてその間違いを全力で訂正していかなくてはならない」

声の掠れた、白髪の、老いたライオンが残りの命を燃やしてそう訴える姿に感動してしまったからだ。

政治家に限らず、自分の間違いを認めることは誰しもに出来ることではない。認めた瞬間、楽になると同時にそのことをどうにかするかしないか、選択を迫られる。

純ちゃんの話は本当に大きなことだけど、電車でお婆ちゃんが前に居たのに席を譲れなかった、あの時なんで譲らなかったんだろう、と後悔して次は譲ろうって思うこともそんな話のひとつだと思うし、政治のことがわかんないし興味ないと思いつつも、ふとした時に聞いた政治家の言ってることが気になって、調べたら裏付けが出来て自分の中にストンと落ちたら人に伝えてディスカッションしてみてもっと世の中のことを知る努力を今更ながらするというのも大事なことだと思う。

人間に生まれたら、どんな形でもどんなレベルでも、社会に参加しないと、あの世に帰った時に持ち帰るものが何もなくなっちゃう。その後悔は良くない。生きてる間に参加しておきたい。落とし物拾って届けるのだって社会参加だ。

毎日誰かと直接コミニュケーションを取れなくても、誰からもなんのオファーももらえなくても、自分の一歩で何かが変わる。歳を重ねてもこれは同じだ。人間界って本当に良くできてるな。


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