クリスマスの匂いと記憶

今年はもうクリスマスツリーはいいかなと思っていたけれど、息子が飾りたいというので、家の近くの公園に並べられていたツリーを夫と息子で買いに行き運んだ。

夫の実家に帰省した時は、自分たちの所有する森からクリスマスイブの朝に義父が、ツリーによさそうなトウヒの木を選んで切り倒し、家に運んで飾っていた。
この国ではツリーは、なるべくクリスマスイブかその直前に飾る。
冬はセントラルヒーティングで建物ごと一日中温められるため、部屋の中は半袖でも大丈夫なくらいとても暖かく空気が乾いているので、日が経つうちにツリーの葉がどんどん落ちてしまうから、という理由もあるのかもしれない。

クリスマスパイ

スパイスとダークシロップを効かせた
ジンジャークッキー

ジンジャークッキーは
ちょっとしたプレゼントにも

部屋に生木のツリーを飾ると、青々しい森の木々の匂いが漂ってくる。
そこに、クリスマスシーズンになると焼く、シナモン・カルダモン・ジンジャー・クローブ・オレンジゼストなどのスパイスたっぷりジンジャークッキー、香ばしい黒糖のような味のするデーツ（ナツメヤシ）ケーキやクリスマスパイの焼ける匂い、これまたスパイスの効いたホットワインの香り、キャンドルを消した後に残る蝋のにおいが加わり、渾然一体となって家中が満たされると、ああ、いよいよクリスマスだ、と気分も盛り上がってくる。

ホットワインも
スパイスが効いている

息子が将来、他の国に住みクリスマスを迎えることになったとしても、これらの匂いを思い出すだろうか。

私にとっては未だに異国の匂いだけれど、
息子にとっては、故郷の懐かしいクリスマスの記憶になってゆくのだろう。

愛猫がまだいた頃の
クリスマス風景

皆さまも心穏やかなクリスマスをお過ごしください。