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【実話怪談】霊能力を得るための訓練法
超能力者ユリ・ゲラーが来日、テレビに出演。
人々がお茶の間で固唾をのんで見守る中、念力でスプーンを曲げてみせた。
それがきっかけで、日本中に超能力ブーム到来。
1974年、私が小学二年生のときのことだが……。
そりゃ、熱中するわ!
子供心がビンビンに刺激され、ユリ・ゲラーの真似して、スプーンを曲げようとするわ!
曲がらなくて、がっかりだったけどね。
1979年、私が中学一年のときに、オカルト雑誌「ムー」創刊。
UFOだの、超能力だの、心霊現象だの、超古代文明だの、転生だの……。
多感な中学時代にそんな雑誌が創刊されたら。
そりゃ、熱中するわ!
工作用紙でピラミッド作って、その中にブドウの実を放置して、生ものも腐らないというピラミッド・パワーをためすわ!
まあ、数日後にあっさり腐ったけどね……。
それでもあきらめず、学力アップを図れないかと、その手作りピラミッドを頭にかぶって勉強机に向かってみたけれど。
頭がよくなる以前に、そんなことやってる時点で、もう、頭おかしいだろっ!(怒)
まあ、飽きっぽいのが幸いして、一時間ももたなかったけどね。
で、よくよく考えたらね。
工作用紙で作ったピラミッドで頭がよくなるぐらいなら、みんな、ピラミッドかぶってるわ!
そんなもので能力アップが期待できるのなら、もう、この瞬間にピラミッドかぶって小説を執筆、大傑作をガンガン生み出してるわ!
マジでっ!!!
1982年に、異星人と親しく交流しているという、エリザベートと名乗る日本人女性が、テレビで紹介された。
見かけは、ごくごく普通の中年女性であり、実際、平凡な主婦だった人だ。
異星人からのメッセージだけなら、彼女の妄想である可能性もある。
しかし、肌に浮いてきた謎の金粉とか、異星人に操られて描いた絵とか、宇宙動物エルバッキーの写真とか。
いろいろ証拠があるんですよ!
まあ、なんでその金粉の成分をさっさと調べないんだとか(自然に消えてしまったらしい)、超文明の異星人が描いた絵にしてはあまりお上手ではないとか、エルバッキーって猫そのものじゃんとか、ツッコミどころはあるのですが。
いや、冷静に考えたら、百パーセント、ツッコミどころのような気もするのですが。
高校生なら、夢中になりますわ!
なにしろ、中学時代に工作用紙のピラミッドを頭にかぶって学力アップを夢見た高校生だからなっ!
そもそも、エルバッキーは、筋肉少女帯の曲「暴いておやりよドルバッキー」のモデルにされたほど、多くの人々に影響を与えた存在。
大槻ケンヂさん、私と同い年なんですよ。
わかりますよ。
小学生のときにユリ・ゲラー来日、中学時代で「ムー」創刊、高校生でエルバッキー。
そりゃ、影響されるわ!
なお、エリザベートさんのエピソードは大石隆一氏との共著『異星人からのメッセージ――人類にくだった最後の通告!! 』(鷹書房)に詳しい。
今でもネット古書店で流通しているので(私が確認した範囲では500円台から)、ご興味がおありの方はどうぞ。
私はもちろん、リアルタイムで新刊を買いましたとも!
前置きが長くなりましたが。
そんな「不思議な話」に触れまくった少女時代を送ったせいで、周囲にも時々いる「見える人」の証言にはいまだに興味津々という次第。
さて。
本題の怪談に入るので、以降は少々トーンを落とした文体に変えさせていただきます。
私のパートナー・ツルギの場合は、生まれつきその手の能力があったわけではない。
彼はSF者なので、非科学的な話はまったく信じなかったし、興味もないどころか、むしろ嫌悪感をいだいていた。
霊だのなんだのと、バカみたいだ、と。
人間は、死んだら終わりなのだ。
魂などない。
脳が働かなくなれば、思考もできなくなるに決まっているだろう。
霊うんぬんを語る者は、嘘つきか頭がおかしいかの、どちらかだ。
けれど、二十代前半、ある出来事を堺に、その能力が開花してしまったのだという。
まったく、そんなことは望んでいないどころか、その能力の存在自体を信じてなかったのに。
当時、彼は、知人が経営する文字フォント作成事務所で働いていた。
気のおけない仲間が集まった、スタッフ数人の小さな会社だ。
ある夜、その事務所で、スタッフだけの内輪の宴会が開かれた。
遅くまで盛りあがり、疲れた彼は、事務所に泊まることにし、休憩室のベッドに横になった。
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