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伊坂幸太郎さん『AX』「殺し屋シリーズ」3作目をショートカット読みしたら大変なことに!

本日は伊坂幸太郎さんの『AX アックス』をご紹介します。

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私は伊坂幸太郎さんは初読み作家さんなのですが、やってしまいました。

なんと、この本「殺し屋シリーズ」3作目というではありませんか!

この作品の前に『グラスホッパー』と『マリアビートル』なる作品があるそうです。

最近は、人気作家さんの小説も幅広く読むようにしています。

でも、初心者は人気作家さんの数ある作品の中で、まずは何から選べば良いの途方に暮れるのです。

書店の店頭でざっとあらすじを読んで「面白そう!」「興味引くなぁ!」と思って買ったのが『AX』でした。

私が読んだことのないタイプのお話で読む前からワクワクしました。

「兜」は家族にも秘密の「殺し屋」という裏の顔を持ち、普段はサラリーマンをしています。

プライベートでは、妻に頭が上がらないビビりな一面もあります。
いわゆる「恐妻家」ですね。

「なんか、映画みたいな内容!」ってピンときて、「過去作品を映画で観たらどうか・・・」とショートカットを試みる私・・・。

で、調べてみたら、頭ン中が大変なことになっちゃいました!
みなさん知ってましたっ?

もしかして、伊坂幸太郎さんファンの間では、知れ渡っているのかもしれませんが・・・。

『マリアビートル』ブラピ主演で来年ハリウッドで映画化!!!


殺し屋シリーズ1作目の『グラスホッパー』は、日本ですでに映画化されていたんですね。

生田斗真さん主演!

他にも、浅野忠信さん、山田涼介さんと豪華な俳優陣!
これはAmazonでレンタルもできるので観ておきたいです。

さらにググッてみたところ・・・。

『マリアビートル』はなんとブラピ主演でアメリカで公開されるというニュースを発見!!

ギャー!!マジで・・・!!

伊坂幸太郎さん、ワールドクラス・・・!!

やはり順番に読んでおけば良かった?
いえいえ、そんなこともないのです。

いきなり1冊目に『AX』を読んでも正解

「殺し屋シリーズ」なんてワードも知らない私は、「カドフェス2021」っていう、夏のKADOKAWAさんの文庫イベントで購入したわけです。

私みたいな人もきっと、いっぱいいるはず。

「先入観って時に邪魔だな」と思ったのは、本作だけでもきっちり魅力がわかるところ。

テンポよく進むストーリーは心地よい調べのようでありながらも、時にクールです。

ユーモアたっぷりに描かれていて、読者を飽きさせない!
笑いがあるって大事なポイントです。


前半はホームドラマかコメディを読んでいるかのように進んでいきます。

「殺し屋シリーズ」初心者にもわかりやすく、殺し屋業のシステムが展開されていきます。

「へー、なるほど、こういう風に仕事の依頼がされるんだぁ」と理解できるので、3作目からでも違和感なく面白く読めました。

殺し屋としての仕事を請け負ったり、さりげなく悪い人を成敗するときのカッコ良さも読みどころです。

「短編集なのかな?」と思いきや、やっぱり最後まで読まないと、作品としてまとまらないのでやっぱり長編小説。

家事や育児、仕事の合間に、ひと区切りして読めるのはありがたいことだったりします。

「区切り」って、読書を中断するときには意外と重要なんです。

続きを読み始めるときに「前の内容はなんだっけ?」とまた前の数ページに戻ることになっちゃいますからね。


「区切り」の良さは細かいこだわりですが、しおりを挟むときに「続き迷子」にならないため、重視するポイントです。

『AX』の魅力とは?

中盤からはミステリーっぽく、いくつもにめぐらされた伏線が後半でどんどん回収されていきます。

家族以外の人間関係がなく、孤高に生きる兜が、初めて友達になりたいと思える人に2人ほど出会います。

応援したくなるほど、「友達」と心の距離が縮まっていきます。

しかし、心の友やパパ友作りも殺し屋は一筋縄ではいかないんですねぇ。

一波乱もふた波乱も起こって、ラストまで謎だらけの応酬へ!

小説のはじめでは、兜の息子の克巳が最初は高校生だったのに、物語が進むごとにどんどん成長していき、ラストでは所帯を持っています。

時間的な流れを、克己の成長から感じることができます。

ラストでは殺し屋が息子を守るために仕掛けた罠に、愕然とします。

兜は息子の前では良き父親を貫き通し、秘密を抱えたまま、家族を守り切るところもカッコ良かったです。

恐妻への対処法も、メモをとりたくなるほど参考になるし、ニヒルです。

こんなにも妻に気を遣って優しくあろうとするのに、人の気持ちを読み取るのが苦手で不器用。

努力で夫婦仲を良くしようとする兜は、恐妻家というよりも、むしろ妻への愛情が深すぎるのでは!

どことなく憎めない人情味あふれるキャラクターとして描かれていて面白かったです。

とても切なくて、最終的に、泣ける小説にすらなっている。
この本、一言で語れないです。

深いわぁ。

夏の間に3作品制覇したいです!

▼殺し屋シリーズ その1『グラスホッパー』▼

▼映画版はこちら(レンタル)▼
出演:生田斗真/浅野忠信/山田涼介

▼殺し屋シリーズ その2『マリアビートル』▼
2022年4月全米公開!ブラッド・ピット主演!
今のうちに絶対読んでおきたい!

▼殺し屋シリーズ その2『AX アックス』▼
私のように、伊坂幸太郎さん初心者がいきなり読んでも面白かった。
でも過去作品の登場人物が出てくるので、過去2作を読んでおいたほうが理解が深まるのは間違いナシ!







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