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【コンサルこぼれ話】マネジャーはつらいよ

こんにちは,もりおです。
以前の記事で,コンサルファームの各ランクについてのお話をさせていただきました。

日々仕事をしていると,その中でも「このランクの人は特に大変そうだな」という実感が湧いてきます。
それが「マネジャー」ランクの人たちです。
今回はコンサルファームにおけるマネジャーの苦労について考えてみたいと思います。

はじめに

 以前の記事でご紹介したように「マネジャー」とは,マネジメント層の最下層であり,現場でプロジェクトを回すスタッフ層を直接取りまとめる立場にいます。

コンサルファームのランク

 マネジャーはまさにスタッフ層とマネジメント層の境界に接するランクであるわけですが,スタッフ層からは「マネジャーって本当に大変そう」と思われています。
 なぜスタッフたちがそう思うのか,今回はその理由を考えていくことにします。

マネジャーの大変な点

①管理職でありながらプレーヤーでもある

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 マネジャーは,ファームの中でも特殊なランクです。
 というのも,管理職でありながら現場でプロジェクトを回すバリバリのプレーヤーでもあるからです。

 基本的にパートナーやシニアマネジャーはクライアントとの関係構築に多くの時間を使い,時には海外拠点のメンバーやベンダーと協力しつつクライアントに新しいプロジェクトの提案や入札活動への参加を行います。
 一方で,特定のプロジェクトを毎日自らが主導して進めるということはそう多くありません(それはマネジャーの仕事です)。

 マネジャーもパートナー/シニアマネジャー同様の提案活動を行うのですが,一方で,現場の責任者としてプロジェクトを円滑に回すことが求められます。
 そして,中間管理職としてスタッフ層メンバー1人1人の日々のモチベーション維持や労務管理,育成などにも気を遣わなければなりません

②営業ノルマが発生する

ノルマに苦しむ女性

 前項とも関連しますが,多くのファームではマネジャーランクから営業ノルマが発生します。具体的には,「1年間で合計〇〇円以上のプロジェクトを受注すること」という目標がファームから課されるわけです。

 詳しい金額はファームによっても異なるでしょうし私には分かりません。しかし,マネジャーの年収が最低でも1000万円〜であることを考えれば,おそらく数千万円ではきかず,1億円超えとなっているのではないかと想像されます。

 以前の記事でも書いたように,コンサルの仕事をしていて,営業スキルが自然に磨かれることはほぼありません。特に新卒でアナリストから昇進してきてマネジャーになった場合,前職というものが存在しないためクライアントとの関係構築と営業活動はなかなかに苦労するという話を聞きます。

③労働時間が半端ではない

クリスマス残業

 最近は改善されてきているとはいえ,やはりコンサル業界の労働時間は他業界に比べて長い傾向にあります。

 特にマネジャーは複数のプロジェクトを同時に受け持って回していることが多いため,個々のプロジェクトの労働時間が短縮傾向でも結局トータルでは長時間労働になりやすいのです。

 実際,私もマネジャーのスケジュールはよく確認するのですが,月の平均残業時間が80時間程度であればマネジャーとしてはかなり残業が少ない部類に入るという体感があります。80時間は厚生労働省が定める過労死ラインなのですが,人によっては文字通り一桁違う残業時間だったりするので,やはり大変です。

④コンサル業界外への転職がしづらくなる

退職する女性

 ここまでの項目とやや毛色が違うのですが,マネジャーになると業界外への転職がしづらくなる傾向にあります。

 「コンサルファームのマネジャーは,転職市場での価値は高いんじゃないの?」と意外に思われる方もおられるかもしれません。実際に市場価値は高いのですが,業界外への転職を阻む大きな理由が2つあります。

 それは,「お金」と「時間」です。マネジャーまで行くと,年収が最低1000万円を超え,プロジェクト受注の金額によってはさらに額が増えます。新卒入社でマネジャーになる人を想定すると年齢は30歳前後で,この年齢でこの額の給料を出せる企業は多くありません。

 マネジャー自身が激務で奥様は専業主婦で子供たちの世話をしているというパターンが非常に多いため,転職しようとしても収入水準がネックとなり転職先が非常に限られます

 また,そもそも転職活動をするための時間が取れないというさらに悲しい理由もあります。書類の準備や面接対策といった転職活動に必要な時間を確保することさえ,日々の激務の中では難しいのです。

まとめ

 いかがだったでしょうか。
マネジャー以上は人じゃない」という言葉はどこのファームの友人からもよく聞きますし,私もよくそう思う瞬間があります。

 この言葉は,畏敬の念に加えてどこか「特にマネジャーは大変過ぎる」というスタッフ層の同情にも似た感情を含んでいるように思い,今回の記事を書くきっかけになりました。

 最後の項目で書きましたが,マネジャー以上のランクに昇進すると,いよいよそれからのキャリアをコンサル業界に埋めるか,業界外に出るかの選択を迫られることとなります。
 マネジャー以上の転職にどのようなパターンがあるのかもいずれ書いてみたく思います。
 最後までお読みいただき,ありがとうございました!!
 



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