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読書記録27『水中の哲学者たち』永井玲衣 -自問自答哲学対話-

こんにちは、だるまです。
往来堂書店で購入した、『水中の哲学者たち』を読みましての感想。常体がぴったりなので今回はそれで。

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電車に揺られ読んでいるうちに涙が出そうになって読むのをやめた。
感動的でも無い、いたって平板な抑揚の文章なのに、だからか、心にスッと入ってきて共鳴する。

自分が書いたのかと思った。というのは非常に烏滸がましいが、自分が自分の中でぼんやりと世界に問うておさめていたことを言葉にしてくれていた。

なんで電車の中でスマホばかり見ているの?
なんでこの議題についてzoomで議論しているの?
なんでこの大学にいるの?
結局都市ってなんだ?
自分は何をするの?
本質が分かりすぎたら死ぬしかないの?

思考停止した状態を嘆きたくなる感情と、考えすぎる自分への嫌悪感と色々ぐちゃぐちゃになっている状態を、ぐちゃぐちゃのまま、水みたいに文章にしていく。

ここで、印象に残った文を引用したいところだけど、全部が心に刺さってしまっている。


本を買う時、ぱらぱらと目次や前書きを読んで品定めをする。この本は、目次の

「死ぬために生きているんだよ」

を見て即決した。本文を読んでみると、小学生の発言の引用だった。どちらにしろこれは、だるまが生きる意味について考える時にいつも行き着く先だ。
尊敬する西行は「死ぬために生きて」いた。

夜寝る前、大学へ行く電車の中、講堂前の広場のベンチ、そしてソファの上。

時間が無いと思ったらあった。
静かに揺蕩う時間だった。
あっという間に最後のページに辿り着いた。

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筆者へのリスペクトを込めて、自分の書きたい感想を書いてみました。

なんでここまで共感しているのだろう?

こんな風に色々ななんで?から哲学は始まり、何でもない日常は刺激に溢れているそうです。
手のひらサイズの哲学、ずっとしてきたしこれからも続けたいです。

かしこ

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