見出し画像

【就活の悩み】自分を知るためには?

▼大学生からの質問
これから就職活動が始まりますが企業を知る前に自分を知ることが重要かなと思いました。ですが、自分を知るってなかなか難しくて、自分は何に興味が あって、どんな仕事が良いのかわかりません。普段社会人の方たちに対して講演をされているので、こう言った質問はあま りないと思いますが、何かヒントを頂けると嬉しく思います。


自分を知ることは、とても大切なことだと思います。
でも同時に、自分を知ることはとても難しいと、僕自身も、今でも思っています。自分は何に興味がある?と自分に聞いてみたところで、正解なんてわからないと思います。いや、正解なんて出ないと言った方がいいのかもしれませんね。
ただ、自分の価値観を、あくまでもほんの一部分かもしれませんが、知るためのコツはあると思っています。
それは、「マイナスの感情を大切にする」ということです。

例えば、誰でも「つまらないなー」と感じることはあると思います。仕事をしていても、学校に通っていても、友達と遊んでいる時にさえ、そんな風に感じることはありますよね。
そんな時、正直で真面目に生きてきたあなたなら、もしかしてこんな風に考えるかもしれません。「いや、つまらないなんて考えちゃダメだ。もっと前向きに考えよう!」と。
これは、すごく勿体無いと僕は思うのです。
もちろん、物事に対して前向きに考えようとするその姿勢はすごく大切だと思います。
ただ、自分自身の中から自然に湧き出てきたこの「つまらないなー」と感じる感情をないがしろにしてしまっては、自分自身を否定したり、自分の正直な感情を無視してしまうことと同じです。
プラスの感情というのは、ご両親やおじいちゃんおばあちゃんからの「教え」とか、先生や先輩からの影響、マスコミや世間体などに影響された「一般常識」である場合も多い。でも、マイナスの感情というのは、そんな常識とは関係なしに、自然と自分自身の内側から沸き起こってくる場合がほとんどです。だからこそ、です。
例えばこのような「つまらないなー」というマイナス感情をないがしろにしないことが大切なのです。
「つまらないなー」とか、あるいは誰かや何かに対して「ムカつく!」とか、「許せない!」とか感じた時には、その感情をなかったことにしようとしないで、こんな風に考えましょう。

「何がつまらないんだろう?」
「なぜ、つまらないんだろう?」
「何に対してムカついたんだろう?」
「なぜ?、何を許せないと感じているんだろう?」と。

例えば、人の陰口を言い合っている状況がつまらない、あるいは許せないと感じていることを発見したとしましょう。そうしたらそこから、なぜ、いつから、自分はそういうことを許せないと感じるようになったんだろう?と考えてみましょう。
そこには、もしかしたら自分の「価値観」の片鱗、あるいは価値観を形成してくれたきっかけのようなものが見つかるかもしれません。
そうしたらその次に、じゃあ、自分は一体どんな関係、どんなことを話し合うような状況が理想だと考えているんだろう?と、そんな風に考えてみるのです。
そこに、自分が目指す「理想の関係」「理想像」が見えてくるかもしれません。マイナスの感情について深く考えて、その対極にある「こうだったらいいのに」を考えることで、自分の目指したい姿や、理想が見えてくる。それが、自分を知ること、自分の価値観を知ることに繋がっていくのだと、僕は考えています。
好きなこと、興味あること、なりたい自分から考えることも、決して間違ってはいないと思いますが、そこには「常識」や「世間からの影響」というノイズが入り込みやすいことも事実です。唐突に投げ込まれてくる「マイナスの感情」には、そのようなノイズが入り込みにくいだけに、自分自身の価値観が色濃く反映されやすいはずです。

マイナス感情を大切にすることは、自分を知るための有効な手段になりうると、僕は思っています。
一度、試してみてください。もちろん、マイナス感情を表には出さずに、ひっそりと、自宅に持ち帰ってから試してくださいね(笑)


▼森憲一の著書はこちらから
https://3rd-stage.jp/books/

▼動画版はこちら