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🌲🌟山奥の音楽祭、緊張・神秘からの心踊りだす夕べ

草津音楽祭が昨日から8月30日(金)までの2週間、開催されています。
さっそくマーベラスな体験をしてきました。
コンサートで聴いた曲と同じ曲のYouTubeをリンクしますので、よかったら聴きながら読んで頂ければ雰囲気を感じてもらえるかな?
(約2000文字)



フェスティヴァル?

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルは、今年で44回目を迎えた歴史ある音楽祭です。

はじまりは1980年。
日本の若手音楽家が、国内外の優れた演奏家から直接指導を受けられるように、音楽アカデミー(講習会)の構想が立ち上がりました。
そして、せっかくトップレベルの演奏家が集まるこの機会。
講習会だけじゃなく、演奏会もやるっきゃないっしょ‼️
ということで、アカデミーの受講生はもちろん、一般の観客も気軽に一流の音楽を聴けるフェスティヴァルという形になりました。

マーベラス✨
そりゃ、ただの「フェスティバル」じゃなく、「ヴァル」になるわけだわ。

草津音楽の森国際コンサートホール

自然の中にあります。

ホールの外観の写真、扁平なさんかく屋根

温泉街からは歩いたら1時間弱かかるので、バスか車推奨です。
音楽祭の期間中は、巡回バスやホテルのシャトルバスも出ているようです。
以下、公式サイトのアクセスページに時刻表が載ってます。


周りに散歩できる道がないかしら?
と期待しましたが、ありませんでした。
でも駐車場の片隅に咲いていたたくさんの黄色い花、木々の隙間から覗く青空とのコントラストがさわやかでした。

木々と黄色い花の写真


演奏会プログラム

その年毎にテーマが設けられており、今年は「モーツァルトー愛され続ける天才」
演奏会の内容や出演者も毎日異なります。
自分が興味のある内容の日を選ぶのはもちろん、
私達のようにクラシックに詳しくない人は、ランダムに選んでも思いがけない音楽との出会いがあるはず。
以下、今年のプログラムのPDFへのリンクです。

https://kusa2.jp/wp-content/uploads/2024/04/44_leaflet_Kusatsu.pdf

チケット料金は、全席指定で大人¥5000、U-25席¥2500
コンサートは夕方4時から6時までの2時間です。

ロビーの様子の写真
緑の差し込むロビーには、お土産コーナーやコーヒースタンドもあります


捉えどころのない音楽

昨日は、オープニングということで、
長年この音楽祭の監督を務めてこられ、昨年惜しくも亡くなられた作曲家、西村朗(あきら)氏へ捧げる追悼コンサート。

前半は西村氏の曲を3曲。
これがまたすごいんだわ。
いや、ほんと音楽に関する語彙力がなくてもどかしいですが。
いわゆるメロディーや調和があるような曲ではなく。

素人が誤解を恐れずに言うなら……
おどろおどろしいんだわ。
長い長いダンジョンの中。
冷たい風がふいてきたり、得体の知れないモンスターに注意を払いながら慎重に進んでいく。
どこからともなく、ドラゴンの炎が飛んできて身の危険を感じる。
そう、ゲーム「風来のシレン」の浜辺の魔洞(まどう)60階くらいを歩いているイメージ。

1曲目はオルガン「幻想曲」、2曲目はピアノソロ「ヴィシュヌの化身〜第6曲カルキン」
3曲目は西村氏の遺作、ピアノとオーケストラのための「神秘的合一」

特に3曲目は、おどろおどろしくもドラマチック。
何か人間ではない恐ろしいもの。
生物のようではあるんだけど、もしかしたら他者ではないのかもしれない。
少しずつ近付いてきて、やがてつきまとい、それに対峙せざるを得なくなる時がくる。
複雑で緊張感のある物語。
その中には、音楽に対峙した者だけが味わえる神秘が眠っているのかな?

ザルツブルクの街並みの絵のポストカード


モーツァルトでホッとする

後半、ガラッと雰囲気が変わりました。
(お好きな方のために曲目を記載しておきますと、「フルート協奏曲 ニ長調 K.314」、「交響曲第40番 ト短調 K.550」)

クラシックに詳しくない私でも、あなたでも、誰が聴いても、
わかる!なんかわかる!
これ、たぶんモーツァルトだよね。
これ、なんか聴いたことあるよね😃
やすらぐ〜〜、心がにわかに踊りだしてくる〜〜🎵

小鳥のようなフルート

華麗なフルートのソロを奏でてらしたオジ様、カール・ハインツ・シュッツ氏。
長身の体を縮めたり伸ばしたりする様子がまるで小鳥のさえずりのようでした。
目が悪いので双眼鏡を持っていったのですが、ずっと見入ってしまいました。

フルートは楽器というよりもはや体。
人が演奏しているのではなく、そういう生き物がいる。
音楽の森で出会ったその神秘的な生き物に魅了された私は、夢中になって観察していました。
すごいなー✨
よくプロのスポーツ選手は、道具までが自分の身体感覚になると言いますね。
観客にもそれを感じさせるなんて、マーベラス!

夕景の街並みの写真のポストカード
お土産コーナーで買ったザルツブルクのポストカード


短い夏を奏でる

外に出ると、空はまだうっすらと明るく、
涼やかな風とオーケストラの余韻に、みな包まれているようでした。
草津の短い夏を名残惜しむかのように幕を開けた音楽祭。
こんな過ごし方もいいですね🎵
以下、公式サイトです。

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