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モーリーのビ ジ ネ ス Tip【情報セキュリティマネジメント #7】

『なりすまし攻撃』の最新手法と対策


こんにちは、モーリーです。

皆さんは、日頃インターネットを利用する中で、『なりすまし』や『フィッシング』といった言葉を耳にしたことがあるでしょうか?これらの言葉は、私たちのデジタルライフを脅かす、様々なサイバー攻撃の手法を表しています。今回は、特にビジネスパーソンが注意すべき、なりすましを中心とした攻撃手法とその対策について、具体的な事例を交えながら解説していきます。



なぜ「なりすまし」が危険なのか?

なりすまし』とは、本人になりすまして不正な行為を行うことです。例えば、取引先の担当者になりすまして機密情報を盗み出したり、銀行員になりすまして個人情報を聞き出したりするといったことが考えられます。



なぜ「なりすまし」が頻繁に起こるのか?

なりすまし』が頻繁に起こる理由は、以下の通りです。

  • パスワードの使い回し: 同じパスワードを複数のサービスで使い回していると、一つのサービスでパスワードが漏洩した場合、他のサービスも危険にさらされます。

  • 脆弱なパスワード: 簡単に推測できるパスワードや、辞書に載っているようなパスワードは、パスワードリスト攻撃と呼ばれる攻撃手法によって簡単に破られてしまいます。

  • フィッシングメール: 本物そっくりのメールで、個人情報やパスワードを入力させるページに誘導する攻撃手法です。

  • 標的型攻撃: 特定の個人や組織を狙った、高度かつ巧妙な攻撃手法です。




具体的な攻撃手法とその対策


これらの攻撃手法は、専門的な知識がないと理解が難しいかもしれません。しかし、これらの攻撃によって、私たちの大切な情報が盗まれてしまう可能性があることを認識しておくことが重要です。

☆ パスワードリスト攻撃

あらかじめ多数のIDとパスワードの組み合わせをリスト化し、そのリストを元に、様々なサービスにログインを試みる攻撃手法です。リスト内の情報が、攻撃対象のサービスのアカウントと一致した場合、不正にログインされ、個人情報や機密情報が盗まれる危険性があります。

対策:

  • 複雑かつランダムなパスワードを設定し、定期的に変更する。

  • パスワードマネージャーを利用して、異なるサービスごとに異なる強力なパスワードを管理する。

  • 二要素認証を導入し、パスワードに加えて別の認証要素(生体認証、SMS認証など)を用いることで、セキュリティを強化する。


☆ IPスプーフィング

自分が別のIPアドレスであるかのように偽装し、信頼できる送信元からのパケットとして偽装して不正な通信を行う攻撃手法です。これにより、なりすましや不正なデータの送信などが可能になります。

対策:

  • ルータやファイアウォールでIPアドレスの偽装を検知し、ブロックする。

  • Deep Packet Inspection (DPI) を導入し、パケットの中身まで検査することで、より高度な攻撃を検知する。


☆ ARPスプーフィング

ネットワーク内のIPアドレスとMACアドレスの対応情報を偽装し、他の端末との通信を乗っ取る攻撃手法です。主にLAN環境で利用され、Man-in-the-Middle攻撃などにつながる可能性があります。

対策:

  • 静的ARPを設定し、特定のIPアドレスとMACアドレスの対応を固定する。

  • DHCPスヌーピングを導入し、不正なDHCPサーバからの応答を検知し、ブロックする。


☆ 踏み台

攻撃者が直接攻撃対象のシステムにアクセスするのではなく、一度別のシステムを経由して攻撃を行う際に利用するシステムのことです。これにより、攻撃の痕跡を隠したり、攻撃の起点となるシステムを分散させたりすることができます。

対策:

  • ネットワークセグメンテーションを徹底し、各セグメントへのアクセスを制限する。

  • VPNを利用し、安全な通信経路を確保する。

  • DMZ (Demilitarized Zone) を構築し、外部からのアクセスが必要なサーバを隔離する。


☆ セッションハイジャック

他のユーザーがすでに確立しているセッションを乗っ取り、そのユーザーになりすましてシステムにアクセスする攻撃手法です。セッションIDを盗み出すことで、不正なアクセスが可能になります。

対策:

  • セッションIDを定期的に変更し、予測困難な値にする。

  • セッション固定を禁止する。

  • HTTPSを利用し、通信を暗号化することで、セッションIDの盗聴を防ぐ。


☆ リプレイ攻撃

一度有効と確認された認証情報を再利用することで、不正なアクセスを可能にする攻撃手法です。

対策:

  • タイムスタンプを導入し、通信のタイムスタンプを確認する。

  • Nonce (一度しか使用できない乱数) を利用し、通信ごとに異なる値を用いる。

  • シーケンス番号を導入し、通信の順序を確認する。


☆ MITB(Men In The Browser)攻撃

Webブラウザ上で動作するJavaScriptなどを利用して、ユーザーの操作を監視したり、改ざんしたりする攻撃手法です。これにより、パスワードやクレジットカード情報などの機密情報を盗み出すことができます。

対策:

  • 信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ。

  • ブラウザの自動アップデート機能を有効にする。

  • 不必要なブラウザ拡張機能はインストールしない。

  • サンドボックス環境でWebブラウザを動作させる。


☆ フィッシング攻撃

偽のウェブサイトやメールなどを利用して、個人情報やパスワードなどの機密情報を不正に取得しようとする攻撃手法です。

対策:

  • URLの正確性を確認する。

  • 不審なメールは開かない。

  • 添付ファイルは実行しない。

  • 二要素認証を導入する。

  • セキュリティ意識向上のための教育を実施する。


☆ 標的型攻撃

特定の個人や組織を標的に、高度な技術を用いて行われる攻撃手法です。ソーシャルエンジニアリング、ゼロデイ攻撃など、様々な手法が利用されます。

対策:

  • セキュリティ意識の向上のための教育を実施する。

  • 多要素認証を導入する。

  • EDR (Endpoint Detection and Response) や SIEM (Security Information and Event Management) などのセキュリティ製品を導入する。

  • 定期的なパッチ適用と脆弱性診断を実施する。




DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、情報セキュリティの重要性はますます高まっています。しかし、全てのビジネスパーソンがITに精通しているわけではありません。特に、私のような50代のビジネスパーソンの中には、新しい技術に抵抗を感じる方もいるかもしれません。

しかし、ご安心ください。情報セキュリティ対策は、難しい専門知識がなくても、誰でも実践できることがたくさんあります。

例えば、

パスワードを定期的に変更する


不審なメールには注意する


セキュリティソフトを導入する


といった、基本的な対策を行うだけでも、大きな効果が期待できます。



まとめ

情報セキュリティ対策は、個人だけでなく、企業にとっても非常に重要な課題です。今回の記事では、なりすましを中心とした攻撃手法とその対策について解説しました。これらの情報を参考に、日頃からセキュリティ意識を高め、安全なデジタルライフを送るようにしましょう。


それでは、また

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