ココで言うガラス屋は吹きガラス屋さんの事です。 吹きガラスをしているみなさんのTシャツにはだいたい穴があいています。 ほとんどが、Tシャツの右側の下です。 穴の理由はまあ、アレです。 作業中、紙りんの燃えかすがぴらぴら飛んでますね。 アイツですわ。間違いない。 大物を作る方のTシャツに穴がたくさんあいてるのはよくある話。ブワっと舞い散りますからね。 大物の助手をすると背中とか、肩とか、穴があく時があります。 面白いですね。 実は燃えかすがシャツに落ちた、この時
工房で制作している日に、ガラスを溶かす坩堝が到着しました。 溶解炉の中に設置して、原料を入れて溶かす容器です。 真ん中の窯が溶解炉です。 ねこ背なのでねこつぼと呼びます。(持論) かわいいよね。 工房の溶解炉の仕様で背中に穴あき。めずらしい。 穴あきは特注なので名前入り。 ねこつぼの使い方。 大きい方の穴から原料を入れて溶かします。 お砂糖(ガラス原料)がオーブン(溶解炉)で溶けて流れないようにグラタン皿(坩堝)に入れて溶かすような感じです。 可愛い入り口
むかし 吹きガラスの元職人さんが先生をなさってる教室に、所属していた事がありました。 拭き竿を待つと背すじがピッと伸びる、可愛い先生。 この先生、片目は白内障で真っ白だったんですよ。 その理由を臆面もなく聞いてしまった私に、先生が答えてくれたのは、 「火は利き目だけで見て、そっちの目が見えなくなったら吹き手は終わりや。他の仕事をする。」 え〜💦 「見える目を残さないと、残りの生活が困るからな。」 と言う事なんだって💦 いやもう、めっちゃ昭和、めっちゃ昭和やな
先っぽにガラスが残る竿は十中八九、曲がってます。 わずかですが、巻き取りの軸がブレているので、ガラスが偏ります。 冷めた時、また先っぽにカケラが残る。 と、コレの繰り返し。 少々曲がってても、紙りんかけたら、エエやん。 と、思ってるでしょ? カタチはきれいなのに、吹くと「なぜか?」真っ直ぐ入りません。 最初のカケラがきっかけの熱ムラ、つまり固さのムラはカンタンに解消しないんですよ。 カタ肉まっしぐらです。 では、焼かずに吹き続けてみましょうか。 薄い所は思い
透明なガラス、しかも花器の多かった私にとって、最大の敵は水あかでした。 この水あかという代物は、(私の記憶が正しければ) 「工芸用ガラスに含まれている微量のアルカリ分と、水に含まれるカルキやミネラルなどがイオン結合してガラスの表面に生成されるアルカリ性の物体」です・・・多分・・・ 調べたのはずいぶん前なので、ちょっと自信ありませんな(汗) 何れにせよ、水分が蒸発して、何かしらの成分が残っている訳ではなく、「化学反応で生成され、表面ガッツリ食いついているモノ」なので、ち
割とポピュラーな道具と思っていましたが、周りに知っている人が少なかったのでご紹介 四ツ目ギリにコルク棒をさしたものです。紙ゴテの代わりに使います。 普通にホームセンターで売っている奴。これは少し短いタイプです。 こんな奴にこんなコルク棒をさすだけです。カンタン 大きい用の、中兄ちゃん2本組 ちびは普通のコップサイズ コルク棒は丸でも四角でも先さえ丸めとけば使えます。 コルクごては油断すると崩れたりする紙モノより、先の管理がカンタン。 しいて言えば、使い込むと先から
ピンブローの時、針で空いた穴にパフパフするあれです(笑) パフパフと呼んで久しかったのですが、物の本によるとちゃんとこんな名前が有るそうです。 ワタシが使っているのは割りばしに綿棒状に新聞紙巻き付けたやつです。 濡らした状態で針穴に押し付けると、ガラスの熱で加熱された水蒸気が一気にガラスを膨らましてくれるわけです。 サオから吹き込む息の代わりになるわけです。 ワタシはこうやって入った空気を特製ベントパファーで足しています。 デモで1コ2コならこのままで大丈夫な
ピンブローの時、ガラスの固まりに穴を開けるものです。 まあどんな針でもいいんだけれど、適当な針金や千枚通しだと、熱々のガラス焼け付いてえらい事になります。ワタシも最初はコレで苦労しました。 じゃあ太い針だったらいいのでは無いかと太くすると、針穴の周辺のガラスが冷めてしまうので、次の工程で膨らみにくくなります。 細くてガラスにくっつかない針金、と言うことで、ワタシは酸素バーナーで穴開けに使うタングステンの針金を御愛用しています。 スーと入ってくっつかないです。優秀。
黒りんのはなし 代理店でスチーマーと呼ばれてるものですね。 カーボン素材のフェルトが一般的ですが、ワタシはFRPの芯材として売られているカーボンクロスという布状に織られたモノ使ってます。 国産択一です。 安い外国製は、見た目は同じですが、びっくりするくらいベッタリつきます。 付き方から見て、おそらく樹脂繊維が入ってます。 右端が外国製 真ん中が国産です。 お値段に正直。 (2024年時点で、国産は50cm〼で¥4500 ぐらいです) 使い始めたころに比べて価格
円筒形のモノを測るための道具です。 熱々ガラスのサイズを揃える為に使うのですが、バネが付いていて、サイズを固定出来るので便利に使っています。 しかしながら、真っ直ぐのバネパスは、世の中に存在しておりません。 先が外側を向いている市販の内パスを、ガラス工房にある強力な火力を使って無理やり内側に曲げて使っています。 内パスは筒の内側を測るための道具なので、本来ならこんな形状です。↓ 酸素バーナーで加熱したら割と簡単に曲げられます。 ガラス関係者の節目にプレゼントしたり
20数年ぶりに新調した、パドル。 熱々、ホカホカ!のガラスを触る木のコテです。 ワタシのパドルは林檎の木で出来ています。 どこの工房にも備え付けられているツールですから個人で持ち歩く人は少ないです。 割と後回しになりがちなアイテムですが、制作の時によく使うもの。 思いの外、素材の良し悪しが影響ある道具です。 パドルに限らずガラスを触る木材は「甘い実のなる木」が良いとされているようです。 板に含まれている糖分が良い仕事をしているらしいです。 そのせいか?こげたとき
ピックアップの時に竿が真っ直ぐつかないらしい。 竿を指2本でぶら下げてください。 重力で竿が引っ張られる方向が真下です。 ちょっと手前に向いてる気がしますが、アナタの気のせいです。 やってみると良いけれど、下に向けた竿を、手にチカラを入れて握ると、先っぽが、ぴょこんと違う方に行きます。 「マーバーに落としたタネが真ん中に付かない」 とか 「型吹きで真っ直ぐ入れ無い。」 と言う類の相談は、真っ先にコレをアドバイスしています。 自分のポンテが曲がる理由もコレだ