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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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泣かない鳥は空に溺れる

程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします


大好きな唯川恵先生の作品の一つ
何となくモヤモヤ感も残しつつもキレイごとで終わらないところが好き


千遥

母親から疎外されて自己肯定感皆無
ネグレスト的な虐待により心の中に死んでしまった双子の姉妹、ミハルを心の中に存在させている

母親が見栄っ張りで何をしても全否定されるのにどこか認めてほしい
母親からの罵詈雑言のストレス解消が買い物依存症
お金のためにパパ活始めていいマンションに住む
飲み会で知り合ったダメ男の功太郎が押しかけ同棲

功太郎が試験に合格した途端に母親に認めてもらえるって思考が本当に功太郎を愛しているのか疑問
多分千遥自身も分からないんだろうな
全部母親に否定されるから、答えが分からない

亜沙子

過保護気味のお母さんと二人暮らし
週末も母親とお出かけ
母親のブログが出来のいい娘扱いで盛られ過ぎ
出逢いがなくて母親から次男の真面目そうな人と強引に引き合わせられる

結局お母さんの敷いたレールに乗ってしまう亜沙子
どこかブログの盛り気味に戸惑いながらも、実家の居心地よさも感じている

それぞれ

千遥は彼氏が試験に合格して結婚することになるが、結納も式場もウエディングドレスも全部母親に気に入れられるようにしか考えていない
功太郎の実家が祖母の介護、農家で遠出でも一泊するのも大変でも、母親最優先のために無理やり自分の実家に呼び出して結納パーティーをさせる

亜沙子は母親が望んだ人と結婚、同居を考えるというよりも母親ベースで進んでいく

会社の合コンで偶然功太郎と亜沙子はそれぞれ知り合う
お互いに婚約者がいるが数合わせで参加させられていたと席も移動させられる

そんな中

亜沙子は彼氏のどうしても生理的に受け入れがたい性癖を知ってしまう
動揺して功太郎に相談すると、功太郎も千遥の母親への想いに動揺している

亜沙子は婚約解消を決意するが、母親の横やりで再度話し合いをさせられそうになる
亜沙子は酔った勢いで功太郎に抱かれる
最後の男が婚約者ってことが嫌だった
母親は話し合いをしてもダメだと分かったら自殺未遂をする
精神的に不安定になり少しでも遅くなったりすると倒れている
出かけていいと言っても当日具合が悪くなる
病院に行っていると思っていたら行っていない
薬も飲んでいると思ったら飲んでいない
完全に仮病

千遥は我慢の限界を超えてブチ切れた
結婚式もしないでいいと功太郎に言う
功太郎は、社宅がすぐ住めないから千遥のマンションに同居したいと言い出す
戸惑う千遥
だってパパ活していた人に家賃を出してもらっているのに、友だちのお父さんとウソをついていたから
条件として功太郎と逢わせろとなり、逢って快諾
でも功太郎は友だちのお父さんはウソと見抜く
それに対しても千遥は逆切れ

千遥の母親が脳梗塞で倒れた
実家に帰るt千遥
不自由な母親に介護をすることによって昔のしこりを取り除こうとしていた

亜沙子は功太郎に惹かれていく

功太郎の海外勤務が決まった

これから

千遥は母親の介護のために功太郎との結婚をやめた
功太郎も母親との関係が解消されないと千遥は変われないと理解した

そこで最後に母親の一言がゾクッとした

亜沙子は功太郎の海外に行くことにした
功太郎にも行くと言ったが遊びに来ると思っている

感想

千遥は母親の一言によりまた元通り
亜沙子は捨て身で海外行くけど、母親のブログで捨てられて帰ってきて二人で猫飼うのを予言しているってことはやっぱり過干渉な母親と元通り

幸せそうになりそうで、寸前のところで掴めない
みんな上辺は幸せそうでも実際にはそうでもない現実
小気味よい想いの中にどこかモヤモヤが残る秀逸な一作品

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