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野球で商品企画を考えてみる

ヒット商品だ!
大号令を受けて張り切って企画をします。
自社独自のマーケティングプロセスをたどり、温めた技術や思い付いたアイデアでヒットを目指します。

ヒットと聞くと殆どの人が野球を思い浮かべることでしょう。
商品がトレンドやニーズにマッチして「当たる」ことをバットがボールを捉えたことに準えたのでしょう。
このヒットですが、野球では打者自身が点を取ることができません。
バットに当てることで点が入る場合はホームランですし、足の力で点を稼ぐのはランニングホームランです。
ヒットは1〜3ベースヒットまでです。
半分運を天に任せるような使い方でヒット商品と呼ぶのに、本来の野球では点が入らないのは不思議なことです。
ホームラン商品と呼んだ方が良いのではないでしょうか。

ところが、経営の観点で見ると、やはり欲しいのはヒット商品です。
経営には負けもコールド負けもありますが、勝ちはありません。
ずっと続けていかなければならないのです。
つまりスリーアウトにならないことが重要なのです。
狙って出せるものではないホームランを狙い続けていくことと、ある程度狙いを絞り込めるヒットを打ち続けること、終わりのない試合の中では単発の得点よりも継続的に点を上げ続けることが重要です。
大事なのはヒットを量産し続ける仕組みを考えることです。
一回一回が運を天に任せたスイングではすぐにスリーアウトです。
空振りしても修正しながら塁に出て、次に繋ぎ続けていく中でヒット量産の仕組みを見出さなければなりません。
ヒット商品を意図的に量産し続けること、これが商品企画の使命です。

最後に、ヒットは目的ではありません。
目的は得点であり、その為の進塁です。
進塁の手段は必ずしも打つことだけではないことも、企画者としては忘れてはいけません。

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