漫画「バーテンダー」感想(完結作品を語る! #397)
「バーテンダー」(原作:城アラキ / 作画:長友健篩)
連載期間 2004年~2011年(スーパージャンプ、グランドジャンプ)
昼でも夜でも、おはようございます!音楽家のhiro’です。
・hiro’と漫画
高校在学時に1000冊近く持っていて、その後は漫画喫茶(ネットカフェ)で読む日々で、現在も100近い連載中の作品を追いかけています。
「バーテンダー」は、その名の通りバーでお酒を作り提供するバーテンダーが主人公の漫画です!
全21巻。現在、LINEマンガで全話無料で読めます!
ところで、
バーテンダーには優しい止まり木なんて意味もあるそうです。
さて、
舞台は東京の銀座。
主人公の佐々倉は20代ながら天才的バーテンダー。
カクテルコンテストに優勝していてパリ帰りなんですが、繊細さと驚きに満ちたそのカクテルの味は「神のグラス」と呼ばれています。
お酒やら文学やらの様々な知識が物語にうまく絡んで、気持ちよく酔わせてくれる作品です!
作中で何年も時が過ぎていくので過去に出てきたキャラが時を経て再登場するんですが、成長や変化があってイイんです!
あと、
何軒か勤める店舗を変えるので、そういった変化でも読者を楽しませてくれます!
終盤は自分のお店を持つので、一国一城の主になっていく様を自分と重ねて見るとこれまた楽しいです!
それに、
生意気だったり感じが悪い登場人物も、カクテルを通じて良い部分が前面に現れるようになって、恨みを募らせて暴力沙汰…とかにならない作風も平和でイイんです!
ただ、
コメント欄でも多数指摘があったんですが女性キャラがあまり魅力的ではないです。
美人ではあるんですが、物語の為の装置感強めというか…。
・印象的な言葉や話
「バーでは声低く語れ」という言葉が印象的でした。
バーは自分と語り合う場であり、心の中の一番大切な声を聞き逃さないように、という事らしいです。
そして、いい話のオンパレードなんですが、「バーの宝物-絆-」という話が印象的でした。
自分の店のカウンターに、以前勤めていた店舗のもう廃材となった木の一部を契りという補強材として使うんです!無駄な事ってなくて物も想いも繋がっていくという事を感じ目頭が熱くなりました!
最終話は「サヨナラの教え」。完璧主義なベテランバーテンダーとその弟子の話。
恩送りという、誰かから受けた恩を別の誰かに返すという内容には、映画「ペイフォワード」を思い出しました!
ということで、
バーテンダーを目指している人、心が疲れ優しい止まり木を探している人、
お酒と餃子が好きな人にもオススメです!
・終わり方について(ネタバレなど気にする人は読後に確認してください)
最後のカクテルは今作で最初につくったものと同じく、水割り。
テクニックではなく人に寄り添った飲み物であるのが大事だと伝わってきました。
最終ページは、
「あなたと出会えたこの時に『ありがとう』」という言葉とバーの扉の絵で、読者への感謝も含めたメッセージにじんわり温かい気持ちになりました。
とはいえ、
作品全体のクオリティが高いだけに終わり方ももっとドラマチックなものを期待してしまっていて、そこには到達しませんでした…。
ちなみに、
続編もありますが作画の先生が変わっていて主人公も別人です!
近いうちに語る予定なので楽しみに!
ここまで読んでくれてありがとうございました。
「バーテンダー」を読んだことがない人はよかったら読んでみてください。
完結済マンガについては、動画でも語っていますので是非こちらも御覧ください↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_jdbW5Bz5KltANE26MreYasFwOccSouU
hiro’