九月、夢酔い、生き惑い
赤黒く染まる景色が
不吉というより何処か哀しげで
同情を誘うようなカラスの鳴き声が
梨の礫程度に降り注ぐ山手線外回り
人間なんか見たくもない
ただ、空だけを見上げていたい
疲労中毒の感傷依存症
世界中咲く幸せな笑顔には不干渉
こころを覆ったこの『かなしみ』は
失意か、寂寥か
それとも喪失か
はてまた後悔だったか
とうに失くしたこころの形を
僕はもう覚えていない
この空を漂う雲のように
無数の紋様だけを描いて
なにも残さず
ただ消えて行け
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