取り落とした珈琲が あぁ靴元で花を咲かす 最近こんなことばっかだ あぁ不機嫌に鼻を鳴らす 生き紛いの日記帳 あぁ書き溜めた不満の嵐も 春を散らすそれみたいに あぁ吹き飛ばしてくれよ なぁ、自分で蒔いた種だろう まぁ、気分で掃いて棄てろよ さぁ、自業自得の毎日も 鼻歌で誤魔化して笑え ねぇ、散々なこの日常に 嫌気が差してきたのなら 嫌いなままでいいから いま此処で僕と歌おうよ 取り落とした感傷が あぁ足元で音を鳴らす 最近こんなことばっかだ はぁ溜息は止め処も無く 耳
君の声が今日も耳に焼き付いて 目を覚ました僕の心を攫って往く わからないからさ 情動、衝動、焦燥、劣等。 君がくれた、この希望と絶望。 全てに形が欲しかった 消えてしまう前に それは我儘かな? 許せない君を、心で殺して 描いた記憶で蘇らせてく 何度も何度も縊った両手は 君の輪郭を憶えているから 想像力の遥か向こう、過去も越えて往こう 必ず迎えにゆくから 青い炎が揺れた水槽、君と描いた創造 いつか僕はひとりになるけれど 物言わぬ君に、言葉を与えて 仮初の愛にまた
あと1秒で良いから、もう一瞬で良いから いちどきりの人生に、ふたりでいようよ まだ伝え足りないよ、ただ歌を聴きかせてよ 君のいたこの景色を。嗚呼、もう少しだけ 君とみた長い夢の、熟れて落ちるその終わりは 陽が落ちるさまを見るよう、醒めゆくまま 君とみた青い夢に触れて、痛むこの胸さえ 終わりかけの曲を惜しむよう、音も凪ぐまま _まだ、離さないで あと1秒で良いから、もう一瞬で良いから いちどきりの人生に、ふたりでいようよ まだ伝え足りないよ、ただ歌を聴かせてよ 君がいた
やがて誰もが目蓋を下ろして 黄昏の帳が空を包んでく 消える世界はどこまでも眩しくて あたたかな光は頬を染めゆく 時計の針はついに進むことを辞め 街の輪郭は薄く解けてく 終わる世界はどこまでも優しくて まどろみの中にすべて溶けゆく 『お終いにしよう』そう囁いた 君の優しい声だけが、耳に響いている 私だけが目を覚ます朝に やっと気づく君はもう目覚めない 起きてよ神様、ひとりにしないで 世界にとり残さないで 世界はつまり私の見方で 幾らでもその姿を変えるんだろう 終わりを願
雨も降らない夜の底 君が爪弾くギターの音 魔法みたいな歌声と 溺れていたいと望んだこと 誰も知らない海の底 僕ら今だけ踊っていよう いずれ訪れる代償も それでもいいと笑い飛ばそう 僕ら言葉の泡になって 記憶の中に、とけてゆく 君が笑って言葉になった 触れられやしないや思い出になった それでもいいやって明日を殺して 昨日を生きている!今日も 魔法みたいな君の声も 汚した感傷もその後悔も 口では言えない愛おしさも 忘れちゃうのかなぁ さよならなんて言えやしないや 触れ
『再会』 Vocal:ぱるた Violin / Gt. :弓絃 脚本・音源:弓絃 構成:ぱるた / 撮影:ORENCH. 6/8 渋谷(sat) @渋谷nob 01.ふたたび 高校の同窓会が行われたのは、 初夏の風が薄くそよぐ新月の晩だった。 長らく会うことのなかった級友たちと 他愛もない話に興じながら、私は周囲を見渡す。 『みんな、すっかり変わったねぇ』 そんな事を言いながら、私は席につく。 『なーに言ってんだか。』 あんただってそうじゃないの。 そう言われ
紅く燃える暖炉の前 君の眼差しは微笑むよう 歌声は天使のかがやき いつか聴いた詩 儚く滲む月夜影 星の瞬きと雪模様 願いをひとつ口づけに いつか描いた詩 長い旅の果て、灰の海を超え さよならの数だけ、欠けゆく面影 愛することを忘れた君が いつか誰かを愛せますように 暗く染まった誰かの夜を 君のこころが照らしますように どうかもう一度だけ、心に耳を澄ませ 明日が覗く窓辺、駆け往く貴方へ 求めることを諦めた君が いつか誰かを怒れますように 盃を満たした報いの毒を 君のこ
今日もわたしは星に祈るの その瞬きがあなたの道行きを照らすようにと 病める日も、健やかな日も変わらず 優しい風があなたのその頬を撫でるようにと ひとり往くかなしみに心惑い、塞いでも あなたはきっと大丈夫 だから諦めないで あなたはきっと大丈夫 だから恐れないで 今日もあなたは月に祈るの その輝きがわたしの涙を乾かすようにと 晴れる日も、嵐の日も積み重なる 想い出たちが悲しみの氷をほどかすようにと わたしはずっと大丈夫 だから悲しまないで わたしはずっと大丈夫 だから信
nowhere 追いかけてたものは、遠く遥かに 問いかけた言葉は、空に消えたまま それでも逢いたくて、触れてみたくて 駆けだした足音、今も消えぬまま 「僕は、歌を歌う。自分のために、歌を歌う。 僕は、歌を歌う。あなたのもとへ、歌を歌う。 僕は、歌を歌う。それどんなに、拙くても。 僕は、歌を歌う。きっと、いつか信じてるから。 僕は、歌を歌う。それだけでいい、それだけがいい。 僕ら、歌を歌う。僕たちは 今、ここにいる。」 いつかの約束と、ひとかけらの勇気と いくつかの
ひと呼吸、息を措いた静寂に君の名をひとつ置いた持て余した時間は老いて僕は、ただただ寂しかった飛沫が波間を縫った君のこころが息を継いだ川沿いをふたり歩いて僕らは言葉を待っていた肩寄せて、また離れて浜を揺蕩う波のように浅く浮いて、ふと沈んで水面迷う花弁のようにただ流れて、ただ流れて川を下る燈のようにいつか歌を辿って。貴方は歌を辿って。貴方の歌を辿って。貴方も、いま旅立って往く。目を閉じて、また開いて読みかけの小説のように立ち止まって、歩き出して朝夜を繰る月日のようにただ唄って、唄
落陽 からり、からから、啼かねど烏 帰らぬ人は、いずこにか はらり、はらはら、舞い散る花よ 戻らぬ日々は、いずこにか 瞳にとけた茜、鮮やかに 明日じゃなくて、明後日でもなくて 昨日がくるのを、ずっと待っている いつの日か貴方に、この手をひかれて 眺めた夕陽が、今も消えぬまま ずっと消えぬまま 長く傾く、夕凪の影よ 姿形を、似せてくれるな 浅き夢見し、浮世の花よ 醒めぬ夢なら、醒めずとも 霞を掴んで、霧を飲み込んで 朧ななにかを、ずっと探している 言葉じ
綺麗事 優しい言葉が痛かったから 優しくするのも怖くなったね 離したくなくて握り締めて 壊してしまった 信じた心に裏切られたから 信じることすら怖くなったね 失うことに堪えられなくて 手放してしまった 君が嫌いな綺麗事を 信じてほしいから今日も歌っている 君が嫌いな、それでも綺麗な 誰も傷付けない御伽噺を 歩み寄るだけ離れちゃうから その手を取るのも怖くなったね 分かり合いたくて言葉尽くして 暴いてしまった 誰かに赦して欲しかったから 誰もを許そうとしていたんだね
『夏憶う』 _日々を描いて、詩を描いて。 頬を染め抜いた茜に 濡れた日暮れが染み付いた夕篝 蝉時雨や夏の詩 浮かぶ目蓋の裏側 焼き付いた あの日の夢を見ていた 頬を染め抜いた 茜に揺れたはなびら 鮮やかな想い出に指が触れた 僕達は言葉すら交わさぬまま 風凪いだ夕去を歩いていた 錆びついた橋を渡って 煙草屋の角を曲って 線路沿い、空を見上げて話した帰り道 咲い合う日々をなぞって 君だけを胸を満たして いざ、消えない詩を歌おうよ 声を重ねて、微睡むなかで 僕は
朝の光は眩し過ぎて 夜しか息が出来ない僕等 深く吸い込んだ胸の奥に 貴方の匂いは未だ残っている 深い海をただ泳ぐように 暗闇でふたり薄く目を閉じた 今も、そうずっと目蓋の裏に 貴方のその影はまだ残っている 『ねぇ、今からでもいいよ。 何処か二人で、逃げようよ。』 いま、染めて。 ねぇ染めて、君の色で。 この世界全部を塗り潰したいんだ 真っ白なこの僕の全部、 君のものにして良いから 薄明の部屋に、微かなさえずり 閉じめたカーテン、洩れる光 深く吸い込んだ 胸の
『フェイカー』 優しさ模った偽物を 善かれと思って振り翳した 縺れて絡まった感情を 解くすべもなく立ち尽くした 『人は決して分かり合えない』 弁えたような、大人の声で 『そういうものだよ』呟く君の 頬が濡れているの、どうしてなの 僕等は探している、月日が呆れるほど 『だけど』とか『それでも』の後に続く言葉を 作られた心が、嘘と詰られても構わない 君の笑顔が其処に在るなら 堪えた涙の行方も 知らないままで目を逸らした 羽織った他人の理想に 操られた僕は何者なんだ 『誰
珍しく風邪で寝込んだ夜 がらんどうの心に咳をひとつ 玩具もゲームも古いものばかり 棄てられないから放ってある 月明かりが薄く差した夜 閉め切った部屋に心ひとつ 憂いはただただ、嵩むばかり 優しい人にはなれやしない 不意に痛む胸、今じゃもう慣れっこさ そっと手を添える、君は此処に居る 朝が来る前に消えてしまいたいんだ そう言って今迄幾つの夜を越えただろう 目蓋の裏側に込み上げた何かが 零れそうなくらい、強く叫んでいる 引き出しに深く仕舞った手紙 散らばった言葉、約束ひと