A-TEENから、青春を思う
今回は韓国のウェブドラマ「A-TEEN」について。韓ドラをたくさん見るようになったきっかけの作品で、原点であり頂点みたいな、私にとって少し特別な存在のドラマです。
A-TEENからPLAYLISTっていうオリジナルウェブドラマのチャンネルにもドハマりして色々見たので、いつかまたPLAYLISTのおすすめ紹介とかやってみたいな~なんて思ってる。
※昔はPLAYLISTからいつでも見ることができていたんですけど、今はもうなくてネトフリにあるみたいです。やっぱネトフリ入らないと。!
そもそもA-TEENって?
[ シーズン1 ]
ドラマのタイトル、A-TEENの由来はずばりeighteen。
高校2年生、18歳の男女6人が繰り広げる高校生活の物語です。(韓国は数え年で生まれたときが1歳方式なので、同じ学年でも日本より1つ上の歳となります)
[ シーズン2 ]
帰ってきたシーズン2ではおなじみのメインキャストに新メンバーが加入してさらに賑やかに。
人生の岐路に立った高校最後の1年を過ごす様子が描かれており、彼ら彼女らが自分の力でそれぞれの19歳の道を切り拓いていきます。
とにかく見応え抜群
韓ドラってたいがい1話が長くてしかも話数もたっぷり。もちろん良さもあるけど、忙しかったり飽きたりしてフェードアウトしちゃうリスクもあります。その点このドラマは1話10分前後、長くても15分くらいなので手軽に見れるところが魅力的です。
にもかかわらず、短い時間で友情も胸キュンも切なさも笑いもわくわくも全部詰めこんであって見応え抜群。普段学校で過ごす中で起こるあれやこれやに高校生活では外せない学校行事、放課後にみんなでわいわい遊びに行ったり、休みの日に出かけたりとエピソードがてんこ盛り。だからからといって構成が雑なわけでもなく、ひとつひとつがちゃんと濃くてそれもまた最高です。
あとドラマを見ながらひたすら思ってたのが、韓国の制服可愛い~!でした。みんなの私服もおしゃれで見てて楽しいし、持ち物とか部屋の感じとか細かいところまで凝ってあるのでそういう意味でも見応えばっちり。
韓ドラあるあるで提供のアイテムを上手いことシーンに組み込んでくるんですがA-TEENもそうで、私もドハナがドラマ内で使っていたリップがめっちゃ可愛くて即買いしちゃいました。
青春の二面性
そして声を大にして言いたいこのドラマの醍醐味は、爽やかで甘酸っぱい "青春" と、迷ったり立ち止まったりして時には自分も周りも傷つけてしまう "青春" が鮮やかに混ざり合い、すべての瞬間に意味があると思わせてくれるところだと思います。
学校、友達、恋愛、遊び、勉強、家庭環境。
自分の毎日を構成する様々な要素がある中で、楽しいことももちろんいっぱいあるけど、それと同じくらい悩みもあって、上手くやりたいのに上手くいかないこともあって。
そんな日々を過ごす登場人物たちがドラマ内で時折話すモノローグがとても心に響きます。抽象的な表現が多いので解釈に幅を持たせられていろんな見方ができるし、自分もどこかで感じたことのある気持ちが言葉にされているから一言一言がずしっとくる。人物描写も丁寧で、人間関係の中にある危うさや気持ちの曖昧さがとてもリアル。
シーズン1では女子いつめん3人と男子いつめん3人の仲良し6人で過ごしてる場面が多いんですが、みんなをざっくり分けると
「明るく元気なお調子者タイプ」
「自分を持ってるちょっぴりクールなタイプ」
「穏やかで頭がよくて控えめなところがあるタイプ」
って感じでキャラが立っているので、それもあって見る人が絶対誰かには親近感が湧いたり共感できたりするのもいいな~っていうポイントです。
あと大体こんな性格!って書いたんですけどもちろんみんなそういう面だけで成り立ってるわけじゃなくて、違う部分もある。
学校では元気がよくてふざけてばっかりな子が家では悩みを抱えていたり、自分に自信があってちょっとやそっとじゃへこたれないように見える子には実は繊細なところがあったり、いつもちゃんとしてて上手くいってるように見えるあの子は内心多くの葛藤を抱えていたり。
「自分から見えているその人」が絶対像じゃないってことが改めてわかります。
そして6人の中だと圧倒的にキムハナに近いものを感じる私には、シーズン1での彼女の内面の揺れがすごく刺さりました。ドハナへの憧れがいつからかじわじわと暗い劣等感に変わり、2人が少しずつぎくしゃくしていく過程、そして喧嘩になるシーン。2人のハナの喧嘩の間で仲裁を試みる、普段はムードメーカーなボラムの苦悩も切なかった。
当時私はこのドラマをYouTubeで見ていたのですが、キムハナが徐々に美人でいい子な優等生という面だけではいられなくなっていくのと比例して、コメント欄には彼女を糾弾する声が増えていったことをよく覚えています。
確かに筋が通っているのは圧倒的にドハナの方で、竹を割ったような真っ直ぐな性格の彼女は魅力的でした。喧嘩になったときも逃げずに正面から向き合っていたところからもわかるような芯の強さにはすごく憧れます。
でもキムハナが持つ泥臭い人間味や、憧れが嫉妬に変わり、嫉妬が自分のコンプレックスを刺激して、つい強がってしまったり誰かに当たってしまったりしてまた自分が嫌いになり、そして潰れそうになる姿に感情を揺さぶられたのも事実で、彼女のことを真っ向から否定することはできなかった。
ドハナになりたかったけど、ドハナになれないことは自分が一番よくわかっていて、どうしようもなく全てから逃げ出してしまいたくなる気持ちに共感できすぎて見ていてちょっと泣きそうになりました。
この出来事を経てからのシーズン2ではキムハナの成長が素敵で、自分らしさを認めて堂々としている姿が眩しかった。しっかりと変わっていく彼女を見ていたら自分も頑張らないといけないと思わされました。
充実していて、楽しくて、きらきらしている、それだけが青春ではない。乗り越えられないくらいにつらいことがあったり、やりたくないことでもやらなければいけなかったり、暗い闇の中をひとりぼっちで歩いているような気持ちになったりする、それもまた青春のかけらなのです。
ドラマを彩るOST
たくさんあるOSTの中で私がとりわけ好きなのは、
Motteの「도망가지마(Don’t run away)」
SEVENTEENの「A-TEEN」(シーズン1の主題歌)と「9-TEEN」(シーズン2の主題歌)です。
1の締めくくりで、ドハナがMotteの路上ライブに飛び入り参加して「도망가지마」を歌うことになるシーンも印象に残ってます。ここでも例の天才モノローグが大爆発してたし、今までのみんなの回想シーンと一緒に流れてくるから余計にぐっときました。しんみりした雰囲気のシーンで流れてくるこの曲には涙を誘われるし、語りかけるような歌詞も深くていい。
「A-TEEN」では幼さと大人の狭間で、今のこの瞬間は自分にとっての青春なのかもしれない、という漠然とした混沌の中にいる感じ。高校2年生という時期特有の宙ぶらりんさ、まだ進路のことを考えなくていい自由さからくる等身大な姿を表しているような曲です。「君」の存在をちょっぴり持て余しているような淡い甘さもいい。
「9-TEEN」ではあの頃より大人になって、過去がもう戻らないことも今が一度きりだってこともわかった上で、自分を信じて怖がらないで一歩踏み出そうとする勇気を表しています。「君」に対しても余裕が出てきているというか、穏やかな誠実さとか、これからもそばにいるよって歌っているところからもA-TEENからの成長や月日の流れを感じられていいなと思います。
青春はいつでも誰にでも訪れる
ドラマに関する話はここまでなんですが、青春つながりで少し余談を。
SEVENTEENメンバーのウジさんが言っていた、
「若いだけが青春ではありません」
「これが自分の人生だと考えれば、いつだって青春できると思います」
っていう言葉が私はすごくいいなって思ってて。
昔は年齢なんて何も気にならなかったのに、ある時期からなんとなく歳を重ねることに抵抗を覚えるようになるし、自分より年下の人を見ると若いっていいな~なんて思ってしまうようになる。
でも彼のこの言葉のおかげで新しい世界が開けた感じがしました。ありがたい。
青春の苦さと甘さがこれでもかってくらいに詰まった、たくさんのことを考えるきっかけをくれたドラマ。
私たちは、その気になればいつだって青春を送ることができる。そのことを忘れないで、今このときしかない"今"を過ごしていきたいな〜と思いました。
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