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小説

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#エッセイ

子供みたいな寝顔だな

大学生活も三年目に入っていた。僕は僕自身の困難を抱えていて、どんどんと暗くなっていった。授業中にパニック発作が出ることが増えていき、狭い教室の、風の吹かない閉めっぱなしの窓から見える、外に逃げ出す自分と、その教室の中で卒倒する自分を想像して、冷や汗が止まらなくなり、誰のことばも耳をすり抜けていき、自分が発する声や身体そのものが現実から少しだけ重力を失っていく。
サークルで新歓がはじまり、同期の部長

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あなたは僕を少年にもどす

大学に入学した僕は、ガイダンス合宿って授業が始まる前に新入生だけで行く千葉のホテルで、たまたま同部屋だった男の子たち4人と、新歓ガイダンスってのに行った。大きな講堂の片隅で、僕らはいろんなサークルの出し物を見た。音楽系のサークルがライブを始めた。ネルシャツにジーンズのラフな格好をした女の子が、ラモーンズの電撃バップを歌い出したとき、横にいたYが身を乗り出したのを覚えてる。赤いワンピースに丸いサング

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急にね、あなたはいう。

君といた時間は、いつも煙草の煙が辺りに立ち上っていた気がするし、君といた時間から現在にかけてが、中村一義が出す曲を時系列でなぞるみたいに過ぎていく。

大学ってところは、入学したあと直ぐに仲良くなる友達とは、割と早い段階で、挨拶を交わして通り過ぎる程度の距離に落ち着く。
それでも地方からこっちに出てきて、はじめての一人暮らしをする彼ら彼女たちの家では、夏の試験期間まではお泊まり会があるし、マル

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18歳

陽炎がアスファルトに揺れていた。
向かい側の喫茶店の窓に映る君と僕の姿。
横を向くと、下らない冗談を飛ばして一人で笑う君の指の間に挟まるマルボロ。
キスしたいな。初めて、思った。
僕はまだ18歳で、それが人生で最も美しい季節だとは、いまでも思わない。
二人とも男だったからでは、もちろんない。
二人とも、とても不細工だったからだ。

18歳のときに通っていた予備校は、新宿から中央線で10分のとこ

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