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unity1week「レクシンセシス(Rec Synthesis)」振り返り

2022年12月12日(月) 0時から始まったunity1week。お題は「Re」でした。
今回はそのunity1weekで作った「レクシンセシス(Rec Synthesis)」を振り返ります。

「レクシンセシス(Rec Synthesis)」は↓ここから遊べます。

12月12日

 お題公開初日から。実は今回はお題が発表されてから、なんとわずか25分でネタを思いつきました。

 この時に思いついたネタは「複数の画面をひとつの画面に合成して攻略するゲーム」です。

 このネタは被りにくいだろう、と思いました。僕はunity1weekでは被りにくいアイデアで隙をつくのを基本戦術としています(戦術?)

 今回「Re」というお題から「時間逆行型のゲームのアイデアは被るぞ」と感じました。そして、それらのゲームは完成度の高いゲームが多数出るだろうとも考えました。となると、時間逆行型のゲームアイデアで勝負するのは分が悪い。
 その点「複数の画面をひとつの画面に合成して攻略するゲーム」なら「Re」をお題にしつつネタも被りにくいなと思い、作るゲームを決定しました。

 お題投稿から1時間後に作り始めました。
 ただ、この時は、上記のコメントの通り、実は作るかどうか迷ってました。当時、別のゲーム「Sim Civil Devil」を開発中だったので。
 ここでunity1weekに専念してしまうと、2〜3週間「Sim Civil Devil」の開発がストップしてしまいます。とはいえ、停滞感も覚えていました。開発の爆発力が足りない。時間に追われて、焦りつつも、プログラムや絵や音楽、シナリオを組み合わせ、ゲームへと昇華していく……そんな体験を味わいたい。
 
 そんな想いもあり、まずはやってみよう、と考え手を動かします。

 といっても、この時点ではモチーフも見えていません。
 なのでまずは、複数の画面を見てボタンを押すゲーム、という認識だったので、レンダーテクスチャを置いて実験したりしていました(※1

(※1 レンダーテクスチャ……カメラの映像を板に映す的なものという理解でOKです(多分違うけど)

12月12〜14日

 レンダーテクスチャを使った表現を考えたり、モチーフを考えたりしていました。モチーフを考えるというのは、ゲームシステムに合致したキャラや世界観を考えることですかね。

 結果、レンダーテクスチャを使った表現は、どうにも僕のプログラムスキル的にしっくり来ず。モチーフについても、SFチックなシューティングにするか、キャラを使ったパズルゲームにするか迷いがありました。

 ただ、シューティングだとどうにもギミックの幅が狭いな、ステージのバリエーション持たせづらいな、とは思ってました。

12月15日

 この日、僕は今作の運命を大きく変えた素材サイトにたどり着きます。そのサイトは「ロジカリズム」さん。
 どうやってたどり着いたのか覚えてないのですが、アクター素材の新弥くんを見つけて「これだ!」と思ったんですよね。そこから舞ちゃんも見つけて、この2人でゲームを作ろう! と決まったのでした。もちろん、作るかどうか、といった迷いも吹き飛びました。

 そこからは行動早かったです。

タイトル画面の新弥くんと舞ちゃん
ちなみにゲーム中ふたりの名前は一度も出ていない

 キャラがこの2人で決まったことで、世界観と色調が決まりました。2人が出会うパズルゲーム。舞台は学園かな。色調はペールとライトを軸にして、強調したいところはブライトを使おう、と。
 そして、パズルであれば、レンダーテクスチャを使うまでもなく、タイルマップを使って複数の画面(タイル)を作っちゃえばいい、ということも決まりました。

色調とタイルマップのテスト

 こんな感じで色を置いてみて、どんな色を使うのがいいかな、と考えた末、概ね今の画面に近いものが出来上がりました。この辺りは何気に色彩検定で勉強した経験が役に立ちました。ちなみに、この時点ではまだステージはできていないです。

 また、キャラのドットは存在していなかったので(一応素材サイトにあったもののツクールでしか使ってはいけない素材であった)キャラのドット絵も用意しました。キャラのドット絵は「ぴぽや倉庫」さんのキャラエディタを使っています。

12月16日


 キャラまわりやデータまわりのプログラムをあれこれいじってました。

 ついでに舞ちゃんのドット絵、もうちょっとイラストに近づけるように修正してました。

ネクタイを変えてあげたり

12月17日


 調子に乗って、ストーリーを考え始めてました(少しネタバレ入ります

 「ロジカリズム」さんにはすごく魅力的な音楽素材もあるんです。まさにキャラが歌っているような歌素材が。

 そして、歌詞を読むと不穏な言葉が多い。

 愛する2人が離ればなれになるという展開に思えたり、死を連想するような歌に思えたり……

 けれども、この音楽素材の魅力は、悲しみがありながらも、少しコミカルにも聴こえたり、可愛らしくも聴こえるところが大きな魅力なのですよね。

 この魅力ある音楽素材を有効に使いたい。であれば、この歌詞を熟読してストーリーを書こう。そう思ったのでした。

 2人(新弥くんと舞ちゃん)のどちらかが歌っている、という話にしよう。

 新弥くんと舞ちゃんの話ではなく、少年と魔女の話にしてしまおう。

 死を連想する歌詞があるならば、少年には死を与えよう。
 
 少年がなぜ死んだのか謎を解いていく展開にしたいならば、物語を逆行(Reverse、Rewind)させてしまおう。

 物語が後ろから始まるならば、演出も右から左へ動かしてしまおう。

 等など考えました。

 物語を後ろから1話ずつ巻き戻す、といったアイデアはお題が「Re」でなければ思いつかなかったのですが、「なぜ、そうなったの?」という謎が1話ごとに解明していくわけですから、この手法は物語の構成の仕方としてありではないかと思いました。

 ちなみに、今作の物語には複数の「Re」が含まれています。その辺りは細かく説明すると野暮なので説明はしないでおきます。

12月18日

 パズルのステージ作りをせずに、演出まわりをあれこれ作ってました。

演出まわりあれこれ作ってた

 少年はなぜ死ぬのか、といった解や、「歌詞」と「物語」と「パズルの内容」を合わせる仕掛けなどはこの日に思いつきました。

 後にこれらの仕掛けは「エモい」と言われることになるのですが、この時点では作者は今作がどう思われるかわかりません。
 「面白いな〜」と心の中で思ってましたが、プレイヤーさんの方がゲームを(文字通り)客観視できていて、結果「エモい」の一言でゲームを表していただけたので、プレイヤーさんの一言はとても貴重ですね。

 あと、流石にそろそろゲームループ(ゲームを1ゲーム分遊べる状態)を作らねば、と思い、ようやっとパズルゲームのシステムを作り始めます。

ちょっとパズルゲームをつくった

 これ、unity1weekで毎回「おのれ、とぶめー」と思うところなのですが、僕はゲームループ作るのいつも後になるのですよね……先にゲームループを作るべきだと思います。僕もそう思います。けど、そんな思いとは裏腹に現実の僕はゲームループ以外のところばかり作るのですよ……
 そして、この日もゲームループを作り切らず、少年のドット絵を修正していました。

髪の毛を1ドット短くした

 少年のドット絵を動かしてて、前々から髪の毛が長かったのが「らしくない」と思ってました。
 本当どうでもいいところなのですが、気になってしまうと直すまで気になり続けてしまうので、面倒臭いから髪の毛1ドット短くするよう直しました。ガイア幻想紀の逆の半分ですね(?)

12月19〜22日

 鈍足ペースながらも、ようやく1ステージが完成しました。タイトル画面も出来上がりました。

タイトル画面

 ちなみにunity1weekの平日は、10時〜20時 or 21時くらいまで仕事。22時くらいまで食事やお風呂。22時〜26時くらいまでunity1weekのゲーム制作です。このペースで動けるのはせいぜい1〜2週間なのでunity1weekが1weekなのは助かります。

 ところで……1週間過ぎてますがキニシナイデクダサイ。

12月23〜25日

 仕事や私用を挟みつつ、ステージ作りをひたすらに。この辺りで気づいていました。

 先にゲームループ動かしておけよ、と。

 少し気になるところはありましたが、とにかく完成優先でステージ制作を進めます。

12月25日夜

 完成、そして公開。

結果

さてさて、結果発表です。
1月1日20時時点。

総合25位
絵作り28位
サウンド7位
雰囲気18位
斬新さ27位

楽しさ 3.767
絵作り 4.333
サウンド 4.383
操作性 3.667
雰囲気 4.383
斬新さ 4.067

振り返り

 良い点も見られるものの、個人的には課題の残る結果でした。

・良い点

 素敵なキャラ素材を活かして、まとめ上げる力は上がっている点。
 色彩検定の勉強をしてからか、色調に気を遣うようになって、絵心がイマイチな僕でも絵作りや雰囲気で十分勝負できるものを作れるんだと感じました。
 
 素敵な音楽素材を活かして、物語、ゲームシステムとの相乗効果を作れた点。
 音楽素材をただ使うだけでなく、物語やゲームシステムに関連づけることで素材を有効に使えたのではないかと思います。

・課題の残る点

 操作性が悪い点。
 テストプレイ中自分でも気づいていたのですが、誤操作したり、動かしたくないタイミングでキャラが動き出したりするのは、もう少しやりようがあるだろうと思いました。

 楽しさが低い点。
 これはゲームシステムとステージ構成が悪いのだと思います。
 今のシステムだと、別解を潰すためにどうしても正解には不要な一方通行やブロックといった仕掛けを配置する必要があり、結果、プレイヤーさんが問題を解く際、別解潰しの仕掛けによって思考が邪魔されてしまう=気持ち良くない、というステージ構成になってしまっているのだと思います。

 拡散力がイマイチな点。
 twitterでツイートしたのですが、どうにもツイートが伸びない。
 これは僕の宣伝力? 動画作成力? が低いだけかもしれないです。または僕の影が薄い……

課題について

 操作性と楽しさについては、改善の余地はあると考えています。
 そこさえ改善すればオール4点以上行けたかも(?)

 ああ、いや、もちろん、これは負け惜しみとかではなくて、時間が取れなかったり、技術や考えが足りなかったりした自分の実力不足と考えています。

 結果が全てと思っています。

 けど、「レクシンセシス(Rec Synthesis)」はまだ改善の余地がある企画だとも思っています。

 つまり、結果を受け入れた上で、改善すれば、光る企画に化けるんじゃないかな、と思っているわけです。

まとめ

 「レクシンセシス(Rec Synthesis)」の振り返りいかがでしたか?

 今回途中までは作りながら、noteにメモ書きしていたので、制作途中の風景を少し見せられたのではないかと思います。最後の方、ステージ構成辺りはメモしてなかったので、最後がすごく駆け足な記事になってしまいましたが……

 兎にも角にも、「レクシンセシス(Rec Synthesis)」は課題が明確になった箇所もあるので、もう少し練り直してみるかもしれません。

 いつの日か、新しく生まれ変わった(Reborn)「レクシンセシス(Rec Synthesis)」に出会う時がくるかも。そんな時はぜひぜひ遊んでみてくださいね。


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