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夜のドライブ、あなたを想う

彼にまんまと嵌められてる気がするけど、私は夜のドライブがとても好き。昼間にしか出歩かないような優等生ちゃんだったことも理由かもしれない。でも夜の時間っていつでも特別だと思う。でも夜のドライブはもっと特別。ロマンチストかもしれないけど、2人きりってやっぱりドキドキするよ。運転する横顔を見る度に、私の隣に彼がいることに、安心して幸せだなと思うの。

四六時中一緒にいるから、1年前のように話すことなんて特になくて、夜景の中を走らせながら音楽が巡る。いやそもそも、1年前もそこまで話していなかったような気もするけど

最近よく1年前のことを思い巡らす。
彼と付き合ったのが約1年前。
もっと前からとっくに惹かれていたのに、引っ張り続けたんだよね。私は自分に自信がない。「好き」といくら言われても、自信が無いから「こんな私のどこか」と思う以外になかった。そうやって恋愛から距離を置き続けている。一定ラインまでしか許してこなかった。

どんな私でもいいと、あなたは言ってくれたけど、その意味が1年経ってもまだ分からない。

1年前から私は全然変わってない。
自分に自信がなくて、いくら悩んでも話せなくて、
一人で抱えて自爆する。

そう。根っこの部分なんてなんにも変わってない。

人間そう簡単に変わらないんだ
大人って変わりにくいんだ

そんなことを痛感している。

それでも、私自身はなんにも変わっていなくても、中身のほんの一部分は少しづつ変わっているように感じる。

見た目も、見た目の性格も、
たぶんね、ほとんど変わってない。
久しぶりに会った人も分からないんじゃないかと思う。

でも確実に、変わりつつある。

ものの捉え方が変わってきている。

そして自分を少しづつ許し、諦め、受け入れてきている。

夕日が好き。たった数時間しか見られなくて、空が闇から光へグラデーションに刻一刻と変化する様子や、その色が美しいと思う。日が沈む時はずっと眺めていられるような気がする。それくらい夕日が好き。

でも高校3年生の夏、夕日が酷く憎かった。
毎日思った。
道路へ一歩踏み出して
線路へ一歩踏み出して

ここで一歩進めれば苦しい日々も終わる

学校からの帰り道、夕日を見ながら毎日思っていた。
今ここで…と。


あれから夕日が嫌いになった。
美しいことが憎かった。
辛い日々を思い出すから見たくなかった。

でも今は、想起されることはあっても、夕日はいつでも美しいと思う。私は物事の背景ばかり気にする。そして私はひとやものの背景を大事にしたいと思っている。

背景も大事。大切。
でもありのままの、伝わってきたもので感じても良いと、教えてくれたのは彼だった。

私は背景と、ありのままと、
両方とも大切にしていいと学んだ。

彼越しに見える東京タワーが綺麗でいつも目を奪われる。今日は白く光っていた。ぼうっとロウソクの火のように灯る姿も好きだけど、これは夏らしくていいね。

きっとこれからも私は少しづつ変わり続ける。

まだ私は変われること
それが私の生きる希望なのだよ。


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