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生活のその辺にあるような小さな幸せがものすごく好き『三月のライオン』

最近、アニメ『三月のライオン』を見ています。


これは将棋のお話なのに、

キラキラつやつやの美味しそうなご飯たちと和菓子

口を大きく開けてきらきら笑う女の子

固く縛られてるみたいに苦しい主人公の男の子が

三姉妹に誘われるように次第に繊細にやさしく柔らかく
ふんわりとしたあったかい空気を連れてきたり

川面が照らされるきらきら

なんだか懐かしい赤い橋

そんな生活の食や一瞬の笑顔や
少しずつ成長していく姿に
思わずいいなぁと声が漏れた。

と同時に私は涙した。


このあたたかい空気はどこからやってくるんだろう。
だってこの物語でやっていることは、食べて食べて食べて、将棋くらいしかない、このアニメに、どうしてこんなにも心をあたためられるのだろう。

あ、っと思った。

そうか、大切なきらっと煌めくその一瞬を

丁寧に切り取られているから

だからなんだと気づいた。



そうなのだ。ご飯がいちいち美味しそうなのだ。

つやつやの角煮(美味しい半熟温玉の解説付き)の回はしばらく脳裏に焼き付くだろう。つやっつやトロトロのあま〜いタレたっぷりの角煮に、とろっとした味付き半熟のたまごが付いて、それはもう、お腹が空いて仕方ないのだ。美味しそう。


丁寧に和菓子を作る描写も

輝く川面が部屋を照らす、
まるで水面下にいるようなきらきらした夜も

「いらっしゃい」と主人公を待つ柔らかな姉妹の笑顔も

そんなあたたかさに照れるような嬉しい表情をする主人公も

どれも、そしてみんな、
私はすごく好きなのだ。


そしてそれは将棋とか関係ない、どこにでもあるような日常の一部なのだと思った。

それをここの中では綺麗に切り取って、三姉妹が主人公にあたたかい空気を連れてくるように、この作品が視聴者たちにも連れてきてくれているんだと気づいた。

そして私は好きな作品を思い返した。
アニメや漫画はよく見る。

でも両方を見るものは少ない。
さらには持っている漫画は本当に片手くらい。
そして好きな漫画はかなりトコトン集める。

『三月のライオン』はその柔らかい優しさが好きで購入したような気がする。
他に好きな作品と言えば、真っ先に思い浮かぶのは『西の魔女が死んだ』『つばき文具店』『夜のピクニック』とかかなあ。描写が綺麗で生活に根ざしていたり、夜に読みたくなるような本が好き。

特に『西の魔女が死んだ』は何回も読んでいる。はじめての小説。これを元に選ぶ本もある。

心情や自然の描写に食

それが丁寧に、綺麗に煌めくような書き方をされている本が好きなんだと気づいた。


だから、私は料理をして少し元気になったんだと思う。
食材を切る  炒める  煮る

生活にとても根ざしている
スーパーのおばちゃんたちのお話し声に耳を傾けるのが好き
コーヒー屋さんの前の香りやパン屋さんのバターの香りも
そんな些細なことがとてもとても、好きなんだ。


私にとって生活の些細な小さなちいさな幸せは
その大きさ以上の価値があるんだと思った。



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