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何者かになりたくて、いまだ何者にもなれていない私と、そして貴方へ。

*わかったふりは、もうしなくていい。

わかったふりを、していたことがある。色々なことを経験して、さも自分は人生を悟ったかのような顔で、得意気にしゃべっていた。

いまになって思うことは、何もわかってはいなかったということがわかった、ということ。

もちろん私だってそれなりにいろいろ経験して、わかることもたくさんできた。けれどこれまでの人生がそうだったように、この先の人生に何が起こるかなんてことは誰にもまったくわからない。

こうなるだろうと思っていても、まったく思いもよらない方向に行ってしまうことばかりだ。そのたびに打ちのめされたような気持ちになり、人間の非力さを知る。人生は予想通りになんて動いちゃくれない。人間なんて、本当は何もわかっていないのだ。ただわかったふりをする自分に酔いしれていたいだけ。

そう思ったら、人生を悟ったような顔をしているのは酷く滑稽なことだと気がついた。だからもうわかったふりは止めた。

わからなくていいし、わからないから面白い。わからないことを、ちゃんとわからないと言える人でありたいと思った。わからない事に遭遇して、時に悩み、時に悲しみ、時に喜びながら、その経験を自分のものにしていく。それがやがて自分の糧になり、以前より少し賢くなる。次に同じような出来事があれば、その時の経験を活かすことができるようになる。それを繰り返していくことこそが人生なのだろう。

だからもう、わかったふりはしなくていい。

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